湘南白百合学園中学校 入試対策
2024年度「湘南白百合学園中学校の社会」
攻略のための学習方法
[出題分析]
大問数6~8で総解答数は50~60と、多めの問題量の試験となっている。
試験時間は40分だが、記述問題以外はさほど時間を取られる問題ではないので、時間が全然足りないというほどではないだろう。
歴史・地理分野に比重が置かれ、政治分野からの出題はやや少ない。
用語記入・記号選択がバランス良く出され、これまでは3~6問程度の短文記述が含まれていたが、近年変化が見られる。
年度によって各項目・形式に多少の変動があり、記号選択を多めにしたり地理分野が多めだったりと、変化をつけているようである。極端な難問は出されていないので基本事項のマスターが当面の目標となる。
その上で、地図・統計・資料が多用される傾向を鑑みて、副教材でしっかり補強することが重要となってくる。
理・社の配点が国・算と同じ100点満点であるのも女子校としては珍しく、理・社を重視する方針なので社会の学習にも油断無く取り組みたい。
[地理分野]
地形・気候、各地の産業などが地図や統計を多く用いて出題されている。
産業についての問題が例年出されていて、地形図の読み取りも毎年のように出されているのでよく練習しておくこと。
ある地域を中心として詳しく問う問題も見られる。統計資料も多く使われているので、資料集を活用すると良い。
また、日本だけでなく、世界地図や地理・貿易もよく出されているので、主な国については一通り頭に入れておこう。
基本事項中心の出題で難易度は高くないが、全般から広く出題されており、伝統工芸などポイントを絞って詳しく訊く問題もあるので、抜けが無いよう丁寧な学習が必要である。
白地図や資料集も使ってしっかり知識を定着させておいて欲しい。
[歴史分野]
各時代から幅広く出題されている。
人物・出来事・社会制度などについて一つずつ、一問一答のような形式で出されることが多い。
外交についての質問も多く見られ、欧州・アジア地域などの地図を用いた問題も出題されている。
時代順を問う設問もあり、歴史に関しての広く正確な知識が求められる。
図版などの史料もよく使われるので、資料集なども隅々まで目を通して見慣れておきたい。
問われているのは基本的事項が多いが、広範囲から少し細かい知識も出されるので、各時代に偏りの無いよう、まんべんなく学習しておくこと。
[政治分野・時事問題]
日本国憲法や三権のしくみなどについて出題されている。
地理・歴史分野と比べて分量は少なめであるが、大問一つを使って出されている年度もあるので油断はできない。
また、前年に起こった出来事についても大問で出されたり地理・歴史分野に混ざって出題されたりしているので、特に近い年度で起こった出来事・時事問題は押さえておくこと。
資源とエネルギー問題など、世界各地に関係する問題も扱われているので、世界情勢の大きなニュースにも意識を向けておきたい。
[地図・資料、記述対策]
全体を通して、極端な難問や細かすぎる知識は問われていないが、テキスト・地図・資料集の全般から広く出題があり、問題量も多いので、基本的事項をしっかりマスターし使いこなす力量が求められる。
テキストレベルにおける確かな実力が必要な試験と言えよう。
記述問題についても、以前は用語や出来事について1~2行で説明するものが多かったが、近年は外国人にもわかりやすい地図記号を考案し、その由来も答える(2021年度)など、やや難しくなる傾向が見られるので、新聞・ニュース等で知識を増やし、自分なりの意見をまとめておくなどの練習もしておいたほうがよいだろう。
抜けや偏りがないよう、まんべんなく丁寧に学習しておいて欲しい。
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2024年度「湘南白百合学園中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問3つに総解答数46問と、例年通りの分量である。地理分野19問・歴史分野18問・政治経済分野9問と、ほぼ均等の出題数であった。
短文記述問題が6問あり問題数が多めであるので、記号選択・適語記入の問題は考え込まずにテンポよく解き進めたい。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:16分
