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立教池袋中学校 入試対策

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2024年度「立教池袋中学校の算数」
攻略のための学習方法

立教大学の付属中学であり、中学受験の老舗として2月2日に存在感を誇る立教池袋中学。AO入試の実施など話題も振りまきながら、安定した人気を維持しており、当然のごとく難易度の高い学校である。

さて、その算数は、やはり「老舗の味」で昔から変わらぬ形式を貫いている。時代によって問題の難易に多少の変動はあるものの、そこから受ける印象は変わらない。それは「簡単そうで、簡単ではない」という印象である。ここ何年かの問題を見ても、それは変わらない。

テスト時間は50分で、大問10、小問は20。
問題文はあまり長くないし、図も見たことがあるものが多い。受験勉強をしっかりとやっていればいるほど既視感も強く、問題を始めるにあたっても「この問題は○○と似ている」「これは○○算の考え方を使って」など、迷いなく問題に入り込める。これなら十分解いていける。80点くらいは取れるかな…で、結果は45点だったりする。それが立教池袋の算数である。

点数が取れそうで取れない理由としては、まず「計算が意外と複雑である」点が挙げられる。
計算問題はもちろんのこと、速さや割合・図形の問題でもあえて計算しにくい数値が与えられたりする。考え方はあっているけれども、答えを間違えてしまうという流れだ。ところが、誤答ではあっても、生徒(および保護者)は、「考え方は分っているのだから、今度は計算間違いしないようにすればいいや」と、あまり反省せずに流してしまうことが多い。中には「ここは計算ミスなんだから、できたものとして~」などと、正解の方にちゃっかりカウントしていたりする人も…。しかし、そこが学校側の狙いであるとしたら…。考え方がさっぱり分らなくても、単純な計算ミスでも、×は×であり、不正解に違いない。計算までしっかり出来ていて、はじめて○なのだ。この認識を強く持っておかないと、この手の問題はいつまでたっても正しく答えられないだろう。

また、類似問題を解いた経験があるだけに、解く心に隙が生じるのではないか、という点も挙げておく。
それが集中力を欠くことにつながり、不正解を生む。そのあとに模範解答を見ても「ああ、ここをこうすればよかったのか。ただそれだけのことでいいのか。簡単だ」というあまり反省しない態度のまま通過し、結果的に問題を解いたことが勉強の肥やしになっていかない。

物理的な問題としては、時間不足が挙げられるだろう。
大問を1問5分で解けば間に合うけれども、その場合、見直している時間は皆無である。全体に平易とは言え、設問の(2)には時間がかかるものもある。ときには問題への入り方を誤り、やり直すこともあるだろう。1問を4分30秒程度で解いていくことを考えると、やはりスピードが要求されることになる。解く速さは自覚的に直していかない限り速くなることはない。

テストを終えた後も、「なんとなく出来たような、出来なかったような、でも、わからないということはなかった」という半端な感想を抱く。
これが、1月校の立教新座であれば「なんと手強い問題群だろう…でも、がんばってきた甲斐があった。結構できてるぞ!」と手応え十分だ。もちろんその逆の場合もあろう。どちらにせよ、出来たか出来ないかがテストを受けた側にはっきりと印象づけられるところがある。
ところが、立教池袋の場合、戦って「負けた気はしない」のだ。しかし、数字を見ると点数は上がっておらず、結果もよくない。入試は失敗に終る…。
これが「簡単そうで簡単ではない」という由縁である。

難度の高い問題に挑戦していくより、むしろ対策を立てにくいかもしれない。
出題される内容は、塾や自宅のテキストにあるような問題ばかりだから普段の勉強がそのまま対策につながっている。とりたてて新しいテキストに取り組む必要はない。
過去問を解いていくうちに、時間配分も出来てくる。

では、立教池袋の算数で合格点が確実に取れるようになるには、なにをすればよいのか。
標準的な問題は、「100%確実に解ける力」をつけることだ。
例年の問題を分析してみると、いわゆる「標準的」(いつも勉強中に解いている問題と同レベルの問題)はほぼ解けていることが合格最低点への必要条件になっている。テストの前半、50点分くらいは確実にあてておきたい。そのためには、先ほど注意した計算ミス・考え方のイージーミスなども真剣に反省すること。
計算ミスには、必ず原因がある。計算する字が汚い、解き方に工夫がないなど、たいていの場合はテクニック不足と計算慣れしていないことが主な原因だ。
「12000+1250」のたし算と、「12000×1250」のかけ算をやってみるとよい。たし算の方はあまり問題ないはずだ。

かけ算では、筆算で、「125×12」をまず計算し、あとから「0を4個つけている」生徒は合格。
ノート(計算用紙)を見ると、「1の位をそろえて計算し、やたらと0ばかりたくさん書いている」ようでは不合格だ。かけ算のときは「有効数字」の末尾をそろえて計算するからである。後者の場合、計算ミスが多発するか、またはできていても時間が非常にかかってしまう。こう言った部分で点差または時間差が生じてしまうのだ。

