早稲田大学 文学部 国語
入試対策と勉強法
早稲田大学 文学部 国語
ここでは、早稲田大学の文学部を目指す方に対して、国語の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。
※本学部の「一般選抜入試」は、「一般選抜」・「一般選抜(英語4技能テスト利用方式)」「一般選抜(共通テスト利用方式)」となっています。以下の「入試傾向」は、原則的に2024年度「一般選抜」の「国語」に準拠しています(ただし、必要に応じてそれ以前の問題に言及している場合もあります)。
早稲田大学文学部 国語試験の出題傾向とは
出題範囲(分野)
出題科目は「国語総合」・「現代文B」・「古典B」です。
ただし、2025 年度は新教育課程(「現代の国語」・「言語文化」・「論理国語」・「文学国語」・「古典探究」)と旧教育課程(「国語総合」・「現代文B」・「古典B」)の共通範囲、2026 年度以降は新教育課程からの出題となります。
現代文は、「論説文(評論文)」と「随筆」が中心です。文章内容は多種多様ですが、「現代社会が直面している問題」について論じた内容が多いです(2024年度は「社会論」と「言葉の力」について述べた作品を語っている「随筆」)。
古典は、それぞれが関連する「現代文・古文・漢文融合問題」になっています。
古文は中世~近世までの幅広い題材(和歌も含まれます。2024年度も歌論)、漢文も多様な分野から出題されます(2024年度は歴史書)。
国語知識は小問として扱われ、漢字、語句、慣用句(表現)、四字熟語、文学史等の幅広い分野から出題されています。また、漢文も含め古典常識も問われます。
出題量と時間配分
問題文の文章量は、現代文2題合わせて7000~8000字強程度と、他校と比較しても標準的と言えます(2024年度は約7700字)。
古文は1000~1200字前後(2024年度は約1100字)。漢文が200~300字程度(2024年度は約300字)です。
90分の試験時間なので、先に古文、漢文を40分弱程度でこなし、現代文は50分強ほどで丁寧に解いていきましょう。
出題形式の特徴
近年は大問4題が定着しています。
例年、大問(一)と大問(二)は現代文で、小問は各8~9問程度(解答数は計20前後)です。2024年度は 8問と9問(解答数は計18)となっています。
大問(三)が古文で小問は7問ほど(解答数は10ほど)です。2024年度は 7問(解答数は10)となっています。
大問(四)は漢文、小問は5~6問(解答数もほぼ同じ)。2024年度は 6問(解答数も6)となっています。
解答形式の特徴
マーク方式と記述式が混在しています。
マーク方式では、現代文で傍線部内容や空所補充・内容合致(不適切説明あり)、理由説明・乱文整序・脱文挿入、漢字(同音・同訓異字)・四字熟語・語句の意味、国語常識など、古典で現代語訳・内容解釈・内容合致・主語判別・文法判別・返り点判別、古典常識などが問われます(文学史も頻出)。
記述式では抜き出しや漢字の書きとり・語句記述などが主ですが、稀に説明記述の出題があります(直近では、2020年度に70~100字以内、19年度に120~180字以内指定)。
早稲田大学文学部 国語試験を攻略するための勉強法
知識問題
漢字の書きとりだけではなく、同音異字・同訓異字、また、類義語・対義語・四字熟語・ことわざ・難解熟語・同音異義語・故事成語・誤使用の多い語句の意味、さらには頻出の文学史までも確実に定着させることが必要になります。そこで、先ずは「己が実力」を把握することが重要です。
「大学入学共通テスト」の「漢字問題」(要は「同音異字」「同訓異字」の判別)がひとつの目安となります。「センター試験」も含めて最低10年分以上の過去問をこなしてみます。
その結果次第で、具体的な学習を進めていくのです。
尚、以下のサイトは「漢字問題」だけが集められていて便利です。
http://www.kanjijiten.net/center/index.html
解法①
文学部では、実に多種多様な設問内容が並びます。そこで、普遍的な「解法」に適合させることがより重要になるのです。論説文(評論文)特有の「解法」と全てに共通するものを体系的に理解・定着させ、応用する為に不可欠なのが復習の仕方です。「考え方のプロセス」を「トレース」することが必須で、特に間違った問題が重要になります。誤ってしまった分岐点をしっかりと確認しておくのです。
さらに、いくつもの練習問題や過去問を通じて、同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけてください。それが「解法」となります。
尚、具体的解法に就いては本HPの別サイト大学入試”王道現代文”をご覧ください。
