城北中学校 入試対策
2024年度「城北中学校の社会」
攻略のための学習方法
特徴と内容
城北中の社会の入試問題は、毎年ほぼ一定のパターンで出題されている。
大問は3つ。それぞれに小問10~20問が含まれて総解答数は50~55問程度。
多くが記号選択問題で、そのうち10~15問ほどが用語・人名記述となっている。長い記述問題はこれまで出されていないので、まず心配しなくて良い。テスト時間は40分で1問に1分はかけられない。テンポよく解いていくスピードが必要とされる。
内容は、大問それぞれが歴史・地理・政治経済とわかりやすく区分けされており、特に歴史と地理に重点が置かれている。
歴史は日本史に限定されていて、範囲は縄文時代~近代まで、政治に関連した問題が多いが、最近は文化についての問題も出されるようになった。城北の歴史は高レベルの問題が見られるので、出来事に関わる人名・年号・関連事項もまとめてよく覚えておくとよい。資料集も活用して歴史に関わる地図なども見ておきたい。
地理については地図とグラフをよく見ておくこと。地図帳でこまめに地名を確認し、白地図で地形・気候・産業等を整理しながら、資料集で主要な統計は暗記しておく。また、地形図の読み取りも出題されているので、練習が必要である。内容は日本地理が中心ではあるが、日本地理に伴って世界地理も問われるといった問題も出されているので、一通りは勉強しておくように。
政治経済は、毎回あるテーマに沿って問題が作られる。出題範囲は広いが、中でも日本国憲法の基本事項を理解しておくとよい。特に、基本的人権と行政・立法はよく出題される傾向にあるので細かい部分まで覚えておくようにする。
テーマに沿った問題構成
上でも述べたが、地理や政治経済の問題は、あるテーマに沿った構成になっている場合が多い。
このような問題では、そのテーマに関連する事項がすぐ頭に浮かぶようにしておいた方がよい。そのためには、やはり単純な用語ばかりの暗記だけでは足りず、もう少し深い知識が要る。
面倒がらずに、関連事項も頭にいれておくこと。
城北の選択式問題の特徴
城北の問題は記号選択式が多い。
当然、中学入試の一般的な問題も出されてはいるのだが、実際に過去問に目を通してみると、かなり難しいという印象を受けるのではないだろうか。それは、その事項についての正確な知識が無いと正解出来ないように選択肢が作られているからだ。
設問の中にあまりテキストに出てこない、初めて見聞きするような話題や用語が使われている場合もある。
たとえば、「奈良時代の農民への稲もみの貸し付け」などという学校では習わないような細かい話題に触れられていたりする。
しかし、慌ててはいけない。しっかり勉強してあれば、自分の持っている知識で正誤を判断できる選択肢(つまり正解)が必ず一つはあるのだから。正解は、後で知ってみると意外に簡単だったりする。選択肢で使われている言葉のひとつひとつをしっかり読んで、正解を選ぶ手がかりとなる「一言」や「部分」に気づけるかどうかが、大きなポイントとなるのである。
時事問題にも注目
時事問題で新しい話題についてもよく出題されている。地理や政治経済、社会に大きな影響を与えた出来事などについて、ニュースで注意してみておこう。重大ニュース集・時事問題集に目を通すのも有効である。
本文と問題文を合わせると字数も多い。手際の良さも要求されるテストなので、過去問でどのくらいのスピードで解けばよいのか実感として把握しておこう。なお、人名・用語は「漢字で」という条件がつくので、漢字で書けるようにしておくこと。
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2024年度「城北中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は51問とやや多かった。選択肢問題が40問で11問が適語記入となっており、記述問題は出題されていない。単純に計算すれば1問1分弱使えるが、全体の文字数は多めであり、選択肢中の単語ひとつひとつに注意して読まねばならないので、あまり時間に余裕は無いと思った方がよい。40分間、ほぼ同じ形態の設問が続くことになるので、集中を切らさずに最後まで目を通せるよう、似たような形式の問題で練習しておきたい。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
宮城県での合宿を題材として、各地の産業や気候などについて訊かれている。
問1 大宮
問2 上野
問3 隅田
問4 危険から横方向に遠ざかる「水平」避難と上方向に逃げる「垂直」避難。
問5 森のくまさんは熊本県、はえぬきは山形県、ななつぼしは北海道の銘柄米である。
問6 エ. 仙台名物「笹かまぼこ」
問7 合宿は宮城県内で行われ、岩手県に入っていないので南部鉄器は当てはまらない。
