早稲田大学 法学部 英語
入試対策と勉強法
早稲田大学 法学部 英語
ここでは、早稲田大学の法学部を目指す方に対して、英語の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。
早稲田大学法学部 英語試験の出題傾向とは
出題範囲(分野)
社会・文化など、様々な分野に関する論説文や随筆の読解問題が2題(2018年は1題が小説)、語彙・文法に関する知識問題が3~4題、条件付き英作文(2019~2022年までは整序英作文)と自由英作文の2題が出題されます。
読解問題の英文は量が多く、かなりの速読能力が求められます。
小問として発音・アクセント問題が問われることもあります。
出題量と時間配分
試験時間は90分です。読解問題2題は、それぞれ1000~1300語程度のものが多いです。
随筆や小説になると、より長くなる傾向があります。
知識系の大問については年によって若干の変更があるものの、誤文訂正・前置詞や副詞を選ぶ問題・空所補充問題の3題が頻出です。量は多くないので素早く解いてしまいましょう。
最後から2番目の大問は条件付き英作文の出題が続いましたが、2017年からグラフの読み取り問題、2019年より整序英作文、その後2023からは条件付き英作文(2023はメール文作成、2024は駅員の立場から乗客に一定の情報を提供するための文章作成)となっており、形式が安定しているわけではないため、直近のものだけで対策するのではなく、それまでのパターンも対応できるようにしておきましょう。
時間配分としては、読解問題2題に55分強、知識系の問題3題に15分弱、条件付き英作文に8分、残り15分程度を自由英作文にあてるという形をベースにして、あとは自分なりに調整すると良いでしょう。
出題形式
読解問題については、内容把握を問う空所補充や下線部同義問題など、「典型的な問い方」をしているものが多いですが、正確に読み取れていないと答えとなる選択肢を絞り切れないものがあります。
誤文訂正については標準的な問題と言えますが、社会科学部のように間違いなしの場合もあるので、緻密な検討が必要です。
自由英作文は、2014年のようにグラフが与えられ、そこから読み取れることを書くという形式も出題されますが2018年までは社会的なトピックについてのエッセイを書くことが求められていました。2019年以降は与えられた絵や写真などを見て、自分の考えなどを述べるものが出題されています。
解答形式
英作文以外はすべて「選択式」の問題です。
また、設問の指示文・選択肢などを含め全文英語で書かれているため、回答する際には本文と同程度に注意深く読解しなくてはなりません。
早稲田大学法学部英語試験を攻略するための勉強法
読解問題
本文だけでもトータルで英文量は2500語近くあるため、「速読能力」を鍛える必要があります。意味のかたまりごとに前から読み下していく事ができなければ、時間内に設問処理まで含めて解答を終わらせることは出来ないでしょう。句・節ごとに意味をとらえ、ニュアンスの分かるものは日本語に訳さず読み進める力を身につけましょう。
一定レベル以上の英文解釈能力を身につけたら、句・節ごとにスラッシュを入れながら前から読み下すトレーニングをしましょう(スラッシュ・リーディング)。
最初のうちは、やや多めにスラッシュを入れることになるでしょうが、慣れてくればそれほど入れずに前から読み下していくことができるようになります。併せて行いたいのが「音読」です。一度解き、しっかり復習した英文を用いて、必ず英文音読の時間を設けるようにしましょう。音読することで、強制的に前から読み下す習慣を身に付けることが出来ます。その際には、必ず意味のかたまりごとに内容を把握する意識を持つようにしましょう。漫然と読んでいては効果が半減してしまいます。音源付きの長文問題集であれば、それを利用することでさらに効果を高めることが出来ます。
さらに、各パラグラフのトピックを意識しながら読み進められるとよいでしょう(パラグラフ・リーディング)。法学部の長文は2題とも1000語を超えてくるため、正しい英文エッセイの読み方が分かっていないと途中で内容のつながりを見失ったり、答えの根拠を探すのに手間がかかったりしてしまいます。
英語は「ワンパラグラフ・ワンアイデア」というルールを守った書き方が多くなされているため、この特質を利用することで、長い英文でも途中で内容の流れを見失わなくて済みますし、設問を解くときに根拠となる箇所を発見しやすいのです。「ディスコースマーカー」と呼ばれるいわゆる“つなぎ言葉”にも意識を払うと、より論旨の把握が楽になります。パラグラフごとにキーワードを書き出してみるのもよいでしょう。reader friendlyな文章が良い文章であるとされる英文の特質を理解していると、効率的な読解が可能になります。
