鷗友学園女子中学校 入試対策
2024年度「鷗友学園女子中学校の国語」
攻略のための学習方法
長文読解
例年、文学的文章・説明的文章1題ずつの計2題。出題形式は記述のみ6~7問。過去には選択肢問題の出題もあったが、近年は見られない。記述しなければならない文量は、およそ500字。文字を書く時間が相応に必要となるので、読む時間と合わせてその時間も考慮する必要がある。
文章量については文学的文章の字数が多い分、説明的文章の字数は少なめになっている。模擬試験等で出題される文章量と比べて特に多くはないので、大手学習塾等での通常の学習(教材・模擬試験等)を行っていれば、極端に文章量が多く感じることは無いだろう。設問数にも言えることだが、文学的文章の比重がやや大きくなっているので、その点は意識して準備しておかれたい。
素材文は受験生の年齢を考慮した読みやすい内容・設定のものが多いので、特別に国語が苦手な人でなければ苦労はしないはずである。
記述式問題
漢字以外は全て記述問題という本校の特徴的な出題に、慣れていない人や苦手な人は尻込みしてしまうかもしれない。
しかし、過度に心配する必要はない。
まず、上で述べたように素材文が適切な難しさであること。内容を理解するのはさほど難しくはない。
また、設問自体に書くべきポイントを示してくれている点。「~な点もふくめて」・「A・B・Cの関係もふくめて」といったように、答えるべき最重要点に付け加えて書くべきポイントをはっきり述べてくれている。このあたりは過去問を多くこなして、設問の指示に素直かつ忠実に記述できるように練習しておいていただきたい。
また、訊かれる内容も「自分の言葉で答えなさい」・「あなたはどう思いますか」といった自分の言葉で論じる形のものではない。素材文の中の適切な部分・文章を使ってまとめられるものが多い。小説などは人物の心情を説明しなければならない場面もあるが、論説文は要点をうまく編集して解答できる場合が多いのである。
以上のようなことから、試験にあたってはまず設問にざっと目を通し、書くべきポイントとその数をおおまかに把握するのが良いだろう。読み進めながら必要な部分に傍線なりマークなりをつけておけば後でまとめやすい。
記述だけで500字ほども書かなければならないのは確かに大変ではあるが、難易度としては超難問というほどでもないので、まずは素材文をしっかり理解する読解力をつけて、さらに類似の問題で記述の分量に慣れておくこと。臆せずに記述問題に向かい合っていただきたい。
漢字・知識
例年、漢字の問題が5問(配点10点)出題される。漢字だけを先に済ませて長文読解に集中できるのはありがたい。難易度も中級レベルなので、塾等での漢字学習に油断なく取り組んでおけば心配する必要はない。
また、言語事項の出題が無いのも大きな特徴である。この点で特別な対策が要らないのは助かるが、そもそもは言葉の知識が十分にないと正確な読解が期待できないという事実を忘れてはならないのであって、この分野で手を抜いても良いということではない。漢字同様、普段使用している教材をしっかり学習しておいていただきたい。
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2024年度「鷗友学園女子中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
長文記述が6問・漢字の書き取り5問という潔いとも言える問題構成である。漢字は1~2分で終え、残りは読解と記述に充てることになる。素材文は計10000字超にもなるが、受験生の年齢を考慮した読みやすい内容が多いので、さほど苦労せず読めるだろう。設問に先に目を通して必要な部分にチェックを入れながら読めば後で解答をまとめやすい。
【大問一】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:28分
- ★必答問題
同僚の意地悪により路上でまんじゅうを売ることになった主人公は、自分の作ったまんじゅうを食べてもらえる喜びを感じるが、菓子作りの厳しい心構えも知ることになる。
問一 路上で物を売る難しさもあって最初は饅頭が全く売れなかった。しかしずつ買ってくれる人が増え、大忙しとなった。忙しくなって慌てたが、自分が包んだ饅頭をおいしいと言って食べてくれることに喜びも感じたのである。
問二 主人公が饅頭を売っていた路上は事前に販売許可を取っておかなくてはならない場所だった。交番に行き事情を聴かれたが、店に迷惑を掛けまいと黙っていたところ、様子を見に来た浅野が「老舗の奥山堂の者で販売の研修をさせていた」ととっさに嘘をつき、有名な菓子屋だったこともあり警官も特別にゆるしてくれた。そのことを「目こぼし」と言っているのである。
問三 小原が主人公に告げた饅頭の個数は意地悪で多めに伝えたもので、困らせてやろうと思ってしたことだった。職場の上司たちはそのことに気づいており、その一人である鶴ヶ島は主人公に余分な饅頭を路上で売って来いと無茶をさせた。まじめな主人公が仕事に取組み頑張る姿を見せることで、小原に自分がしたことの愚かさや仕事に対する甘えた態度を気づかせるためであった。
問四 上司たちの意図を知らされた小原は自分の甘さ・情けなさに気づくこととなった。さらに意地悪をした主人公に「落ちた饅頭を手で払っていた」と、自分が菓子を大切に思っていたことにも気づかされた。今後は菓子作りにもっと身を入れていくであろうきっかけになる変化である。
【大問二】論説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:15分
一人称単数の主語を持つことで、すべてを自分で考え責任を持つことができ、視界が開けて世界が多面で多重で多層であることに気づくことができると、筆者自らの経験から述べている。
問一 一人称で話すことは孤独で心細く、すべては自分の責任となって返ってくる。しかし、複数人称や属する組織の名前で話すことは仲間がたくさんいて強く、自分は陰に隠れて匿名でいられ、攻撃的になれるのである。
問二 一人称で話すことは全てを自分で決めなければならず責任も自分に返ってくるが、組織に属していた時とは視界が変わり新しい景色が見えてくる。そして世界は単純ではなく、多面で多重で多層であることに気づくことができるのである。
【大問三】漢字・四字熟語
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
(1) 起源 (2) 穀倉 (3) 録音 (4) 収納
(5) 機会均等――特定の条件に関わらず、すべての人や組織などに平等なチャンスを与えること。
攻略のポイント
記述の分量が多いのは確かだが、特別な難問にはなっていない。素材文がわかりやすい内容であるし、「あなたはどう思いますか」といった自分で論説するような記述問題でもない。特に論説文の方は文中の手がかりや適切な箇所を利用してまとめられる問題が多い。ただし、小説のほうは心情を説明しなければならなかったり問題数が多かったりと、やや比重が重い点は意識しておこう。同じように記述問題が多い他の学校の過去問なども利用して、書くことへの抵抗感を無くせるように経験を積んでおこう。
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