この機会に、改めて四則計算の筆算、単位(面積・体積など)の確認、分配法則など計算の工夫に関する見直しをしておくとよい。
小さな差が最終的に大きな差、取り返しがつかないほどの差になっていくことになる。

各単元の解き方も、しっかりと見直しを図ろう。
「だいたい解ける」、ではなく「確実に解ける」ようにしておくためには、自分勝手なやり方ではなく、堅実な解き方を身につける必要がある。
標準的な問題では、粗雑なやり方でも解けてしまう場合が往々にしてあり、それが危うい実力を過大評価しかねない。

角度を求める問題などで、持っている武器(解く手立て)が「三角形の内角の和」しかないために、角度をすべて求めて答えまでたどり着き正解を得る、という生徒がいたとしよう。その問題はできたものと処理されてしまい、あとで顧みなくなるか、同じような解き方でしか対応できないだろう。基礎的な知識だけでは解き方に限界が来てしまう。立教池袋レベルの学校を真剣に受けて受かりたいと望むならば、他のもっとよい、しかも応用の利く解き方も身につけていってもらいたい。その努力によって、点差はつかないかもしれないが、時間差を有利に作り出すことが出来る。

分野別で見たときに、ここを強化すべきというものは特になく、まんべんなく手を出せるようにしておきたい。
あえて言えば「平面図形」「立体図形」「割合と比」「速さ」「規則性の問題」「数の性質」などは優先的に時間をかけてもいいだろう。例年出題されている分野である。また、この学校特有の出題(図形のまわりの長さなど)にも過去問を通して慣れておきたい。
残された時間を有効的に使い、合格するに十分な「60点以上」を目指して、日々がんばっていこう。

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2024年度「立教池袋中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

例年通り試験時間は50分。問題数も大問が10,小問が20と例年通り。大問1問あたり5分で解いていくことを考えると時間的には余裕がない。
際立った難問は見られないが、思考力が求められる問題や計算に時間がかかる問題もあるので、時間的余裕はあまりもてない。問題文をしっかり読んで素早く取りかかり、できる問題から解答欄を埋めていくという姿勢がつねに必要である。

【大問1】計算問題

  • 難度:
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

(1)整数の四則計算
 
(2)分数の四則演算

例年同様大問1は計算問題2題。確実に正答したい。           

【大問2】平面図形

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

(1)半径5㎝の円周2つと半径10㎝の円周1つ分の和となる。

(2)色のついた部分の一部を移動させる工夫が必要。半径10㎝の四分円から底辺と高さが10㎝の直角二等辺三角形を引いた面積4つ分となる。

複合図形の長さと面積を求める問題。図の観察力と工夫を用いて考える力が試される内容。

【大問3】比の文章題

  • 難度:標準
  • 時間配分:4分

(1)やり取りの前が7:5:3、やり取りの後が3:4:3なので、玉の合計を30 とすると、やり取り前のの個数は10 、やり取り後のの個数は12 となる。その差の2 が12個に相当するので、1 は6個。やり取り前の14 にあたるので、6×14より84個。

(2)C6 から9 に増えているので、6×3より18個。
 
比の文章題。やり取りの前後の比を揃えることがポイントとなる。

【大問4】平面図形・比の文章題

  • 難度:
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

(1)円の面積×12/25=三角形の面積×4/5より、逆比の考え方を利用すると、円の面積:三角形の面積=25/12:5/4=25:15=5:3 となる。
 
(2)円の面積を25 、三角形の面積を15 とすると、重なっている部分の面積は12 となる。25+15-12=28より28 =168㎠、1 =6㎠となるので、三角形の面積は6×15より90㎠。

平面図形の問題だが、内容的には逆比を利用して考える文章題で、同じ内容の出題は塾のテキスト等でも見られる。確実に正答したい。

【大問5】平均算と比

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

(1)面積図を描いて考えること。「合格者の平均点は合格点より19点高く、不合格者の平均点は合格点より21点低くなりました。」より、合格者の平均点と不合格者の平均点の差が40点となる、合格点は面積図に書き入れる必要がない。合格者と不合格者の人数の比が2;3より、合格者の平均点-全受験者の平均点=全受験者の平均点-不合格者の平均点=3:2となる。合格者の平均点=136+40×3/5より160点。従って、合格点=160-19より141点。

(2)不合格者の平均点は141-21より120点。従って、160×2:120×3より、8:9。

平均算の出題。面積図を描いた上で比を利用して考えることがポイント。「合格点」と「合格者の平均点」の違いに注意すること。

【大問6】水の深さと体積

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

(1)水の体積を求める問題。底面は、たて4㎝横15㎝の長方形から半径2㎝の半円を引いた面積。深さは3㎝。(4×15-2×2×3.14÷2)×3より、161.16㎤。

