豊島岡女子学園中学校 入試対策
2024年度「豊島岡女子学園中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
漢字の書き取り・説明的文章の読解・物語文の読解の三題の出題が通例となっている。
素材文は計7000~8000字ほど。総解答数は25問前後となっている。そのうち、漢字が3問とことばの知識が1~2問だけという、長文読解中心の試験となっている。
数年前は、物語文の問題では記号選択ばかりだったが、近年では書き抜きや記述問題も出されている。配点は両者ほぼ均等である。選択肢問題は五択であるうえ、複数を選択する完答の問題もあり、けっして楽ではない。また、記述問題は70~90字ほどもある長いもので、要旨・主題の理解を問う難しいものが多い。
長文読解
・説明的文章
内容がやや高度なものが多い。科学的な話題が中心になるので、専門知識や用語が多く出てきて、理数系に苦手意識がある人は難しく感じるかもしれない。特に記述問題は90字という年度もあり、多くは要旨に関係する問題で筆者の考えの根本を問うようなものなので難しい。
論説文の要旨を把握する訓練を積むこと。まずは説明的文章読解の基本的な技術を身につけたい。形式段落と意味段落の整理。各段落の要点と細部の区別。全体の要約。重要点には傍線を引いたり関連する箇所を線で結んでおいたりして、目立つようにしておく・・・などである。難しい言葉も前後の内容や別の表現で言い換えたところを参考に、自分の頭でしっかり理解できるようにしたい。
また、記述対策として80~100字ほどで要旨をまとめる練習をしておけば、本校以外の試験でも得点に結びつくであろう。
・物語文
主人公の設定やストーリーが受験生にも理解しやすいものが多く、読みやすい。とはいえ、選択肢が五択であったり選択肢の文章が長めであったりと、楽な問題ではない。選択肢の一語一句に注意をはらい、的確に判断したい。また、以前は記号選択問題ばかりだったが、ここ数年では書き抜きや記述問題も出題されている。
物語文の読解の基本をおさらいしよう。場面の整理。時間・場所・登場人物に注意して場面の区切りに印をつけておく。各場面の主役に特に注目しながら、心情を考える。言動や情景から気持ちを想像する。自分ならこう思うだろうなどと予断を持ってはいけない。あくまで文中にある手がかりから考える。
そのためにも、普段から読書に親しみ、いろいろな生き方や考え方に触れておくことは大変有意義である。論説文でも同様だが、読書に勝る勉強は無いと心得ておかれたい。
漢字・その他
漢字の書き取りが例年3問出されている。標準レベルの漢字で、1問くらい難しい問題が含まれることもある。その他には、言葉の知識が1~2問出される場合もあるが、まったく出されない年度もある。長文読解に重点が置かれた試験となっている。
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2024年度「豊島岡女子学園中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
2題の長文読解での時間配分を考えておく。文章量も配点も毎年ほぼ均等であるが、説明的文章のほうがやや難しい傾向がある。得意な方から取り掛かるのも良いだろう。選択肢問題も五択で文字数も多いので読む量は多くなる。答えやすい問題から解き進み、時間のかかる長文記述は最後に落ち着いて書きあげる。
【大問一】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:25分
- ★必答問題
「死」や「死後の世界」についての認識や「魂」の存在などについて、宗教と哲学の考え方の違いを述べながら両者の論を考察している。
問一 宗教と違って哲学者は「そもそも死後がありうるのか」を問う。(しかし)驚くべきことに「魂が肉体と共に滅びるという世界観に対して、何らかの疑問を投げかけている」、(つまり)哲学者も魂が滅びない可能性を考えているのである→選択肢ウ。
問二 「人間とは本来何であるか」「今の自分は本来の姿に比べてどうであるか」「自分は死んだ後にどうなるのか」といった豊かで複雑な宗教的思考が、人々の「人生という物語」を作ってきたのだと述べられている。
