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出題傾向・攻略のための勉強法・推奨テキスト

東京大学 共通問題 英語共通問題

ここでは、東京大学前期日程を目指す方に対して、英語の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。

 

東京大学前期日程 英語試験の出題傾向とは

出題範囲(分野)

 要約・自由英作文・リスニング・和文英訳・長文読解が大きな柱となっています。英文自体は標準的なものと言えますが、設問では論理的・国語的な運用力が問われるものが多く、設問処理に時間がかかります。
文法・語彙に関しては、年度によって語彙類推や語句整序、誤文訂正などが出題されます。

出題量と時間配分

 試験時間は120分です。そのうちリスニング問題が30分であり、設問の先読みのため数分程度を確保する必要があることから残りを85分程度で解く必要があります。
 およその目安としては、1(A)要約(10分強)・(B)長文読解(文補充、段落整序、英文要約など)(10分)、2(A)(B)自由英作文(近年はBで和文英訳が出題)(15分強)、4(A)誤文訂正など(7分)・(B)英文和訳(15分)、5長文読解(25分弱)です。
 リスニングが試験開始後45分後に始まるため、前半に何をどこまでやるのか戦略的に考えておくのも重要です。

出題形式

 要約問題は例年出題されています。英文自体は300語程度のものが多く、記述する語数は年によって異なるが70~80語あるいは90~100語といったものが多いです。
 自由英作文は絵を見て答えさせたり状況を説明させたりするなど、クイックレスポンスの力を身につける必要が高い出題がなされていましたが、2019年からはあるトピックに関する意見論述型のものとなっています。
 読解問題は物語や随筆などやや柔らかい内容のものが素材となっていますが1000語近くの長さがあるため速読能力が必要です。リスニングが選択式で配点も全体の4分の1を占めるため合否を大きく左右することになります。

解答形式

要約・英作文・和訳など記述させる問題が多いです。
英語の地力を高めるだけでなく、書き方・解き方を確立していないと時間内に終わらせることはかなり厳しい出題となっています。リスニングは客観式の形式を取っているため、合格者と非合格者の平均点の差が大きいところでもあるため、しっかり対策しておきましょう。

 

東京大学前期日程 英語試験を攻略するための勉強法 

・読解問題
大問5のみならず、要約や和訳の英文も含めればトータルの英文量はかなりのものになるため、速読能力を鍛える必要があります。意味のかたまりごとに前から読み下していく事ができなければ時間内に設問処理まで含めて解答を終わらせることは出来ないでしょう。句・節ごとに意味をとらえ、ニュアンスの分かるものは日本語に訳さず読み進める力を身につけましょう。
一定レベル以上の英文解釈能力を身につけたら、句・節ごとにスラッシュを入れながら前から訳し下すトレーニングをしましょう(スラッシュ・リーディング)。最初のうちはやや多めにスラッシュを入れることになるでしょうが、慣れてくればそれほど入れずに前から読み下していくことができるようになります。
併せて行いたいのが音読です。一度解き、しっかり復習した英文を用いて、必ず英文音読の時間を設けるようにしましょう。音読することで、強制的に前から読み下す習慣を身に付けることが出来ます。その際には必ず意味のかたまりごとに内容を把握する意識を持つようにしましょう。漫然と読んでいては効果が半減してしまいます。音源付きの長文問題集であれば、それを利用することでさらに効果を高めることが出来るでしょう。

・要約・和訳
特に要約問題は、トレーニングを重ねた分だけ正確さ・時間効率が上がります。読解問題集の中には英文の要約まで記載されているものがあるので、その場合には設問だけで済ませるのではなく要約までやってみましょう。学校の先生に添削してもらう機会を持つと良いでしょう。東大の和訳問題は下線部のみでは和訳が確定しないものも多いです。文脈の中で当該箇所が何を言おうとしているのかを常に意識する勉強が必要です。

・自由英作文
東大の自由英作文は時事問題についての単なる賛否を問うようなものではなく、現場で何を書くかイチから考えなくてはいけない設問となっています。自分の考えついたことを自由に英語に出来る力を身に付けるためには普段から考えたことを英語にする習慣を身に付けましょう。東大対策本の他にも自分でテーマを決めて英文にし学校の先生に添削してもらうとよいでしょう。

・リスニング
記述式の問題では差がつきにくいことから選択式の多いリスニング問題で点数を稼ぐのが高得点のポイントとなります。東大対策本をやるのみならず、読解問題集・単語集など音源付きのものを使用し毎日必ずリスニング時間を設けましょう。

