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鷗友学園女子中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「鷗友学園女子中学校の理科」
攻略のための学習方法

鴎友学園女子中学校理科の満点は100、合格者平均は64.8点で、難度の高い入試が続いている。幅広い知識を必要とする問題に加え、思考力を必要とする問題が多いことが本校理科の入試の特徴と言える。問題の形式としては、実験や観察に関する説明・図・グラフを読みとった上で答える問題が中心であり、計算問題や記述問題も含まれる。

合格に向けての学習法としては、まずは各分野の基本知識をまんべんなく確実に身につけることが必須である。その上で、過去問やレベルの高いものも含めた問題演習をしっかり行うことが求められる。

本校の理科の入試問題では、ここ何年かはカラーの写真や図が用いられている。過去問演習を行う際には、実際の(カラー版の)問題を入手して(鴎友学園のホームページからもプリントアウトできます)演習を行って欲しい。

<分野毎の学習法>

生物分野 本年度は火成岩についての出題で、心臓のはたらきと血液循環についての出題であった。難度の高い問題も含まれてはいたが、今回の入試における大問4つの中では、最も得点しやすかったと思われる。ここ数年では、植物の花芽形成、動物の呼吸、アゲハチョウ、花のつくりと受粉、食物連鎖、生物の誕生、光合成、池に住む生物、人のからだの働きなど幅広い単元から出題されている。植物や動物の写真がカラーで提示されることも想定される。その対策として、植物や動物の学習を行う上では、花の色・動物や昆虫の姿をカラー写真で確認して欲しい。そのためには、図鑑や資料集などを有効に活用しよう。

地学分野 本年度は火成岩に関する出題で、オリジナリティのある難度の高い問題も含まれていた。ここ数年では、河岸段丘、天体(日食と月食など)、地震、気象、岩石や地層に関しての出題が見られた。天体に関する出題がやや多い傾向にある。この分野を学習する上では、月・太陽・星の動きを「なぜそのように動いて見えるのか?」の理屈を理解した上で覚えておこう。星や月の動きに関する計算問題も十分に練習しておきたい。地層や岩石の学習では、資料集などで各岩石の色等の違いも確認して欲しい。地層のボーリング調査に関する問題の演習もしっかり行うこと。

物理分野 本年は凸レンズによる像についての出題で、作図を必要とする問題も含まれていた。ここ何年かでは、力のつり合いと電気に関する出題が多く、光・音に関する出題も見られる。この分野の学習としてまずは、最も出題される可能性の高いてこのつり合い、滑車・輪軸・浮力・ばねなどの基本的な計算をしっかり練習して欲しい。電気・光などについても基本的性質を理解した上で問題演習を行おう。単なる頭の中だけでの丸覚えだけでなく、実際の演習をしっかり行うことが大切である。

化学分野 本年度は混合物の分離に関する出題で、正確な知識と考察力が必要な内容であった。ここ数年では、水の状態変化と体積の変化、燃焼、中和反応、水溶液の性質、化学変化、熱量などに関する出題が見られた。この分野の学習としては、気体や水溶液の性質など知識事項を覚えることはもちろんのこと、計算を含む問題演習を数多く行うことが大切である。溶解度、水溶液と金属の反応、中和、燃焼などに関しては、塾のテキストや問題集を使ってしっかり練習しておこう。

秋以降に実施される模試は、合格可能性の判定だけに注目するのではなく、苦手単元を見極めるチャンスとして考えよう。特に間違えの多かった単元においては、その問題だけの解きなおしではなく、これまで使ってきたテキストや問題集を活用して「基本」の洗い直しをすることも必要である。模試の結果の分析やその後の対策については、家庭教師を有効に活用しよう。

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2024年度「鷗友学園女子中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は4、小問数は30程度で100点満点、試験時間は45分であった。2020年度入試から、各教科ともに試験時間が50分から45分に短縮されている。適語を答える問題、記号選択問題の他に、計算問題・記述問題・図を描く問題も含まれている。また、大きな特徴として問題の中の図や写真がカラー印刷されている。時間は45分あるが、記述問題・計算問題・思考力を必要とする問題も多いので、45分という時間は短く感じられるであろう。できる問題から素早く処理することが大切になってくる。算数・国語同様に100点満点なので、理科の出来が合否を大きく左右する。合格に向けてしっかり準備して欲しい。

【大問1】地学 火成岩

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

問1 図を見ると、大きめの結晶が集まって岩石ができている。等粒状組織と呼び、深成岩の特徴である。

問2 21個の点のうち、有色鉱物の上にある点は8個。8÷21より、38%が該当する。

問3 色指数が小さな火山岩なので、リュウモン岩が当てはまる。

問4 問題文より、晶出温度の高い温度から結晶となる。

問5 結晶化の順に並べる問題。図の重なり方をよく見ること。

問6 図より、A・B・Cが有色鉱物だが、問5よりA⇒C⇒Bの順に結晶になっている。晶出温度の高い順に結晶になるので、選択肢の中ではAがカンラン石、Cがキ石、Bが角セン石となる、

問7 記述問題。図で示された岩石は等粒状組織なので、深成岩。さらに、カンラン石を含み色指数が高いことからハンレイ岩と考えられる。

火成岩についての出題。火山岩と深成岩の違いや、各岩石の特徴などの基本知識は必須である。後半の晶出温度や結晶化の順番を考える問題は問題集などではあまり見かけない問題であり、難度が高い。