- ★必答問題
地図をもとにして日本各地の産業や貿易などについて訊かれている。
1. (1) 輪作
(2) ・輪作障害を防ぐ
・土地がやせにくいので肥料が少なくて済む
2. エ――夏に吹くのは南西からの季節風である。
3. A 十勝(平野) B 庄内(平野)
4. 松島・ウ
5. イ・1970年代前半にはオイルショックによる燃料高騰や200カイリ漁業専管水域(排他的経済水域)などの問題が生じ、遠洋漁業は下火になった。
6. (1) 電照菊は光を当てて開花を抑制する栽培方法である(ア・オ)。
(2) ビニルハウス
7. (1) サウジアラビア
(2) イ――赤潮は原油生産には影響しない。
(3) ウ――アはコンテナ船、イは天然ガスを運ぶ船、エはフェリーである。
8. (1) 石碑に文字が書かれているような図柄である。
(2) 公助――政府・自治体・公共機関による支援
自助――自分自身で身を守る取り組み・行動
共助――地域社会・会社といった身近な人々と助け合うこと
9. 青森県はりんごの生産が多いので①。[あ]は宮崎県でピーマンの栽培が盛んである。
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:14分
- ★必答問題
各時代の人物や出来事について答える問題。
1. 聖徳太子の十七条の憲法では仏教を敬いなさいという条文がある。
2. 水墨画を大成した雪舟。絵画は[う]で、描かれているのは京都の天橋立である。
3. はにわ
4. 湿気やネズミの侵入を防ぐ工夫がされた高床倉庫。
5. 太平洋戦争のことなので、イが正しい。
6. 新三種の神器(カー・クーラーカラーテレビ)。携帯電話が普及するのはもっと後である。
7. 織田信長が明智光秀に暗殺された本能寺の変。手紙は後に天下を取った豊臣秀吉に宛てたもの。
8. ア――明治初期の政策として正しい。
9. 【3】天智天皇 【11】聖武天皇
10. 稲作は主に朝鮮半島を経由して伝えられたと考えられるので、「北方」ではなく「西方」である。
11. 鎌倉は三方を山に一方を海に囲まれているので、攻められにくい位置にある。
12. (1) 伊能忠敬
(2) 江戸時代の説明なので、アが正しい。
13. 関東大震災は1923年9月に発生したので、〔イ〕に入る。
14. 菅原道真のことで平安時代だが、平安時代はどこにも当てはまらない。
15. 【4】弥生時代→【5】鎌倉時代→【10】明治時代→【12】大正時代で、エが合っている。
16. 梅子さんだけが正しい。【9】と【10】は時代が異なる。【6】は飛鳥時代。
17. 自分がよく学んで知っている人物のほうが答えやすい。疑問は自分が素直に思ったことを書けばよいだろう。
【大問3】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
生成AIを題材にして、政治のしくみや財政について訊かれている。
1. 長官以外の裁判官は、内閣が任命する。
2. (1) 委員会
(2) 請願
3. ウ
4. X・エ
5. あ 教育 い ジェンダー
6. 国務大臣は内閣総理大臣によって任命される(ア)。総理大臣と国務大臣は閣議を開く(エ)。
7. 全体でAIを使用してしまうと、どこまで本人の考えたものかわからなくなるし、本人の思考力が育たたない。また、AIはネット上のさまざまな情報を参考にするので、誤った情報にもとづいた事実と異なる文が生成される恐れもある。
攻略のポイント
難問・奇問は無く、基本的事項がしっかり定着していれば得点できる問題と言える。
本校の偏差値からするとこの試験問題は易しいという印象だが、テキストのレベルでの高い実力が必要だということであろう。
記述問題は、近年は難化の傾向にあるので60~80字ほどで記述の演習をこなしておくこと。
今年度も大問ごとにあるテーマに沿って少し詳しく尋ねる問題が多かった。難易度としては例年の傾向と変わらないので、過去問で頻出の問題はよく練習して特に習熟しておいていただきたい。
また、前年の出来事に関する問題もよく見られるので、重大ニュース集などでチェックしておくと良い。
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