豊島岡女子学園中学校 入試対策
2024年度「豊島岡女子学園中学校の社会」
攻略のための学習方法
分析
時間は理科と合わせて50分。大問数2~3問、総解答数は近年では25問で固定されているようである。
解答形式は、近年では記号選択が多めの割合で、そこに1~2問の短文記述が混じるというのがほぼ定型となっている。大問ごとに分野が大別されてはいるが、そこに他分野からの問題も織り込まれる事が多い、緩やかな融合問題となっている。
あるテーマに沿って問題が出されるのも特徴で、「様々なものの境界について」「高齢社会と社会保障」「女性の権利」・・・など多様な話題のリード文が見られる。内容は中学入試で訊かれる基本的な事柄で、教科書の範囲を超えた特殊・難解な内容までは出されない。しかし、語句を覚えていれば済むような単純な設問は少ない。正確で体系的な知識がないと正解出来ないような、やや高難度の問題となっている。
分野別対策
まずは基礎をがっちり固めておく。
地理分野については、地名・地形・気候・産業や地域の特色など、基本事項をひとまず覚える。地形図の読み取りや、位置を訊かれる問題もよく出るので地図・白地図で練習しておく。また、世界地理の問題も多く見られるので、アジアや中東など、日本とつながりのある地域については確認しておきたい。
歴史分野も各時代から広く出題されるので、時代順に人物や出来事の基本事項を覚える。図版などの資料が示される年もあるので、資料集も活用したい。
政治分野では、やはり「憲法」と「三権の仕組みとはたらき」について、しっかり理解しておきたい。図表でそれぞれの関連を視覚的に把握するとわかりやすい。
以上のように、まずはテキストや副教材で基礎を身につける。豊島岡女子を受験する生徒のレベルからして、基本問題をミスするようではとても合格は覚束ない。
知識
その上で、覚えた知識を統合し、さらに理解を深めておく必要がある。
基本事項をマスターしたら、復習と同時に知識を整理しまとめていく。断片的だった知識を、関連事項もまとめて筋道をたてて頭に入れておく。
本校は、選択問題でも紛らわしい選択肢が多く、正確な関連知識がないと手がかりを見つけられない場合が多い。
例えば、歴史なら、年表で政治の流れ、文化の流れ、戦争の流れと項目ごとにたどっておけば、同時代の他の出来事も思い出しやすい。ぶつ切れの単純な知識では十分な得点に結びつかない試験なのである。
数問出される短文記述もポイントとなる。
図表から数値を読み取り、比べる問題、関連知識が必要な問題、キーワードを素に自分で推理する問題、など。
いろいろなパターンで出題されているが、基本的に、問題文の中の事実と、自分の持っている知識を結びつけて答えを考え出すという能力を問われているようである。ここでも、先に述べたような体系的に整理された知識が大きな武器となる。
また、用語記入の問題もそうだが、特に指定が無い限りは漢字で書く、ひらがな・誤字は×という条件があるので、用語は漢字で書けるようにしておく。
まとめ
・基礎的な知識を、確実に覚える
・その知識と周辺事項を関連づけて、すぐに引き出せるようにする
・その知識を使って、原因や結果を想像する習慣をつける
このような態度で広い範囲の正確な知識と思考力を身につけられるよう学習に取り組もう。
また、試験時間にあまり余裕は無いので、普段からスピードも意識して、問題集等に取り組むようにして欲しい。
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2024年度「豊島岡女子学園中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問3つにそれぞれ地理・歴史と政治経済が割り当てられており、2024年度は歴史9問・地理8問、政治経済8問という割合であった。総問題数は25問、資料を除いたリード文は約1100字ほどだが、時間がなければ下線部付近だけ読んで済ますのも手である。
適語記入6問・記号選択18問・短文記述1問と選択問題が多いが、選択肢を選ぶのに細部まで正確な知識が求められるので、決して楽な問題ではない。
【大問1】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:9分
- ★必答問題
政府が出した命令や政治方針を題材に、各時代の制度や人物などについて訊かれている。
問1 〔え〕は武家諸法度で武士に向けて、〔お〕は慶安の御触書で農民に向けて出された〔き〕ものである。
問2 〔か〕五箇条の御誓文(1868年)~大日本帝国憲法(1889年)の間の出来事は、2.千島・樺太交換(1875年)・4.地租の税率引き下げ(1877年)・5.内閣制度の発足(1885年)の3つである。
問3 2. 延暦寺が建てられた比叡山は平安京の外に位置する。
3. 室町幕府は一向宗を保護していない。
4. 織田信長はキリスト教を保護した。
問4 公地公民
問5 3(奈良時代)→1(鎌倉時代)→2(戦国時代)→4(明治時代)
問6 おきて。惣掟(そうおきて)などともいう。
問7 城
問8 2. 『見返り美人』は役者絵ではない。
問9 2. 犬養首相暗殺は五・一五事件である。
【大問2】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
さまざまな資料を用いて、産業や各地の地形・気候などについて訊かれている。
問1 標高が250m→125m→303mと変化しているので、断面図1が合う。
問2 群馬県では冬に北西から強く吹く季節風「からっ風」から家を守るために北西側に防風林を植える家が多い。
問3 アは原子力が多いので福井県、ウは水力が多いので富山県、イは火力が多いので石川県である。
問4 奄美大島・屋久島・種子島など、離島が多い鹿児島県では移動に航空機が多く使われる。
問5 1. 山形県天童市の伝統工芸は将棋の駒。曲げわっぱは秋田県大館村の伝統工芸である。
問6 (1) 地図上方の工業用地が住宅地や空き地に変わっている。
(2) 再開発
問7 1は青森県とその周辺で消費が多いのでりんご、2はいずれもぶどうの産地である。4は購入金額の少なさから出回る時期が限られているすいかと考えられ、残る3がバナナとなる。
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
プラスチックなどのゴミ問題を話題として、政治のしくみや財政について訊かれている。
問1 マイクロ(プラスチック)
問2 割りばしなどの木製品はリサイクル品目に含まれていない。
問3 こども家庭庁
問4 1. 国会議員も作成できる。
2. 法律案は衆参どちらで審議を始めてもよい。
4. 必ず開かなければならないわけではない。
問5 近年、歳出の第1位は社会保障関係費、第2位には国債関係費が位置している。
問6 1. 主な原因物質はフロンガスである。
2. 海中の栄養分が過剰になってプランクトンが異常発生する。
4. 森林破壊は主に発展途上国で起きている。
問7 1. 自分に不利になる発言はしなくてもよい(黙秘権)。
問8 4. 教育費は教育機関が多く集まり、私立学校や塾・予備校なども多い大都市周辺で高くなる傾向がある。
攻略のポイント
全般的に中学入試の基本的な問題で、特別に難解な知識は必要とされていない。
しかし、単純な用語の暗記ではなく、細かい部分まで正確に、関連事項と結びつけて理解しているか、その知識を使って理由や原因まで考えを発展させられるかという点を問われている。
基本事項はしっかり復習し確実に身につける。白地図やグラフにも親しみ、地図を身近に置いて常に場所を確認する。記述対策としては、新聞やニュースで時事問題に触れ、その背景や理由を自分の知識を使って考えてみる。また、短く簡潔にまとめる練習をしておく。そして、25分の試験時間で最後まで解き進められるよう、普段の学習も漫然とせず、スピードもつけられるように意識しておくことも重要である。
正確な知識でミスのない答案を作れるよう、テストに向けて努力を重ねたい。
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