【大問2】化学 混合物の分離

  • 難度:やや難
  • 時間配分:13分
  • ★必答問題

問1 記述問題。鉄だけは磁石につくことを利用する。磁石を直接つけると磁石についた鉄粉を取ることが困難なので、ビニール袋に磁石を入れるなどの工夫が必要。

問2 記述問題。赤茶色は鉄のさびの色である。

問3 ろ液450gの中に、ショ糖300gと食塩20gが含まれているので、水の重さは450-(300+20)より、130g。

問4 130g20℃の水に溶けるショ糖の重さは、198×1.3より257.4gなので、この実験で結晶300-257.4より42.6g析出する。一方、130g20℃の水に溶ける食塩の重さは、36×1.3より46.8g。従って、食塩の結晶は析出しない。

問5 炭素を含むショ糖が燃焼すると黒っぽい物質になる。

問6 20gの食塩が100gの水に溶けている状態から水を蒸発させて、食塩を析出させる実験。20℃の水100gに食塩は36gまで溶けるので、100×20/36より水の重さが55.55・・gになると結晶が析出し始める。従って、水を44.44・・g蒸発させればよい。解答は整数で答えるという指定になっているが、44g蒸発させても結晶の析出は起こらないので、45gと解答すること。

問7 水酸化ナトリウム水溶液とアルミニウム、塩酸と鉄、いずれの反応でも発生する気体は「水素」。

問8 実験7でアルミニウムは水酸化ナトリウム水溶液に溶けて別の物質に変化するので、純粋なアルミニウムを取り出すことはできない。

混合物の分離に関する出題。実験8までの実験内容の理解と、その結果の考察を行うためには正確な知識と考察力が必要。問6の計算問題も間違いやすい。

【大問3】物理 凸レンズによる像

  • 難度:やや難
  • 時間配分:13分

問1 凸レンズによる像は実物と上下左右が逆になる。

問2 光の量が減るので、像は暗くなるが、像の形・大きさは変わらない。

問3 作図問題。グラフより、凸レンズBを用いて板と凸レンズの距離を20㎝にしたとき、凸レンズから60㎝の位置に像ができる。

像の作図で用いる線のうちの1本(レンズの中心を通り直進)を引く。次に2本目(光軸と平行に進みレンズで屈折)が凸レンズから60㎝の位置で1本目の線と交わるように引く。この位置が像の矢印の先端となる。また2本目の線が光軸と交わった点が焦点となる。

問4 問3の作図結果より焦点距離は15㎝。

問5 板を凸レンズから遠ざけると、できる像も同じ方向に動き焦点に近づいていく。その時できる像は小さくなっていく。

問6 同じレンズで遠くのものを見ると、像のできる位置がレンズに近づく。網膜に像を作るためには、レンズを薄くして焦点距離を長くする必要がある。

問7 表より、ランドルト環のすき間の長さおよび最大直径と視力の間には反比例の関係があることがわかる。視力が0.1のときランドルト環のすき間の長さは15㎜なので、視力が0.05のときは、15×2より、30㎜となる。同様に最大直径は75×2より、150㎜となる。

問8 (1)表より、ランドルト環からの距離と視力は比例の関係にあることがわかる。

視力が1.0の人は5mの場所から見分けることができるので、8.0の人は、5×8より40mの場所から見分けることができる。

(2)問7同様に視力とランドルト環のすき間が反比例の関係にあることを利用すると、15÷80より四捨五入して0.19㎜となる。

凸レンズによる像に関する出題。問6までは凸レンズによる像の作図手法が身についているかどうかで明暗が分かれる。問7と問8はランドルト環についてというユニークな内容の問いで、凸レンズによる像の作図とは関係なく、表の読み取りがポイント。

【大問4】生物 心臓のはたらきと血液循環

  • 難度:標準
  • 時間配分:9分
  • ★必答問題

問1 血液の逆流を防ぐために弁がついている。

問2 肺から心臓に戻る肺静脈には動脈血が流れている。

問3 食事の後、栄養は小腸の柔毛から血液に吸収される。

問4 二酸化炭素以外の老廃物は、腎臓でこしとられる。

問5 胎盤と胎児の間の血液の流れについての○×問題。

問6 表面積を広くすることで、酸素と二酸化炭素、栄養と不要物の交換を効率的に行っている。

問7 卵円孔と動脈管についての文章を完成させる選択問題。問題文の「胎児は肺でガス交換をしない」より、胎児の心臓に血液が入ってきたとき、右心房から卵円孔を通って左心房に血液が流入する。肺呼吸が開始されると、右心室から肺への血流量が増え、肺から左心房への血流量も増える。そのため左心房の内圧が大きくなり、卵円孔がふさがれる。

問8 赤ちゃんから大人になっていくとき、閉じる血液の通り道を図に示す問題。

心臓のはたらきと血液循環に関する出題。問6までは知識を問う問題であり、確実に正答したい。問7問8は卵円孔と動脈管についての出題で問題集などでは見かけない問題だが、図や問題文がヒントとして解き進めること。

攻略のポイント

知識でだけで解ける問題もあるが、思考力が要求される難度の高い問題も多くみられる。すべての大問が実験や観察に関する文章・図・グラフ・写真を題材として作られている。学習を進める上では、用語の丸覚えではなく、テキストの図・写真などにもしっかり注意を払って欲しい。本校の理科はカラー印刷された問題なので、学習する際もカラーの資料集や図鑑を手元に置いて、例えば植物・昆虫・動物・岩石などはその色なども確認しながら進めてほしい。夏までに知識を固めた上で、秋以降は実戦的な演習を十分行うこと。本校の理科の出題は単なる丸暗記だけでは対応できない問題も多い。初見の問題にどう向き合っていくかが大切になっていく。過去問や思考力が必要な問題の演習をしっかり行うこと。演習に使う問題の選択については、家庭教師などに相談して欲しい。

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