解法②
本文(論旨)合致(非合致)設問が必出で、且つ難問が多いのが文学部の特色です。
論説文(評論文)であれば、基本的に序論部と結論部のみ照合して内容を検討し、選択肢を消去していくという「解法」を定着させ応用できるように練習を重ねましょう。本文全体を照合させると混乱するだけだからです。
また、乱文整序設問も頻出なので、各文の冒頭に着目して整序できるように学習していきましょう。
古典
古文は古文単語を完全に定着させた上で、文法を徹底的に習得することが肝要になります。特に、助動詞、助詞の意味・用法・接続、そして敬語(敬意の方向には注意)は完全に定着させることが必須です。その上で、多様な分野の文章に触れ、人物関係に注意し、主語(動作主)特定を意識して読み解く練習を重ねることです。さらに、歴史的背景・和歌修辞、官位・習俗・暦等の古典常識の習得も必須です。無論、文学史もです。
漢文は文の構造・訓点・句法などの基礎知識を習得した上で、漢文の背景となる思想や歴史についても理解しておきましょう。練習問題を通じて読解力を培うことが重要です。書き下し文に合わせての返り点記入などの白文対策も忘れずに行ってください。そして、頻出の漢詩、文学史・思想史に対する備えも必要になります。
推奨テキスト
ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストを知識編、現代文編、古文編、漢文編に分けてご紹介します。
知識編
(1)『漢字 一問一答【完全版】』(東進ブックス)
(2)『現代文最重要語句らくらく練習帳』(学研プラス)
(3)『新版完全征服 頻出現代文重要語700 [三訂版]』(桐原書店)
(4)『現代文キーワード読解[改訂版]』(Z会出版)。
前項の「大学入学共通テスト(漢字問題)」チェックで、5割未満の場合は(1)から、6割は(2)から、7割は(3)から、8割は(4)から始めるのがひとつの目安です。反復練習して完全定着させましょう。特に(4)では、「キーワード編」のみならず「頻出テーマ編」も熟読し、完全に理解することが重要です。
尚、文学部必須の文学史対策としては、『SPEED攻略 10日間 国語 文学史』(Z会出版)が時系列も理解でき、コンパクトにまとめられているので覚えやすいです。
現代文編
(1)『システム現代文 バイブル編[改訂新版]』(水王舎)
初級レベルです。「解法」って何? といった諸君にお薦めの入門書です。根本を徹底的に解説しており、マスターすれば「解法」は一通り理解できます。
(2)『現代文読解力の開発講座[新装版]』(駿台文庫)
中級レベルです。文章を客観的に捉える術が説明されており、G-MARCHから早稲田へのステップアップ段階の一冊です。
(3)『入試現代文へのアクセス 完成編』(河合出版)
上級レベルです。読解へのアクセスで問題点を喚起し、選択肢設問の消去の根拠も明記されており、解法理解度を自己確認できます。自らの実力を把握することで、早稲田合格に自信が持てる一冊です。
(4)『現代文と格闘する[三訂版]』(河合出版)
上級レベルです。易→難の問題構成で、「選択肢設問」の「正答の根拠」も明記されており、解法理解度を自己確認できます。自らの実力を把握することで、早稲田文学部合格に自信が持てる一冊です。
(5)『早稲田大学文学部(過去問)』
実践レベルです。しっかりと解いて、「解法」をトレースしてください。
古文編
(1)『読んで見て聞いて覚える 重要古文単語315 [四訂版]』
(2)『標準古文単語650 [三訂版]』(ともに桐原書店)
前者を反復して完全定着させた上で、後者を数回丁寧に通読しておいてください。それで「語彙」はほぼ心配ありません。
(3)『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル[四訂版]』(河合出版)
「文法」の基本が分かりやすくまとめられています。例文は品詞分解し現代語訳も行っておくことが大切です。
(4)『古文上達 読解と演習56』
(5)『最強の古文 読解と演習50』(ともにZ会出版)
前者は入試古文の全てを凝縮し、後者はその応用篇です。古文への自信がみなぎる二冊になっています。
漢文編
(1)『基礎から解釈へ 漢文必携 [五訂版]』(桐原書店)
漢語の構造から句法まで、基礎力養成のための一冊です。
(2)『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』(河合出版)
基礎定着の確認用です。
(3)『入試精選問題集 漢文 [四訂版]』(河合出版)
「読解力」アップへの道標になります。
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