東邦大学付属東邦中学校 入試対策
2024年度「東邦大学付属東邦中学校の算数」
攻略のための学習方法
はじめに
本校の入試問題は、標準的な問題とやや複雑な問題が出題される。合格に必要な点数を取るためには、標準的な問題をきちんと正解できれば十分である。ただし、算数で得点を稼ぐには、やや難しめの問題にもある程度対応できるようにする必要がある。
標準的な問題をしっかり得点していくつもりで、本校の過去問に取り組んでみると、意外と点数が伸びないこともある。
考えられる原因の一つは、試験時間の不足だろう。本校の試験時間は45分とやや短いのだが、手間のかかる問題なども見られる。このため、時間配分を間違えたり、解くべき問題の取捨選択の判断を誤ったりすると、点数は伸びなくなる。
そこで、短時間で解けるように練習していく必要が生じてくる。しかし、短時間で解くことと慌てて解くことは根本的に異なる。本校の試験時間はたしかに短めではあるが、過度にスピードを要求しているわけではない。本校の問題をよく分析すると、解法の選択を誤ると、時間がかなりかかるような問題が少なからず見られる。また、問題の出題意図を理解できると、解きやすくなる問題もある。したがって、慌てて解くのではなく、無駄のない解法を選択できる能力を身につけることを重視したい。
具体的な学習法
基本事項については、各分野とも理解できていることを前提に、具体的な学習法について述べていくことにする。標準~やや難レベルの問題を中心に取り組んでいくことになるが、単に問題を解くだけでなく、様々な解法で解いてみるとよい。複数の解法で解くことによって、テストで無駄の少ない解法を選択できるようになってくる。また、問題を解き終えてから、自分の解法をもう一度ふりかえることも大切である。改めてふりかえることによって、問題の本質の部分が見えてくる。こういう経験を積んでいくと、問題文を読んでから、解く方針を立てるまでの時間を短縮できるようになってくる。なかなか大変なことではあるが、ぜひとも実践してみていただきたい。
一方で、本校の問題では序盤に計算と一行問題が出題されている。計算では、素早く正確な処理能力と工夫する力が必要である。一行問題では、なるべく楽に求める能力が必要である。各塾などで配布される計算問題・一行問題には毎日コツコツ取り組むようにしたい。
過去問演習について
当たり前のことではあるが、過去問にはしっかり取り組んでおきたい。本校の問題は、標準的な問題の中に、手間のかかる問題や考えにくい問題が一部混ざっていることが多い。そして、問題の配列が難易度順になっておらず、正解を求めにくい問題が中盤に出題されることが少なくない。問題を取捨選択する練習を重ねるためにも、過去問演習は多めに行っておきたい。
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2024年度「東邦大学付属東邦中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
計算問題→小問集合→大問形式という一般的な問題構成になっている。今年度は、大問形式の問題が本校にしては易しめの問題が多いので得点しやすい。このため、受験者平均点が69.3点と高くなった。
試験時間は45分と、一般的な入試に比べると短めではあるが、慌てて取り組む必要はないだろう。
【大問1】計算問題
- 難度:易
- 時間配分:6分
- ★必答問題
計算問題が3問。工夫して計算する力が問われている。
(1)は2.15と43の関係に注目すると、分配法則を利用した方が楽になることが予測できる。
(2)も、自分なりに楽に解けそうな計算を考えながら取り組みたい。
(3)は明らかに分配法則を利用すべき。
【大問2】小問集合
- 難度:標準
- 時間配分:12分
(1)では、1/37を小数で表したときの小数第2024位を求める。
(2)は速さの問題。途中で速さが変化する設定になっており、変化する前と変化した後の速さの比、道のりの比に注目する。
(3)は食塩水の問題で、同じ作業を2回繰り返している。1回作業する度に濃さがどのように変化するのかを考えるとよい。
(4)は平面図形。解きにくく感じた受験生が多かったのではないだろうか。三角形ADF、三角形AFC、三角形FECがいずれも相似であることに気づくことがポイント。
(5)は集合に関する問題。落ち着いて取り組めば正解できるはず。
【大問3】仕事算
- 難度:易
- 時間配分:2分
- ★必答問題
A、B、Cの3人で仕事を行う問題。
(1)では、3人で仕事を行う場合にかかる時間を求める。易しい問題である。
(2)では、AとBの2人で仕事を行う場合にかかる時間を求める。BとCが1時間でする仕事量の比を求めて考えればよい。
【大問4】場合の数
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
階段を1段か2段ずつ上がる問題。
(1)では、4段目までの上がり方が何通りあるかを求める。フィボナッチ数列で考える典型的な問題だが、4段目であれば調べ上げても時間はかからない。
(2)では、5段目をふまずに10段目までの上がる方法が何通りあるかを求める。(1)を利用すれば、直ちに答えがわかる。
【大問5】立体図形
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
投影図に関する問題で、各立体の表面積、体積を求める。
(1)は表面積を求める問題。見取り図は容易にわかる。
(2)は体積を求める問題。見取り図を書いてみるとよい。
(3)も体積を求める問題。元の立方体を27分割して、上段、中段、下段に分けて考えると解きやすい。
【大問6】平面図形
- 難度:標準
- 時間配分:8分
相似に関する問題である。
(1)ではDH:HCを求める。定石通りに補助線を引いて、相似な図形(直角三角形)を作ればよい。
(2)ではDI:IHを求める。この問題も相似な図形に注目することがポイントで、(1)で作った直角三角形が手がかりになる。
(3)ではFGの長さを求める。「IはEFを二等分する点」という条件の活かし方がポイントで、二等辺三角形の性質に目を向けたい。
攻略のポイント
今年度は易しめの問題が多かったが、解きにくい問題も一部存在しており、得点差がつきにくい問題といえる。見方を変えれば、1つのミスの影響が大きいということでもあるので、正解できるはずの問題は確実に正解したい。
【大問1】の計算は、少しでも工夫しないとかなり時間がかかる。確実に正解すべき問題だが、時間のかけすぎにも注意したい。【大問2】は(4)がやや解きにくい。図形の問題は時間の浪費につながりやすいので、方針が立たなそうであれば、早めに後回しの決断をしてよい。【大問3】~【大問5】は解きやすい問題が続く。解きやすいだけに、つまらない失点には要注意。【大問6】は、(1)(2)は正解しておきたい。
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