・単語・イディオム
難解な単熟語が頻繁に用いられた英文が素材になっているわけではありませんが、知っていたほうが類推する箇所を減らせるのもまた事実です。このレベルの大学を目指す以上は多くの受験生も高いレベルの単語を身につけているため、余力があれば上級レベルの単熟語に対応できる教材を利用しましょう。

 

推奨テキスト

 ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストを英文解釈・和訳問題篇、長文読解篇、単語・イディオム篇、英作文篇、リスニング問題篇に分けてご紹介します。

英文解釈・和訳問題

(1)『英文解釈の技術100』(桐原書店)
英文構造の把握を身につけるための良書です。この1冊を7~8割程度消化したら、あとは速読のトレーニングをすることに注力しましょう。

(2)『ポレポレ英文読解プロセス50』(代々木ライブラリー)
やや勉強が進んでいる生徒向けとなっていますが、講義仕立てで読みやすく、量も絞ってある分、時間をかけずに終えることが出来ます。ポイントが絞られている分、説明の物足りなさを感じるところがありましたが、現在は筆者の西先生のYouTubeチャンネルでテキストの講義授業を受けられるため使い勝手がよくなっています。

(3)『Rise構文解釈1・2』(Z会出版)
『2』までやれば英文解釈・和訳に不安はなくなるでしょう。

長文読解

音源付きであり、出版も新しいため最新のトピックを知る上でも役に立つものをあげました。パラグラフリーディングの理解や設問形式ごとの解き方、英文エッセイの構成などまで説明されているテキストでもあります。いずれも問題を解くだけでなく解説までしっかり読み込みたい教材です。

(1)『The Rules英語長文問題集4』(旺文社)
(2)『英語長文ポラリス3』(KADOKAWA)
(3)『全レベル問題集:英語長文6』(旺文社)
(4)『イチから鍛える英語長文700』(Gakken)
(5)『英語長文PREMIUM問題集:Advanced/Top』(東進ブックス)

(6)『過去問』
長文にかぎらず東大の問題は解き慣れていないと時間内に終えることが難しいため、最低でも過去15年分はやっておきましょう。また、ある程度の間を開けて複数回解くと良いでしょう。

単語・イディオム

(1)『速読英単語[上級編]』(Z会出版)
(2)『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』(KADOKAWA)
学校使用の単語帳を用いるのが効率的ではありますが、使いづらかったり相性が悪かったりするのであれば、CD音源付きで速読の練習も兼ねられるこちらを利用すると良いでしょう。『上級』まで回せれば単語力に不足はないでしょう。もっとも、東大受験生生の多くが鉄壁を使っているという現実もあるので、知識レベルで差が生じないという安心感のためにこちらを選ぶという選択肢もあります。鉄壁は語源や語法などの関連知識が充実しています。

(3)『解体英熟語』(Z会)
ボリュームはありますが、テキストの後ろにある前置詞・副詞の整理ノートがよくまとまっており、効率的に覚えられるだけではなく、未知のイディオムもニュアンスを類推することができるようになります。

(4)『システム英単語Premium(語源編)』(駿台文庫)
語源ごとに編集された単語帳です。単語としてはやや難易度の高いものが多いですが、語源については分かりやくまとまっているため、自分の使っている単語帳では覚えにくい単語があるときに参考程度に利用するとよいでしょう。

英作文

(1)『英作文ポラリス2自由英作文編』(KADOKAWA)
自由英作文の構成の仕方、戦略など極めて丁寧に説明されているのももちろんですが、出版年も新しく、テーマとしても現代的なものが含まれています。東大では直接現代的なトピックが問われることはないですが、ここで学んだフレーズや問題意識は十分に英文の中に利用可能であるため取り組む価値があります。

(2)『英作文のトレーニング[実践篇]』(Z会出版)
 (1)『英作文ポラリス2』と説明の仕方がやや異なるところがあるものの、学習した手順をさらにこちらで深めることが出来ます。また、和文英訳についても難関国立の過去問を用いて演習問題が設定されており効果が高いです。

リスニング問題

(1)『灘高キムタツの東大リスニング』(アルク)

(2)『灘高キムタツの東大リスニングスーパー』(アルク)
東大対策に特化したリスニング問題集であるためぜひ取り組んでおきたい一冊です。

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