渋谷教育学園幕張高校 入試対策
2024年度「渋谷教育学園幕張高校の英語」
攻略のための学習方法
全体的には標準的な問題であるが、特に習得して欲しい文法事項を何点か指摘しておきたい。
第一に、完了形である。完了形については、現在完了と過去完了についてしっかり学習しておいて欲しい。
特に現在完了については、完了(結果)、継続、経験の用法があるのでそれぞれ例文を参照して特徴を理解しておいてほしい。また、経験の完了形の疑問文とその答え方、否定文の作り方につい十分な理解をしておくこと。
第二に、接続詞としてのasについての用法をよく覚えておいて欲しい。意味としては①~なので(理由)、②~のとき(時)、③~だけれども(譲歩)、④~のように(様態)、⑤~につれて(時の経過)などが主要な意味である。
Asについては、接続詞の他に前置詞の使い方がある。
ここで、接続詞と前置詞の違いを確認しておきたい。接続詞は文章が続くが、前置詞の場合は後に名詞が来るということである。意味を考えないと前置詞か接続詞化の見分けがつかないということではなく、文章か名詞かの区別を見ればよいのである。その上で、前置詞であればasは①~として、という意味であることをしっかり覚えておいて貰いたい。
第三に、関係代名詞である。先行詞が人物であるか物であるかで使用する関係代名詞が異なること、そして主格(主語の位置で使う形)、目的格(目的語の位置で使う形)、所有格(所有の位置で使う形)で各々使用する関係代名詞が決まってくるということも理解していて欲しい。
さらに、目的格は省略されることもあるというルールを含めて、関係代名詞については最重要項目としてしっかり参考書や問題集を使用して確認を怠らないように。
受験生は英文が長くなれば長くなるほど、内容把握が難しくなる実感を持っているかもしれない。
では、英文は何故『長く』なるのか。その主要な原因が『関係代名詞』である。先行詞にどんどん関係代名詞をつなげていくことによって英文は長くなる。したがって、長い英文を正確に読むことができるかどうかは、関係代名詞をいかにマスターすることができるかどうかにかかっているということになる。
第四に、強調構文である。基本的な形は『It is ~ that …』である。『~』の部分を強調するための構文である。何を強調できるかというと、動詞以外は何でも強調できる。主語、目的語はもちろんのこと、前置詞句も強調できる。主語を強調する場合は、『It is you that did such a thing.(あなたがまさにそんなことをやったのだ)』となる。また、前置詞句(場所など)を強調する場合は、『It is at the station that you did such a thing.(まさに駅であなたはそんなことをやったのだ)』となる。さらに、強調するものが時間ならば『when』、人物ならば『who』、場所ならば『where』、理由ならば『why』とそれぞれthatと置き換えて使用することができる。こうすることにより、強調するものがより鮮明に確実に読み手に理解して貰うことでできるのである。
受験英語にとって上記事項だけが全てではないが、この事項を参考にしながら、基本的文法事項をしっかり習得して欲しい。
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2024年度「渋谷教育学園幕張高校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
【大問1】誤文訂正問題である<5分>。
【大問2】長文読解中における整序問題である<6分>。
【大問3】自由英作問題である<8分>。
【大問4】長文読解総合問題(説明文)である<13分>。
【大問5】長文読解総合問題(物語)である<18分>。
【大問1】 誤文訂正問題
- 時間配分:5分
1.「~をどう思うか」は動詞にthinkが使われているので、What do you thinkとなる。
2.「話しかけられる」という受動態の形にしたいので、spoken to inとなる。
3.助動詞+動詞原形の否定形は、助動詞+否定語+動詞原形となる。
4.「コンサートを開く」という英文にしたいが、openには「コンサートなどを開催(開く)する」という意味はない。
5.主語は人なので、be surprisedとなる。
6.本文に誤りはない。
【大問2】長文中における整序問題
- 時間配分:6分
- 1.makeを用いた第五文型の形を考えること。主語は、thinking about flyingである。
2.直前にあるlikeは動詞ではなく前置詞なので、空欄には名詞が入ることから考える。thatを目的格の関係代名詞として使う。
3.learn to ~は「~するようになる」という意味である。thatを目的格の関係代名詞として使う。
4.主語は、The way to ~「~する方法」とする。
【大問3】自由英作文問題
- 時間配分:8分
(1)「観光客が増えると環境が再び悪化するのではないかと懸念する住民は多い」という和文英訳である。「観光客が増えると」はif there are more touristsと表現する。「悪化する」はbecome worseである。
(2)「イルカ保護のため、イルカの45メートル以内で泳ぐことを禁止している」という和文英訳である。「禁止されている」はit is banned to ~で表す。形式主語構文で表すこともできるし、動名詞を主語とする文章でも表現できる。
【大問4】説明文に関する長文総合読解問題
- 時間配分:13分
問1.英文英答問題である<10分>。
英問の内容は以下の通り。
1.「記事によれば、以下のうちどれがヴィーガンについて正しいか」である。
2.「Aに入る最適な言葉は以下のうちどれか」である。
3.「Bに入る最適な言葉は以下のうちどれか」である。
4.「本文においてピタゴラスが例として使われているのはなぜか」である。
5.「4段落によれば、以下のうち正しいのはどれか」である。
問2.内容正誤問題である<3分>。
本文内容と一致するのは以下のエ、オである。
エ.「パーシー、ビッシュ、シェリーは卵や乳製品を食べるという考え方が好きではなかった」という内容である。
オ.「食肉産業は動物にエサを与えるのに大量の穀物が必要であるし、森林喪失の原因の一つとなるであろう」という内容である。
【大問5】物語に関する長文総合読解問題
- 時間配分:18分
問1.内容把握問題である<2分>。
本文設問個所の後ろにあるThat means letting them 以下を参考に考えること。
問2.語句解釈問題である<3分>。
「具体的」に説明しなければならないので、代名詞などが何を意味しているのかを正確に把握すること。
問3. 適文選択問題である<2分>。
A 直後のParents could trust以下の文の内容をじっくり読み込むこと。
B 空欄に入る内容は直前のwhat I always didである。
C 直前にあるso much that の構文から内容を判断する。
D 本問の構文はso S(主語) cannot…である。「Sが…できないように」となる。
問4.適語補充問題である<2分>。
エイミー・アンの心情を読み取ることが重要である。
問5.指示語問題である<2分>。
「ミセス・フランクヴァイラー」が一番大好きな本である理由である。
問6.指示語問題である<2分>。
「ミセス・フランクヴァイラー」に登場するcharactersのことである。
問7.文脈把握問題である<2分>。
エイミー・アンの好きな本を書店に買いに行ったのである。
問8.英文解釈問題である<3分>。
Clean yourself up は、「身綺麗にする」という意味であり、文脈から「涙をぬぐう」という状況と推測する。
攻略ポイント
全体的にみると、すべての分野から出題されている。
合格点を取るための知識としては、基本的な文法事項、イディオム、長文読解力(速読力と精読力)が求められ、かつ聴く力が必要である。受験生の中には、相当量の文法知識を蓄積している場合もあるだろう。
しかし、大事なことは、知識として蓄積している様々な知識を適切にかつ迅速に設問に当てはめられるかである。言い換えれば、一つの問題にその正解へとつながるヒントが詰まっている「記憶の中の知識の引出し」を自力で正確に開けられるかどうかであり、知識のアウト・プットの的確さである。
そのためにも、いろいろなレベルの問題に慣れておくことが必要であるし、長文読解も数多くの英文を読む習慣が不可欠である。