自由英作文問題
グラフの読み取りという形で出題される年度もありますが、まずは英文エッセイの基本的な構成・書き方を身に付ける必要があるでしょう。
それぞれのPartの内容を書くにあたっての典型的なフレーズを身につけておくことで、現場では純粋に内容面のみを考えることが出来ます。書きたい英語ではなく、書ける英語、論理を一貫させられる内容を選択するのも重要です。いずれにしても実際に手を動かして書くトレーニングを重ねましょう。
その上で、後述の問題集を使いながら、グラフ読み取りなど他のパターンの自由英作文をトレーニングするとよいでしょう。絵を与えられてそれについて自分の考えをいう形式の問題は東大で類似の問題が出題されているため、東大の過去問を利用するとよいでしょう。
単語・イディオム
難解な単熟語が頻繁に用いられた英文が素材になっているというわけではありませんが、知っておいた方が類推する箇所を減らせるのもまた事実です。
このレベルの大学を目指す以上は、多くの受験生も高いレベルの単語を身につけているため、余力があれば上級レベルの単熟語に対応できる教材を利用しましょう。
推奨テキスト
ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストを英文解釈編、長文読解編、単語・イディオム編、英作文編、文法問題編に分けてご紹介します。
英文解釈
(1)『英文解釈の技術100』(桐原書店)
英文構造の把握を身につけるための良書です。この1冊を7~8割程度消化したら、あとは速読のトレーニングをすることに注力しましょう。
(2)『ポレポレ英文読解プロセス50』(代々木ライブラリー)
やや勉強が進んでいる生徒向けとなっていますが、講義仕立てで読みやすく、量も絞ってある分、時間をかけずに終えることが出来ます。ポイントが絞られている分、説明の物足りなさを感じるところがありましたが、現在は筆者の西先生のYouTubeチャンネルでテキストの講義授業を受けられるため使い勝手がよくなっています。
長文読解
音源付きであり、出版も新しいため最新のトピックを知る上でも役に立つものをあげました。パラグラフ・リーディングの理解や設問形式ごとの解き方、英文エッセイの構成などまで説明されているテキストでもあります。いずれも問題を解くだけでなく解説までしっかり読み込みたい教材です。
(1)『The Rules英語長文問題集4』(旺文社)
(2)『英語長文ポラリス3』(KADOKAWA)
(3)『全レベル問題集:英語長文6』(旺文社)
(4)『イチから鍛える英語長文700』(Gakken)
(5)『英語長文PREMIUM問題集:Advanced/Top』(東進ブックス)
(6)『早稲田大学法学部(過去問)』
当然ながら、最高の実践的トレーニングとして最も重要なものです。近年の1年分については、レベル・形式を把握するために早い時期に解いておきましょう。
単語・イディオム
(1)『速読英単語[必修編・上級編]』(Z会出版)
学校使用の単語帳を用いるのが効率的ではありますが、使いづらかったり相性が悪かったりするのであれば、CD音源付きで速読の練習も兼ねられるこちらを利用すると良いでしょう。『上級編』まで回せれば単語力に不足はありません。
(2)『解体英熟語』(Z会)
ボリュームはありますが、テキストの後ろにある前置詞・副詞の整理ノートがよくまとまっており、効率的に覚えられるだけではなく、未知のイディオムもニュアンスを類推することができるようになります。
(3)『システム英単語Premium(語源編)』(駿台文庫)
語源ごとに編集された単語帳です。単語としてはやや難易度の高いものが多いですが、語源については分かりやくまとまっているため、自分の使っている単語帳では覚えにくい単語があるときに参考程度に利用するとよいでしょう。
英作文
(1)『英作文ハイパートレーニング自由英作文編』(桐原書店)
自由英作文の構成の仕方、基本フレーズを修得することが出来ます。法学部受験者であるならぜひ取り組んで欲しい一冊です。グラフの読み取り問題も収録されています。
(2)『英作文のトレーニング上[自由英作文篇]』(Z会出版)
やや上記の『英作文ハイパートレーニング』と説明の仕方が異なるところがあるものの、学習した手順をさらにこちらで深めることが出来ます。
文法問題編
(1)『スーパー講義英文法・語法『正誤問題』』(河合出版)
正誤問題に苦手意識のある生徒はぜひ取り組んでおきたい一冊です。重要な文法・語法の知識や理解の精度をあげることが出来ます。
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