問三 肉体は死んでも魂は消えず生まれかわったり別の世界で生き続けたりするといいう宗教的な考えと比べると、「死んだら終わり」という考えの「無神論」や「ニヒリズム」という呼称は「無機的」な「冷たい」感じがする。
問四 三つ目の考え方では、神や仏といった超自然的な存在を信じることによって天国や地獄に送られるとされる→選択肢アが合う。
問五 身体とは違う何かがあり、それを魂と呼ぶ「つまり」人は身体と魂からできていて身体は死んでも魂は残る。
問六 「心身二元論」を採ればこのような「言い回し(表現)」も理解できる、ということであるから、「言い回し」である部分を探すと、二つ前の段落に「あの世で先に待っているぞ」「もうすぐおじいさんに会える」「天国のあの人はきっと喜んでくれる」(というセリフ)が見つかるので、ここを抜き出す。
問七 (1) 「宗教で言う死後の世界」のことであるから、「あの世」、つまり「身体から離れた心が向かっていく、この世ではない場所」のことである
(2) オ. 死後の世界や魂とは関係のない、現実世界での願いである。
問八 「魂の不死を主張する論」とは宗教が採る死生観(身体と魂は別で、身体が死んでも魂は残る)のことであり、そうした思考を前提として受け入れることで、人は「人間とは本来何であるか」「今のあなた(自分)は本来の姿と比べてどうか」「死んだ後にどうなるのか」(第三段落)といったことを考えられるのである。
【大問二】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:25分
主人公と同級生の大貫とのやり取りを中心に、互いへの意識や言動が描かれる。
問一 大貫のあまり真剣に答えているとは思えない投げやりな返答を主人公はまじめにとらえ考えている→選択肢ウ。
問二 入学した四月一日に剃って「二十八センチのはず」と言っているので、二十八か月経った三年生の八月となる。
問三 数学の勉強で不調を感じていた主人公は、数学Ⅰの基礎的な問題から振り返って解いてみたところ、それがよいリハビリになって調子が上向いてきた。
問四 卒業まで切らないと言っていた髪を主人公が突然切ってしまったので、なぜだろうといぶかしんでいる。
問五 成瀬のすることについて島崎は「最後まで見届ける覚悟があるのに、勝手にやめちゃうから、モヤモヤする」と言っている。今回は卒業まで伸ばすと宣言していた髪を突然切ってしまったことを指しているが、同じように島崎をがっかりさせてしまったことがこれまでにも多くあったのであろう。「心当たり」とはその点を言っているのだろうと考えられる。
問六 主人公が思いつきのような夢や野望を屈託なく口にするようすが、大貫からするとあきれるような気もする反面うらやましく、主人公の自由さ・大胆さに憧れている面もあるが、自分にはとてもできない……という意識がこの発言になったのであろう
問七 ややつっけんどんな態度であまり深く付き合いたいとは思っていないようだが、一方で「せっかく始めたことは最後までちゃんとやりなよ」と、励ますような態度も見せている。主人公の無責任とも思える言動にあきれながらもけっして嫌いではなく、その豪胆さをうらやましいと思う面もあるのだろう。
問八 大貫は過去に「(三年間髪を切らない試みを)最後までちゃんとやんなよ」と言っていながら今は「髪切った方がいいんじゃない」と、その時の考えをためらわず主人公にぶつけている。主人公はそんな大貫の発言をまじめに受け取り、「やはり大貫は何かが違う。面と向かってこんなことを言ってくれるのは大貫しかいない」と評している。傍線⑦の過去においてもそう思ったのである。
問九 (1) 感傷――ア.負傷 イ.照明 ウ.印象 エ.賞状 オ.気性
(2) 不意
(3) まんぞくげ
攻略のポイント
問題数は20問と少なめだが、長文の記述問題や選択肢の五択など、スピードが必要であり、難易度も高めである。合格者平均点は7割を超えることも多く、どの項目でも大きく失点するわけにはいかない。
長文読解に重点を置いた試験なので、選択肢・書き抜き・記述いずれも十分に問題をこなし、説明的文章・文学的文章ともに自信が持てるよう、過去問で経験値をあげておきたい。
理想としては、読書を日々の習慣として文章読解の地力をあげておければ心強い。
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