問8 東日本大震災は、海側の太平洋プレートが陸側の北米プレートに沈み込む形で発生した。
問9 天橋立は京都府、安芸の宮島は広島県にある。
問10 多くの島が点在する松島の地形が波を防ぐ働きをしたと考えられる。
問11 震災では北上川をさかのぼってきた津波で多くのかたが亡くなった。
問12 アは冬の低温と少雨の傾向から長野市、ウは日本海側気候で富山市、エは気温が高いので大阪市である。
問13 ウ. かつて盛んだった遠洋漁業や、イワシなどが獲れなくなった沖合漁業とことなり、沿岸漁業は変動が少ない。
問14 牡蠣の養殖第1位は広島県。
問15 北からの寒流である千島海流と、南からの暖流である日本海流が合流している。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:17分
9世紀後半の日本の歴史をについて、関連する人物や出来事について訊かれている。
問1 イ. 藤原良房は孫を清和天皇として即位させ、自らは摂政となった。以降、藤原氏の摂関政治が始まった。
問2 イ. 藤原良房の意見で第四皇子が皇太子になるなど、天皇の意志では次の天皇を決められなかった。
問3 ア. 平治の乱で勝利したのは平清盛。
イ. 地頭を置く権利を与えられたのは源頼朝。
エ. 平泉を本拠地にしたのは奥州藤原氏である。
問4 長岡京遷都が784年なので、時期的にウが合う。
問5 熊本県
問6 北九州の隣国は朝鮮であり、当時治めていたのは新羅である。
問7 東北地方の太平洋側で、陸奥国にあたる。
問8 南北朝の合一・日明貿易(1392年・1404年)→キリスト教の伝来(1549年)→天正遣欧使節の派遣(1582年)→スペイン船の来航禁止(1624年)……エ。
問9 ウ. もともとの倭寇が治まったのち、中国人が倭寇を名乗って五島列島を拠点のひとつにし中国沿岸を荒らした。
問10 南蛮貿易では銀が輸出された。
問11 ポルトガル
問12 長篠(の戦い)
問13 堺(大阪府)
問14 イ. 火薬に必要な硝石は国内では産出されない、とある。
問15 (お) 朝鮮 (か) 台湾
問16 イ. 下関条約では賠償金2億両(テール)が支払われ、それをもとに日本は八幡製鉄所を建設した。
問17 ウ. 第一次大戦が終わり、ヨーロッパの経済が回復し始めると日本は不景気になった。
問18 関東大震災後のデマをきっかけとした朝鮮人や中国人への暴行・殺害は、正確な犠牲者数は定まっていないとされる。
問19 ウ. ポーツマス条約で日本はロシアから南満州鉄道を譲り受けた。
問20 奉天は地図のアの位置にある。
問21 ア. 国内の大部分の新聞は軍部の発表をそのまま報道し、軍事行動を全面的に支持した、とある。
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
裁判所・人口減少などについての問題。
問1 (あ) 検察官 (い) 弁護人
問2 [1] イ. 重大な事件では最高裁判所大法廷で15人すべての裁判官で審理される・
[2] (う) 内閣は最高裁判所長官を指名する。
(え) 裁判所は国会の立法について違憲立法審査権を有する。
問3 (お) 上告 (か) 三審
問4 エ. 心身の故障などで職務を行うことができないときは、裁判官は辞めなければならない。
問5 [1] ウ. 裁判員裁判は重大な刑事事件の一審において行われる。
[2] 懲役7年→懲役5年の罰で過半数に達する。
問6 エ. 図3の読み取りとして正しい。
問7 ウ. 図中のBRICSではブラジルとロシアがあるが、どちらも人口は1億人を超え、名目GDPも1500(10億USドル)を超えている。
問8 A. 定住人口を増やす→ア
B. 関係人口を増やす→エ
攻略のポイント
● 基本的な問題が多く難問奇問は出題されないが、選択肢の内容が細かいことまで書かれていて、生半可な知識で選ぶと迷ってミスしやすくなっている。見慣れない用語や話題も含まれる場合があり、ここで焦ってしまう人も多いだろう。選択問題だからと気軽に受け止めてはいけない。合格者平均点は7割前後なので、12~13問のミスは許される。迷いそうな問題は後回しでとにかく最後まで目を通すこと。
● まずは選択肢を正確に読むこと。正解の手がかりが「ほんの一言」や「ある一部分」にある場合が多いので見落としてはいけない。落ち着いて一語一句に集中して考える。
● 選択肢の中に初見の情報が出てきたとしても、どこかにある数少ないヒントを見逃さなければ、正解できる。そのためには重要語句を一通り覚えたくらいでは力不足である。テキスト・地図帳・白地図を活用し、周辺事項も含めて知っておかなければならない。極端に難しい勉強が必要な試験ではない。学校や塾での学習に、しっかり丁寧に取り組む「真面目」な姿勢が求められている。
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