市川中学校 入試対策
2024年度「市川中学校の社会」
攻略のための学習方法
【問題構成】
大問数は3~4つ。それぞれが分野別に割り当てられる場合が多い。問題数や分野別の比率は年度により違いがあるが、2024年度では歴史分野5割・地理と政治経済分野で計5割ほどの出題であった。総解答数は40~50問ほど。2024年度では32問中、記号選択17・適語記入11・記述4といった割合で、記号選択の問題が多くなっている。適語を記入する問題は漢字指定が基本なので、人物名・地名・事件名・法律名など、極端に難解な用語以外は漢字で書けるようにしておくこと。
【地理分野】
統計資料や地図を用いた問題が毎年出されている。国内のデータはもとより、農産物や工業製品の輸出入など貿易に関する資料や世界の国々に関する地理なども出題されている。地図の読み取りも見られる。広い範囲からさまざまな内容が問われている。
まずは日本の国土や地勢・地名・産業・気候など、基本事項を丁寧に覚えていく。地図の読み取りも十分練習しよう。統計資料にもつぶさに当たり、新しいデータを取り込んでおく。さらに、世界地理の問題も多く見られるので、特に貿易や過去の戦争などに関して日本と関わりの深い国の地理・産業や貿易のデータは頭に入れておこう。世界地図で国や地域の位置も正確に覚えてしまおう。
総じて、統計やグラフを用いた問題が多く見られるので、データの比較や読み取りがスムーズにできるよう、またデータの背景や理由を考えられるよう、類似問題で練習しておきたい。
【歴史分野】
各時代からまんべんなく、人物や出来事・外国とのつながりや文化についてなど、幅広く訊かれている。図版などの歴史資料も多く用いられている。
人物・事件や文化・産業、貿易や外国との交流など、基本的な事項をまずはしっかり学習する。その際、資料集などで関連する史料や写真・図版などもよく確認して見慣れておく。時代順の並べ替えの問題も出されているので、年表などで時代の流れをイメージできるようにしておこう。
【政治経済分野】
政治の仕組みや日本国憲法などについて、時に細かい知識も問われることがある。時事問題を絡めて出題されることもある。憲法の主要な条文を暗記し、立法・行政・司法の基本的な仕組みを頭に入れる。地方自治や選挙制度といった項目も出題されるので、油断なく学習しておく。
過去には3分野が同じくらいの割合で出題されていたが、2024年度では政治経済分野は2割5分ほどと比重が小さくなっている。今後の傾向に注意しておきたい。
【記述問題】
字数制限はないが、だいたい50~60字程度でまとめられる内容である。単に用語を説明しただけでは済まないような問題が多い。事件の背景や出来事の理由を常に考えるよう習慣づけてしまおう。
【問題量と時間】
資料・統計の読み取りにかかる時間やリード文の量なども考えると、40分は少し短いかも知れない。一部に手間のかかる問題(選挙制度の問題・2017年度など)が出る場合もある。
時間のかかる問題は後回しにして、まずは解ける問題をひととおり終わらせるなど、ペース配分にも注意が必要である。
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2024年度「市川中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
リード文と資料の読み取りで問題の分量はかなり多く、40分では十分余裕があるとは言えない。2024年度では総解答数は32問と例年より少なめであった。基本レベルの問題が多いが、資料が多いので読み取りには慣れが必要である。できる問題をとにかく解き終え、手間がかかる問題や記述問題は最後にまとめて解くなど、時間配分を工夫しよう。
【大問1】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
日本で用いられた貨幣をテーマとして、各時代の人物や出来事について訊かれている。
問1 (1) 富本銭 (2) 和同開珎
問2 ウ. 仏教の伝来は538年で6世紀である。
問3 a. 口分田は女子からも集められた。 c. 調と庸は都には納められる税である。
問4 仏教の力で世の不安を治める。
問5 ウ(9世紀)→ア(9世紀末)→エ(10世紀)→イ(11世紀)
問6 a. 京都所司代ではなく、六波羅探題である。d. 惣は農民や村人による自治組織である。
問7 b. 米は大阪・江戸の蔵屋敷に運ばれて取引・換金された。
問8 新井白石
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
生糸の輸入や生産の歴史を題材に、人物や出来事について訊かれている。
問1 (1) 富岡製糸場 (2) 朝鮮総督府
問2 羅森は中国人で、英語を話せたため通訳として雇われたのだろうと考えられる。日本人とは中国語で話をした。
問3 富国強兵
問4 (い) 二十一カ条の要求 (う) ベルサイユ条約
問5 両方正しい。
問6 イ. 環境庁の設置は1971年である。
【大問3】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
自然災害を題材として、さまざまな資料について考える問題。
問1 台風は夏~秋にかけて太平洋高気圧の縁をなぞるように日本付近に接近する。その後偏西風に乗って速度を増し通過していくパターンが多い。
問2 米の生産量は近年では新潟県が1位となっているのでbが北海道。秋田県と宮城県では秋田県の方が生産量が多いので、cが秋田県である。
問3 (1) aは冬期に流量が多いので日本海側のX、bは夏に雨が多い太平洋側のZ、cは 年間を通じて雨の少ないYである。
(2) 輪中
問4 aは機械工業が多いことから中京工業地域、bは金属・化学・食品の多さから阪神工業地帯、cは化学・繊維が多いので瀬戸内工業地域である。また、Yは割合が大きく増えているので機械工業、Zはやや減っているので金属、Xが化学となる。
問5 aは海岸沿いに集中しているので津波、bは山地や河川沿いで分布しているので洪水、cが地震である。
問6 せきは谷の出口付近に多く設置されており、その先には住宅街が広がっている。大雨による洪水で土石流などが発生した場合に、下流の住宅を護るためのものである。
【大問4】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
政治についての対話文を読み、政治のしくみや憲法について考える問題。
問1 (1) 日本においては女性労働者が非正規雇用で働いている場合が多く、経済的に困窮しやすい状況が存在する。女性の国会議員が増えればそうした現状に即した議論や法案提出が増えることが期待される。
問2 イ. イギリスのEU離脱はイギリスの国民投票の結果に従った判断で、国内の問題である。
問3 ウ. 夫婦別姓についての法案は提出が見送られたり、提出はされたが廃案となったりなど、審議には至っていない。
問4 (1) オ (2) 議院内閣制
問5 (1) ア. 裁判官は法律と自身の良心にのみ従い判決を下す。
イ. 第一審・控訴審・上告審と3回裁判を受けられる。
ウ. 違憲立法審査権はすべての裁判所が有する。
(2) b. その他の裁判官は内閣が任命する c. 日本国憲法の制定時に国民投票は行われていない。
問6 不断の努力
攻略のポイント
2024年度も統計資料やグラフが多く用いられており、全体の問題量は多くなっている。組み合わせを選ぶ問題も多く、いくつかの知識を合わせて一問になっているので、考えることが多い。
基本事項の問題が多いので、まずはここを落とさず確実に答えられるよう、テキストを丁寧に学習する。基本的な問題は確実に答え、そのうえで記述問題にも答えられるような幅広い知識と思考力を身に着けたい。記述問題対策として、出来事や制度の理由・背景など考える習慣をつけよう。
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