(2)置く向きを変えても水の体積に変化はない。半円がくりぬかれている部分まで(高さ8㎝まで)の体積は、(8×4-2×2×3.14÷2)×5より128.6㎤。従って、その上の部分の深さは(161.16-128.6)÷20より1.628㎝となる。

水の深さと体積に関する出題。難しくはないので、計算ミスがないように落ち着いて処理すること。

【大問7】時間の計算(比の利用)

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

(1)Aの進み方と比は、120:123=40:41。は午前8時から13時40分まで340分進む。340÷40×41=348.5より、は午後1時48分30秒を示す。

(2)Aの進み方の比は180:174より30:29。連比を取ると、の進み方の比は123:116となる。以降は(1)と同様に考え計算すること。

時間の計算に関する出題。難問ではないが、出てくる数字がやや複雑になるので、落ち着いて計算して欲しい。

【大問8】規則性に関する問題

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

(1)提示された規則から、12345⇒24531⇒43152⇒35214⇒51
423⇒12345 と変化し、5回目で元に戻ることがわかる。24回目には、24÷5=4あまり4より、51423 となる。

(2)32÷5=6あまり2より、6周期と2回変化しているので、13245の2つ前にさかのぼればよい。1つ前は51432、2つ前は25314となる。

規則性に関する問題。問題で提示された数の並びの変化の規則を理解できるかどうかがずべてのポイントとなる。

【大問9】通過算

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分

(1)2つの列車の先頭に着目すること。2つの列車の秒速の和×3.5=2つの列車の長さの和となる。(24+上り列車の秒速)×3.5=(102+108)より、上り列車の秒速は36m。

(2)列車とトンネルの図を描いて考えること。上り列車が21秒間に進む距離は756mなので、下り列車の先頭がトンネルに入り始めてから上り列車と出会うまでに進んだ距離は756-108より648m。従って2つの列車が同時にトンネルに入り始めてから出会うまでにかかった時間は648÷24より27秒。これより、トンネルの長さは(24+36)×27の1620mとなる。

通過算の出題。(1)は易問だが、(2)は図を描いてしっかり考察する必要がある。日頃から速さの問題に対して図を描いて考える習慣を身につけておくことが大事だが、特に通過算ではその必要性が大である。

【大問10】場合の数

  • 難度:
  • 時間配分:7分

(1)ゆきお君の2回のルーレットの数の合計が5または15、つよし君の1回目は5以外となればよい。2回の合計が5になる場合について考えると、1回目に4が出てしまうと2回目が休みになってしまうので、1-4、2-3、3-2の3通り。2回の合計が15になる場合について考えると、1回目は5、6ではないので、7-8、8-7、9-6、10-5の4通りとなり、ゆきお君のルーレットの出方は計7通り。つよし君のルーレットの出方は9通りなので、7×9=63通りとなる。

(2)まずゆきお君のルーレットの出方を考える、1回目・2回目でD(休み)やG(ゴール)に止まらない場合を考えると、1回目が7通り、2回目も7通り、3回目はGに止まらなくていけないので、7×7×1より49通り。1回目にDに止まる場合を考えると、4-休み-1、6-休み-9の2通り。従って、合計51通りとなる。

次に、つよし君のルーレットの出方を考えると、1回目2回目の合計が5、15以外であればよい。1回目5以外の9通り、2回目について考えると、1回目が4・6以外の時は1回目のそれぞれについて9通り、1回目が4・6の時は2回目が休みなので、7×9+2×1より65通り。従って、2人の出方は、51×65より3315通りとなる。

場合の数についての出題。ルーレットを回して進んだ数を考える問題だが、ルールがやや複雑である。場合分けをして考えることが鉄則だが、それでも条件を整理することが難しい。今回の入試おいて、この大問は「他の大問をしっかり考えた上で、時間があまれば考える」、という扱いで問題なかろう。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
受験者平均は例年6割程度で一定のレベルを保っている。合格するレベルとしては、70点以上を目標としたい。
今年度の出題をみると、大問10は難問であり、正答にたどり着くことはかなり難しい。それに対して、大問1から大問9までは基本~標準レベルの問題が並んでいる。大問10は捨ててもよいので、それ以外の大問でそれだけ正答できるかが大きなポイントとなる入試であった。50分というテスト時間は慌てる必要はないが、できる問題からてきぱきと処理を進めたい。
立教池袋の算数攻略のポイントとしては、決して新傾向の問題や難度の極めて高い問題が出題されるわけではないので,ふだん塾で使用している教材や問題集を用いて問題演習を積み重ねて欲しい。典型題が確実に解けるということが大切になる。特に、頻繁に出題されている「速さ」「平面図形」「立体図形」「割合と比」の学習には力を入れること。

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