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白百合学園中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「白百合学園中学校の国語」
攻略のための学習方法

分析

読解問題は、例年、文学的文章と説明的文章の2題が出題されている。文章量はそれほど長くはなく読みやすい文量である。

記述式問題が大きな比重を占めている。50字から80字程度の記述問題を中心に、数題出題され、字数指定がない場合もある。記述対策が必要である。

また、読解問題の中に言語事項の問題が含まれている。幅広く出されるので言葉の知識関連全般は、ひととおりでよいのでしっかり覚えておく。

素材文は、受験生に近い年齢設定・理解しやすい題材を使ったものが多い。読みやすいと感じた受験生も多かったのではないだろうか。物語文は学童・学生などを主人公にした設定が多い。説明的文章は文化論・人生論・科学など、題材は多彩である。説明的文章の読み方の基本をしっかりおさえて、記述問題を含め、できる限り得点してほしい。

素材文の総字数は、50006000字程度のことが多い。上位難関校として、多い字数ではない。

ただし、制限時間が短く、記述問題が複数出題されているため、スピードが必要になる。文章は、10分程度以内に読み終えたい。

記述

記述問題もさまざまな内容で出題されている。

説明的文章は文章中に書かれた内容をまとめることで対処できそうなものが多いが、文学的文章は心情や行動の理由などを文脈から考えて自分で答えなければならない問題が多いので難しい。

読解記述の基本の型をおさえた上で、高度な類推が必要な記述問題にも取り組んで、対策を進めていきたい。特に、女子校の試験ということもあり、文学的文章の問題での得点が合否の分かれ目になることが予想されるので、小説の読解と記述対策には十分力を注いでいただきたい。

雙葉中、桜蔭中の記述問題や、学習院女子中、鴎友中の記述問題も、練習として役立つであろう。

知識

語句問題、漢字問題は、例年、必ず出題がある。

年度によって、独立問題、読解問題の小設問、という違いはある。ただし、どのような形式であっても、語句・漢字が出題されるということはおさえておきたい。

語句に関して特に、ことわざ・慣用句・四字熟語・和語など、それほどの難問ではないので、中級レベルの教材を一冊しっかり仕上げておきたい。

漢字に関しては、学習している漢字テキストを確実にマスターしておこう。

過去問演習

過去問で記述問題の字数や設問の種類などに十分慣れておきたい。

40分という制限時間内で最後まで手をつけられるように効率よく解くこつをつかもう。まず解答用紙・問題用紙の全体に目を通し、内容を簡単に確認しておおまかな作戦を立てられると楽である。

記述問題も空欄をつくらず、部分点をかせげるように。

漢字問題は、素早く終わらせる。ただし、表記のていねいさは意識して不用意な減点を受けないようにしよう。

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2024年度「白百合学園中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

小説4800字・論説文3000字で計7800字ほどの文量で前年より多かった。総解答数は20問と、例年通りである。
問題数が少なめで記述問題に時間をかけられる形である。選択肢問題などを早めに済ませて、記述問題をしっかり考え得点をあげたいところである。1分600~700字の速度で読めるよう練習しよう。

【大問一】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:24分
  • ★必答問題

技術革新という進歩によって、物品だけでなく人の労働も消費される社会になってしまっていることに警鐘を鳴らしている。

問一 直前の二段落の内容を指している。高度経済成長にともない消費という言葉が肯定的に使われ、地域の付き合いを通して買い物をするのではなく、情報を集めて少しでも安く物を買うのが賢い消費者であると言われるようになったのである。

問二 単なる商品の宣伝ではなく、その商品を買うことが豊かで自由な生活をもたらすということを人々に伝えるような広告。

問三 「進歩」というイデオロギーと結びつくことによって展開した消費の時代であったが、現在の多消費型社会への懐疑とともに、戦後的な「進歩」観に対しても疑問を抱いている。

問四 Ⅰ. インターネットによって旅は気軽なものになっている。「だが」楽しくはなっていない
   Ⅱ. 文明の発展は人間が追いつめられながら多くのものを消費し続けるという現実をつくった。「だから」消費はうさばらしにはなっても、本当の楽しさは感じない。

問五 予約するために旅行会社へ行ったり電話で旅館の人と話をしたりなど、人とふれあいながら「旅をつくっていく楽しさ」が以前はあったのである。

問六 (1) 「技術革新」の結果広まった単純労働は専門的な能力が要らず、不要になれば使い捨て補充すればよいという労働の消耗品化・消費財化をもたらした。そこに人は自分自身も消費されているという「豊かさの中の不安」を感じるのである。
   (2) 技術革新のおかげで消費生活は豊かになったが、その技術革新のせいで人間の労働力まで使い捨て・消費の対象となり、自分自身も使い捨てられてしまうのではないかとおびえ、消費を楽しく感じられなくなってしまっている。

問七 a. 冷蔵庫  b. 宣伝  c. 航空券  d. 窓口  e. 対象

【大問2】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:16分

三人兄弟の中で一人だけ母の実家に身を寄せていた主人公。父の実家に遊びに来ている間、祖母に冷たくあしらわれるが、父や兄弟からは優しくされ慕われて温かい気持ちになった。

問一 A. 居ずまいを正す――きちんとした姿勢に座り直す。
   B. 生返事――聞いてはいるが、いい加減な返事。

問二 主人公を嫌っている祖母は、店の壜詰めの棚の商品が少なくなっているので、おみやげとして壜詰めを持たせることが気に食わない。「重たいだろう」はごまかしで、飴ぐらいでいいだろうというのが本音である。

問三 オ. 恭一や俊三に祖母へ意見を言わせる役目を負わせようとは、父親として思わないはずである。

問四 本当は万年筆を主人公にあげたいのに、父からも祖母の言うとおりにしろと言われてしまい、もうすぐ帰ってしまう主人公に対して兄としてどうしたらいいのかと考えているのである。

問五 渡してはいけないと言われた万年筆をなんとか渡したいと考えた恭一は、祖母に気づかれないようにふざけてくすぐる演技をして、主人公に渡したのである。

問六 一人だけ他の家族と離れて暮らし祖母からも疎まれている主人公だったが、父が自分の味方をしてくれて、兄が万年筆をくれたり弟から慕われたりしたことで、自分は決して不幸ではないのだと温かい気持ちになった。

攻略のポイント

合格者平均点が高く、70点ほどにもなる。漢字・語句がすべて正解・記述部分の得点が5割・各大設問の選択式問題の誤答が二つ以内程度、これくらいの得点でおよそ合格者平均点に達すると思われるので、この程度の正答率を目指したい。
素材文を読む時間は10分~12分程度に納め、残りの時間を解く時間にあてたい。
記述問題は規定の字数=9割を目標に埋めて、完璧でなくてもよいので部分点をねらう。
誤字脱字は減点される。文字は、急ぎながらも正確にていねいに書く。

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