鎌倉学園中学校 入試対策
2024年度「鎌倉学園中学校の社会」
攻略のための学習方法
〇問題構成
大問3つに地理・歴史・政治経済分野が割り当てられている。各分野10~15問ほどで計40問前後の総解答数となっている。2022~2024年度は総合問題の大問が二つという構成であった。
リード文や史料を読み、下線部について答えていく1問1答形式が多い。地図や図版、統計やグラフなどの資料も用いられている。設問は記号選択・適語記入が多く、年度により1行程度の説明記述も1~2問出題されている。
一部にやや難しい問題も見られるが、それだけに基本事項の問題は取りこぼさない基礎力が必要とされる。
〇地理分野
日本のある一定の地域についてやや詳しく訊く問題が多い。日本の島(2024年度)や東海地方(2023年度)などの出題が見られた。地形・地名・産業・気候など幅ひろい項目について訊かれている。地図の読み取りの問題もある。
日本全体、空白ができないように広く丁寧に学習しておこう。地図・白地図なども使って河川・平野や各都市の地名なども正確に頭に入れておく。資料集で産業などの最新データに触れることも大事である。
〇歴史分野
ある話題や年表などを題材として、広い範囲の時代について問われている。日本で開催されたサミット(2024年度)や大河ドラマで描かれた時代(2023年度)などの話題が取り上げられている。各時代の出来事・人物・文化や外国との関係など、内容も幅広い。時代順の並べ替えもある。年号を覚えてしまえば万全だが、大きな出来事との前後関係で覚えるのも有効である。
特定の時代・項目に偏りは無いので、古代~現代までの各項目をひろく覚えていくようにしよう。日本と関わりのある国については、地理的な位置も確認しておこう。
〇政治経済分野
憲法と政治のしくみから多く出題されている。憲法の重要な条文、国会・内閣・裁判所の具体的な仕事の内容や財政・地方自治など、また直近1~2年にあった社会的な出来事などはしっかり覚えておこう。量は多くないが時事問題も含まれているので、重大ニュース集なども活用して新しいニュースをチェックしておきたい。
〇記述問題
出題されない年度もあるが、ここ数年では1~3行ほどで1~2問が出題されている。考える力を必要とする問題も出されるようになってきたので、出来事の理由・原因などをよく考える習慣をつけよう。字数も増える傾向なので、40~50字で記述するような類似問題で慣れておこう。
〇適語記入
適語を答える問題はすべて漢字指定である。地名や人物名は迷いやすい表記も多いので、最初に出てきたときにしっかり覚えてしまおう。初回に覚え損なうとなかなか正確に定着しないものである。
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2024年度「鎌倉学園中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は26問で、例年とほぼ変わらない。選択肢と適語記入が多く、資料も使われているが読み取りにそれほど時間がかかる種類のものではない。2024年度は短文記述が1問出されたが、全体として時間は足りるだろう。地図を使った問題が今年度も出されている。
【大問1】地理分野中心の混合問題
- 難度:標準
- 時間配分:13分
- ★必答問題
日本の島を題材とした混合問題。
問1 (1) 長崎県対馬
(2) 鹿児島県屋久島
問2 (1) 日本と敵対している新羅が統一した朝鮮半島の近くを通るのは危険なので、以降はアのルートを避けて南側の航路を使うようになった。
(2) 野菜・コンピューター・衣類が輸入先第1位になっている。肉類はアメリカ、鉄鉱石・石炭はオーストラリア、鉄鋼は韓国、自動車はドイツがそれぞれ1位になっている。
問3 日本など先進国では輸入しても余らせて廃棄してしまう量も多い一方で、発展途上国では飢餓に苦しむ国もある(2)。また、フードマイレージの数値が大きいということは輸送による環境への負荷が大きく、気候変動への影響も懸念される(13)。
問4 国家間の紛争などを裁判で解決しようとするのが国際司法裁判所である。裁判には当事者双方の合意が必要であるため、一方が応じなければ裁判はできない。
問5 エ. 説明は法律案についてのものである。条約の締結については、意見が一致しなければ衆議院の議決が国会の議決とされる。
問6 承久の乱(1221年)→後醍醐天皇の流刑(1332年)→世阿弥の流刑(1434年)→西郷隆盛の流刑(1862年)
問7 (1) ウ. 農地改革では地主から政府が一部の土地を残して買い上げ、農民に安く払い下げたため自作農が増えた。
(2) 水深が「浅い」ため事故が多かった。御成敗式目を制定したのは「北条泰時」。
問8 ウ. 南極でもファックスによる投票の仕組みが整えられている。
問9 写真は沖ノ鳥島で、東京都に属している。
問10 佐渡島はZ。②の地図の国道が大きく曲がるあたりに神社・病院・老人ホームが建てられている。
【大問2】歴史・政治経済中心の混合問題
- 難度:やや難
- 時間配分:17分
日本で開催されたサミットを題材とした混合問題。
問1 イ. インフレーションでは物価が上がりお金の価値が下がる。借金の額が変わらなければ、実質的な負担も減る。
問2 1979年に起こったイラン革命により石油輸出が減り原油価格が引き上げられ、第5回サミットで対策が話し合われた。
問3 Bは昼間の労働人口が多いと考えられるので、東京都。逆にAは都会で働いて夜、家に帰る人が多いであろうから、神奈川県。残るCは群馬県となる。
問4 (1) 日本最西端に近い石垣島に置かれている。
(2) ウ. 朝鮮通信使が日本に来るのは江戸時代である。
エ. 韓国併合は日露戦争の後である。
オ. 五・四運動ではなく、三・一独立運動である。
問5 ロシアがクリミア半島を併合したこと。
問6 (1) 冠位十二階の制定(603年)→大化の改新(645年)→壬申の乱(672年)
(2) 史料1:清少納言『枕草子』の冒頭
史料2:男女雇用機会均等法
史料3:平塚らいてう『青鞜』創刊号の冒頭
(3) 参議院の定数は248人。総議員の3分の2以上の賛成が必要であることから、165.3…人で、166人以上となる。
(4) 鹿島灘沿岸は砂浜海岸である。
問7 広島県・神奈川県・愛知県にはそれぞれ、マツダ・日産・トヨタという日本を代表する自動車会社の工場や本社がある。
問8 G7の先進主要7か国で世界のGDPの半分近くを占める。
問9 ①はオーストラリア・ブラジルが上位なので鉄鉱石、②はインド・ベトナム・インドネシアでエビ、③が石炭である。
問10 降雨量が多いAは多雨のグラフでよく用いられる尾鷲、Cは気温の高さから那覇、Aが東京である。
攻略のポイント
政治経済分野は学習範囲がもともと広くないので出題内容も想定しやすいが、地理・歴史分野はどこから出題されるかは予想できない。難易度としては基本事項の問題が多いので、テキストをまんべんなく抜けが無いように学習するのが良いだろう。
以前は無かった記述問題がここ数年では出されるようになっているので、今後は毎年出題があるものと想定して、1行~3行くらいの文量で記述の練習を積んでおくべきだろう。自分の知識にあることを15~50字くらいでまとめられるようになっておこう。
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