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横浜雙葉中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「横浜雙葉中学校の理科」
攻略のための学習方法

横浜雙葉中学校、理科の満点は80点(算数・国語は100点)。今回の合格者平均点は約8割で、高得点が必要な入試であった。

標準的な問題が多く、問題の形式としては、問題文・図・実験や観察のデータ等を読み取った上で各設問に答える問題が中心である。計算問題も含まれており、今回の入試では、大問4の計算問題の中にやや難度の高い問題も含まれていた。試験時間は40分、問題量に対して十分な時間は用意されているので、慌てる必要は全くない。問題文や図・表の読み取りにしっかり時間をかけて、落ち着いて取り組んで欲しい。各分野の学習法は次の通り。

<分野毎の学習法>

生物分野 本年度はアサガオの発芽と成長に関する出題で、知識問題に加え、問題の読み取りや考察力が必要な問題も含まれていた。近年では、食物連鎖、人のからだのはたらき(心臓の働き・血液循環など)、植物の生育、植物のつくりと働き等の出題が見られる。この分野の学習法としては、人のからだの働き、植物の分類・つくり・はたらき、昆虫や動物に関する基本知識を確実に覚えることが第一である。人のだ液のはたらき、植物の光合成や蒸散作用などのはたらきについては、それを確認するための実験の進め方についても、覚えておきたい。

地学分野 本年度は、万葉集の和歌を題材にした、月の動きと満ち欠けに関する出題であった。ここ何年かでは、月の満ち欠け、星の動き、地震波の伝わり、気象の観測、地層等の出題が見られた。この分野の学習としては、まずは地層・岩石・地震と火山・気象そして天体に関する基本知識を確実に固めることが第一である。月の満ち欠け・星の動きなどに関してはその理屈を理解した上で確実に定着させておきたい。火山や地震については、主な火山の場所や近年起こった地震など時事的な内容も含めて学習しておきたい。気象に関しては、日本の四季の天気の特徴・低気圧と高気圧・台風・大雨・フェーン現象・気象の観測などに関して理解をしておきたい。

物理分野 本年はてこのつり合いに関する出題で、やや難度の高い問題も含まれていた。近年では、電熱線による発熱、振り子の運動、永久磁石と電磁石、電気回路、てこのつり合い、光の性質、音、物の運動、浮力などについての出題がみられた。この分野の学習法として、まずは最も出題される可能性の高い力のつり合いに関してしっかり演習を行って欲しい。ばね、てこ、滑車、輪軸、浮力、振り子などについて、塾のテキストや問題集を使って計算問題の練習に時間をかけて欲しい。電気、光、音、磁石についても基本を身につけておいて欲しい。

化学分野 今年度は燃焼についての出題で、知識問題が中心だが、計算問題も含まれていた。近年では、プラスチック、気体の性質、混合物の分離、水溶液の性質、水の三態変化、中和等について出題されている。この分野の学習法としては、まず、水溶液の性質、気体の性質・ろうそくの燃焼などの基本知識をしっかりと固めておこう。さらに、溶解度、中和、金属と水溶液の反応、燃焼などに関しては、計算問題の練習をしっかり行って欲しい。

実験器具 実験器具の使い方に関して頻繁に出題される年度がある。メスシリンダーの読み取り、ろ過の方法、気体検知管、顕微鏡の使い方、蒸発皿や試験管を使った実験の進め方等が出題されている。今後も同様の傾向が予想されるので、各分野での実験の進め方や実験器具の使い方についてもしっかり押さえておきたい

模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談してみよう。

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2024年度「横浜雙葉中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は4 、小問数は約20程度で80点満点。(算数・国語は100点満点)試験時間は40分で例年通りであった。適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心で、図を描くも見られた。データ・図・絵などを読み取った上で設問に答える形式が中心になっている。問題量に対して試験時間は十分にある。知識問題は素早く完了させ、計算が必要な問題や考察問題にしっかり時間をかけたい。

