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暁星中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「暁星中学校の社会」
攻略のための学習方法

傾向

試験時間40分、大問は3~4だが、総解答数は50~60にも及ぶ。
本文・資料も含めると、目を通す分量がかなり多い試験である。
解答形式は、記号選択と用語記入がほとんどであるが、正解を選ぶのに手順や多くの知識が必要になる問題が多く、かなり手ごわい。
2014年度では無くなっていた記述問題がその後は復活している。また、2015年度以降に高まった難易度も徐々に下がってきているようである。
今後の動向について、学校説明会などに参加し、情報があれば確認しておきたい。

地理分野

日本地理全般の問題がまんべんなく出題されていて、偏りは無い。
地図や資料が多く示され、地形図の読み取りも出されている。
ここ数年は特に統計・グラフから数値を読み取って答える問題が多くなっている印象である。
また、一つの事項について集中して詳しく訊く問題が地理分野で出題されることがある。副教材などで「世界遺産」や「国際紛争の起こった地域」などをまとめたページでテーマごとに覚えておくと良い。
問題自体はテキストや参考書で勉強できる内容なので、幅広くこなしておく。
地図を使った問題は頻出なので、常に近くに置いて場所などのチェックを怠らないこと。
また、世界地理の問題も出されているので、主だった国や地域は知っておこう。
さらに、2018年度では北海道の発電所や都内のある市の夜間人口と昼夜間人口比率の比較など、他校ではあまり見られない問題もみられた。

歴史分野

古代から近代、現代の時事的要素を含む問題まで、幅広い範囲から出題される。
歴史上の出来事があった場所や関係の深い都道府県など、「歴史地理」といった問題も見られる。
単発の知識よりも歴史の流れを問われる設問が目立つ。
事項を時代順に並べ替えたり、本文自体で文章を時代順に並べて穴埋めさせたりという問題が出されている。
2015年度から著しく難易度が上がり、とくに歴史分野でその傾向が顕著であった。橘諸江や恵美押勝など他校ではあまり問われない人物名や、近江大津宮の場所など、答えられなかった人も多かったであろう。しかし、ここ数年で合格者平均点も上がってきており、難易度が抑えられているようである。
2017年度は地理分野に重点が置かれ、歴史分野でも地理分野が混合された問題が見られたが、2018年度~2020年度では歴史分野の方で問題数が多くなっている。両分野とも油断なく準備したい。

政治分野

日本国憲法・政治の仕組み・国際関係などからの出題。
特に憲法と三権の仕組みはよく訊かれるので、しっかり覚えておくこと。
政治分野も細かく突っ込んだ内容は問われないので、テキストを中心に丁寧に学習しておけばよい。
この分野で時事的問題が合わせて聞かれることが多いので、地理・歴史と比べると、政治自体の問題数は少な目である傾向が見られる。
2017年度は歴代総理大臣の名前と、関係する知識を問う政治史とも言える問題が出された。年度により傾向が変わる可能性があるので、慌てないように幅広く学習しておきたい。

知識

2014年度まではテキストに書かれているレベルの基本をしっかり押さえた学習で対処できたが、2015年度から難易度が急上昇し、合格者平均点を見るとここ数年でまた元に戻りつつある。
来年度の動向に注意しつつ、テキストレベルにおいて可能な限り高度な学習を目指し、極端な難問以外は確実に得点できる実力を身につけたい。
 ◆テキスト・問題集で基礎をしっかり固めた上で、地図・白地図・資料集等で場所や関連事項を詳しく調べておく。
 ◆年表で時代の流れに沿って知識をまとめておく。地図で場所も確認する。
 ◆「必要と思われる解答は全て漢字で」という指定がつくので、特に人名・地名や法律の文言などは漢字で書けるようにしておく。
難しい問題で時間を取られ過ぎてもよくない。できる問題から着実に答えることである。
さらに注意点として、本文と設問でかなりの文章量になる年が多いため読むスピードは必要であるということを付け加えておく。

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2024年度「暁星中学校の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

本校の試験問題は、全体の文章量が多く、資料もたくさんあり、読み取りに時間がかかる。
解答数も多い上、答えを選ぶのに手順が必要な問題があり、時間的にはきついかもしれない。
総解答数は45問で2023年度より多くなり、やはり読むのにあまり時間がかかるようではうまくない。
文章を読むスピードをつけるよう練習すること。