【大問1】生物 アサガオの発芽と成長

  • 難度:標準
  • 時間配分:9分
  • ★必答問題

問1 アサガオの種子の絵を選択する問題。

問2 種子は子房の中の「胚珠」が変化したもの。

問3 アサガオの成長に関する観察記録の考察問題。

・観察を見ると、種をまいた日が1か月ずれているが、つぼみがつき始めた日はほぼ同じになっている。

・種をまいてからつぼみができ始めるまで、最短で25日になっている。

①⑤⑥では、平均気温が異なっているが、種をまいてからつぼみをつけるまでの日数はほぼ同じになっている。

・夏至を過ぎると、夜の長さは長くなっていく。

では暗い箱に入れたことにより、夜の長さが一気に長くなったと感じ、つぼみをつけ始める時期が早くなったと考えられる。

・すべての観察より、アサガオは光を感じてつぼみをつけると考えられる。

問4  ・③⑦⑧の観察より、アサガオは連続した暗い時間を感じてつぼみをつけていると考えることができる。

③と⑩を比較すると、暗い時間を感じているのは葉であると考えられる。

アサガオの発芽と成長についての出題。前半は知識問題で易問。後半は観察記録の読み取り問題で、考察力も求められる。

【大問2】化学 燃焼

  • 難度:標準
  • 時間配分:9分

問1 記号選択および空気の流れを図に示す問題。容器の下から入った空気が上から出る流れ道ができるものが、最も長い時間燃焼する。

問2 完全に密閉されていると、空気(酸素)の供給がまったくないので、すぐに消えてしまう。

問3 スチールウール(鉄)が燃焼しても二酸化炭素は発生しない。酸素は燃焼に使われるが、二酸化炭素は発生しないので、燃焼の後では、気体の合計量は減っている。

問4 20㎝まで酸素で満たした容器の中で1.5㎝水面が上がったので、1.5÷20より、使われた酸素は容器の中に入れた酸素の7.5%。

燃焼に関する出題。問3までは知識問題であり、しっかり正答したい。問4の計算問題は、実験内容と問われていることの意味を理解できたかがポイント。

【大問3】地学 太陽の動きと満ち欠け

  • 難度:標準
  • 時間配分:9分
  • ★必答問題

問1 月の形を満ち欠けの順番に並び替える問題。

問2 (1)北極側から見て、月は反時計まわりに回転して見える。

(2)太陽と同じ方向にあたるEが新月の位置、太陽の光が月の右側に当たって見えるGが上弦の月の位置、三日月はその間のF。

(3)(4)和歌1では、日の出のころ月が西の空に沈もうとしていると詠まれているので、月の位置は太陽と反対方向のAで満月。

問3 (1)上弦の月の位置は太陽の光が右側から当たるG。

(2)上弦の月は12時ごろ上り、18時ごろ南中し、夜中の0時頃沈む。

(3)上弦の月が沈むときの絵を選択する問題。傾き方に注意。

(4)毎日同じ時刻に月を観察すると、約12度ずつ東にずれて見える。

(5)和歌1の月は満月、和歌2の月は上弦の月。問題文の条件から、満月から新月までが14日、新月から上弦の月の日まで7日かかるので、約21日後になる。

月の動きと満ち欠けに関する出題。万葉集の中の月を題材にした和歌がテーマの出題であるが、内容としては一般的な月の満ち欠けに関する問題と変わらない。月の動きと見え方の関係を理解できているかがポイントとなる。

【大問4】物理 てこのつり合い

  • 難度:やや難
  • 時間配分:13分

問1 左から25㎝の重心の位置を糸でつるすとつり合う。

問2 同じ重さのおもりが両端につるされているので、問1同様に左から25㎝の位置を糸でつるすとつり合う。

問3 1㎝あたり1gなので、50㎝の棒の重さは50gで、重心の位置にこの50gがつるされていると考える。左端につるしたおもりの重さも50gなので、左端と重心の中間、左端から12.5㎝の位置を糸でつるせばよい。

問4 支点を棒の左端と考える。左端から25㎝の位置には25×50より1250の回転力が、棒の右端には50×20より1000の回転力が働く。この2つはいずれも棒を時計回りに回転させようとして働く。糸でつりさげている位置に1250+1000にあたる2250の反時計回りの回転力が働けばよいので、2250÷(30+50+20)より、左端から22.5㎝の位置を糸でつるせばよい。

問5 左端から40cmのところに10㎝分の棒の重さにあたる10gがつるされていると考えればよい。棒の残りの40g分の重さは左端から20㎝のところにあると考え、40:10=4:1なので、20×1/(4+1)+20より、左端から24㎝のところを糸でつるせばよい。

問6 折り曲げた10㎝分の棒の重さが、左端から45㎝のところにあると考えればよい。のこりの40㎝分の重さは左端から20㎝のところにあると考え、40:10=4:1なので、15×1/(1+4)+20より、左端から23㎝のところを糸でつるせばよい。

問7 折り曲げた20㎝分の重さは左端から35㎝のところに、残りの30㎝分の重さは左端から15mのところにあると考えればよい。20×2/(2+3)+15より、左端から23㎝のところを糸でつるせばよい。

問8 時計回りの回転力の方が大きくなるので、下に傾き、時計回りの回転力と反時計回りの回転力が等しくなった状態で止まる。

てこのつり合いに関する出題。問4までは基本的な解法が身についていれば正答可能な問題。問5以降は、棒が折り曲げてある状態でのつり合いを考える問題で、レベルが一段高くなっている。

攻略のポイント

各分野から大問4題の構成。思考力や計算力が要求される問題も含まれているが、全体としては標準レベルの問題が中心で、知識があれば正答できる問題も多い。出題形式としては、リード文や実験・観察のデータ等を見ながら解き進めるタイプの問題が中心となっている。本校の攻略のポイントとしては、まずは苦手分野を作ることなく、基本レベルの知識を正確に身につけることがあげられる。その上で、長めの問題文や実験・観察の結果を見ながら解くタイプの問題や、計算を必要とする問題の演習を積み重ねておきたい。実験器具や実験の進め方についても理解を深めておこう。

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