【大問1】歴史分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:大問1~大問3 合わせて20分
  • ★必答問題

いろいろな時代の出来事を時代順の前後で訊かれている。

問1   ア. 室町幕府滅亡(1573年)→
   イ.  島原・天草一揆(1637~38年)→
   ウ. 元寇(1274年・1281年)→
   エ. 文禄の役(1592~96年)→
   オ. 生類憐みの令(1685年)→10
   カ. 田沼意次の老中就任(1772年)→12
   キ. 徳川吉宗の将軍就任(1716年)→11
   ク. 南北朝の合一(1392年)→
   ケ. 日米修好通商条約の調印(1858年)→16
   コ. 株仲間の解散など(1841年)→14
   サ. 鎌倉幕府の滅亡(1333年)→
   シ. 鉄砲の伝来(1543年)→

【大問2】歴史分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:大問1~大問3 合わせて20分
  • ★必答問題

飛鳥時代について。

問1 公地公民

問2 百済復興のため兵を送ったが、白村江の戦いで唐・新羅連合軍に敗れた。

問3 天智天皇

問4 壬申の乱

問5 藤原京→平城京→長岡京→平安京という主な遷都の流れを覚えておこう。

問6 大宝(律令)

【大問3】歴史分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:大問1~大問3 合わせて20分
  • ★必答問題

戦後の政治や外交について訊かれている。

問1 ① ク  ② オ  ③ カ

問2 日米安全保障条約

問3 日本とソ連の国交は日ソ共同宣言によって回復した。

問4 日ソ共同宣言によりソ連が賛成に回ったため、日本の国際連盟への参加が認められた。

【大問4】現代社会分野

  • 難度:やや難
  • 時間配分:大問4・大問5 合わせて20分

ジェンダーギャップに関する日本の現状などについて訊かれている。

問1 男女共同参画社会基本法

問2 イ. 宮城県・長野県・千葉県などは当てはまらない。

問3 ア. むしろジェンダー平等に資する運動である。

問4   A. 京都市のことと考えられ、女子大が多いことから、Eのグラフが選べる。
   B. 大阪市を指すと考えられ、高度成長期に単身労働者が集まったことから、男性の高齢者が多いことが予想される。
   C. 北山村のことで、過疎化が進んで若年層が少ないと考えられるのでグラフFが合う。

問5 Dには高野山金剛峰寺があり、仏教と山岳信仰の聖地ともいえる地域である。

問6 ウ. 三大都市圏周辺では、その他の地域よりむしろ女性の割合が高くなっている。

問7 エ. ラテンアメリカでジェンダー平等が進んでいるのは西部・南部の国である。

問8 エ. 表から政治的な関心や投票率との関係は読み取れない。

問9 男女間には身体の相違や寿命の差など、生物学的な性差は当然存在する。ジェンダーとは、女性は家庭を守るべきであるとか結婚すれば仕事をやめてしまうのだから職務の内容が男性と異なるのはしかたがないなど、社会的に作られた性差を言う。

問10 女性が少なくなればその地域で結婚し子育てをする家庭が減ってしまい、少子高齢化や過疎化が進んでしまう恐れがある。

【大問5】現代社会分野

  • 難度:やや難
  • 時間配分:大問4・大問5 合わせて20分

環境保全や保護についての問題。

問1 A. エ  B. オ  C. イ

問2 ナショナル・トラスト

問3 エ

問4 (1) 産業革命  (2) ふっとう

問5 米(98%)、野菜(80%)、牛乳・乳製品(63%)、小麦(17%)の順(2021年・重量ベース)。

問6 リユース(再使用)

問7 (1) Ⅱ. 2030年までの目標が設定されている
     (2) A. 貧困  B. 水

攻略のポイント

2015年度からの難易度上昇が、ここ数年では抑えられ元に戻ってきたようである。
いずれにしてもテキストの基本的事項を徹底的にマスターし、難問を除いた他の問題を確実に得点していけば合格最低点には達すると考え、あまり身構えずに堅実な実力アップを図って欲しい。復活した記述問題にも抜かりなく対策をしておく必要がある。
また、地理分野で狭い範囲に限定して細かく問う問題が見られ、その範囲の勉強をおろそかにしていると大量失点につながるので、各分野で大きな穴を作らないようにすることも大切である。

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