暁星中学校 入試対策
2024年度「暁星中学校の算数」
攻略のための学習方法
暁星中学の算数の入試問題の特徴は、計算問題⇒一行問題⇒大問(標準問題・応用問題、)という標準的な模試タイプの問題構成ではなく、すべてが大問の形式になっていることがあげられる。計算問題や一行問題は一切ないので、過去問等を通じてこの問題構成に慣れて頂きたい。
出題頻度の高い単元
①速さ
ほぼ毎年出題されている。今年は上り坂と下り坂を歩く速さと時間の比を考えるという、中学入試では頻繁に取り上げられる内容の出題であった。ここ数年を見ると、ダイヤグラム(進行グラフ)についての出題頻度が高く、同じダイヤグラムについての問題でも、年度によって難易度に差がある点は注意が必要であり、レベルの高い問題も想定して学習しておきたい。ダイヤグラム以外でも、「比」の利用がカギとなる問題、・歩数と歩幅と速さの関係・流水算・通過算・時計算など速さ全般における問題演習にはしっかり時間をかけておきたい。
②平面図形
今年度は平面図形の出題はなかった。過去の傾向を見ると、相似など比を使って解くタイプの問題よりも、円や多角形の複合図形の面積を工夫して求めるタイプの問題が多い。
③数論
この分野は本校入試においての出題頻度が極めて高い。今年は「数列」「数の性質」の大問で2題での出題であった。数の性質でテーマとして取り上げられた約数の個数については、過去にも複数回出題されている。これ以外でも、数列・数表・・素因数分解を利用して解く問題・場合の数等を中心に、難度の高い問題も含めて学習を進めて欲しい。
④割合と比の文章題
今年は年齢算の出題で、やや難度の高いものであった。過去の出題を見ると、ニュートン算が2018年から2020年まで3年連続で出題されている。それ以外では、仕事算、食塩水の濃さなどが出題されている。
➄立体図形
今年度は立方体の切断について出題されたが、難度が高いものではなかった。この分野については、今回出題された立体の切断を中心に学習して欲しい。
学習のポイント
本校の近年の入試問題を見ると、ニュートン算・食塩水の濃さ・速さとダイヤグラム・約数の個数など頻繁に出題される単元が見られる。このような傾向を見ると、過去問を使っての学習は非常に有効的であり、必須である。上記単元を中心に基本の定着はもちろんのこと、多少レベルの高い問題にも対応できるように問題練習を積み重ねて欲しい。問題演習においては、1行問題だけではなく、本校の特徴である大問形式の問題を1つの大問を10分程度の時間設定も行いながら進めて欲しい。
本校の入試では計算問題としての出題は見られないが、計算練習は怠りなく行って欲しい。今回の入試でも、速さの問題の中に計算力が要求される問題が見られた。自信を持って解き進めるのに必要な計算力を身につけて欲しい。
過去問以外の問題演習においては、本校入試と同タイプの練習が有効的である。問題の選択については、家庭教師に相談して欲しい。
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2024年度「暁星中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
50分で大問が5、小問が11。すべての問題に計算欄がある,いわゆる「記述」形式である。近年の傾向を見ると、全体的に難度があがり、一問一問をしっかり考える考察力重視型の入試になってきたと言える。50分という十分な時間が与えられているので、一問一問をしっかり考えるという姿勢で取り組んでほしい。
【大問1】立体図形
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)1辺6㎝の立方体から、体積36㎤の三角すい4個を切り取ったものでなる。
(2)2度切りの切断問題では、2つの切断面の交点を結ぶことにより、重なる部分の形状がわかる。この問題では立方体の6つの面の対角線の交点6点を結んでできる6面体となり、底面積18㎠、高さ3㎝の四角すい2つ分の体積として求めればよい。
立体図形の出題。立方体の切断の問題演習がしっかりできているかが問われる内容。
【大問2】年齢算
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
(1)20年後の父と長男の和は84。父が長男の2倍の年齢になることから、父は56才、長男は28才。従って、現在は父が36才、長男は8才。
(2)何年後かに父と長男の年齢の和と母と次男の年齢の比が7:6になることから、長男と父の年齢の和は7の倍数になる。さらに2人の年齢の和は必ず偶数になることから、まずは7×8の56だとする。(56-44)÷2よりこれは6年後。このとき、母と次男の年齢の和は6×8の48。6年後の次男が10才になることから、このとき母は38才。現在は母が32才、次男が4才となり、現在8:1であるという条件にあてはまる。
年齢算の出題。(1)は易問。(2)は比の利用・数の性質を用いた上で考察する力が求められる。
【大問3】 速さと比
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)1.8÷3.6×60よりAさんは30分、1.8÷5.4×60よりBさんは20分かかるので、その差は10分。
(2)上りと下りにかかった時間はAさんが30分、Bさんが27分。同じ道のりを進むとき、速さとかかる時間は逆比の関係にあるので、上りにかかる時間は、Aさん:Bさん=4:3、下りにかかる時間はAさん:Bさん=5:6。Aさんが上りにかかる時間を④、Bさんが上りにかかる時間を③、Aさんが下りにかかる時間を5、Bさんが下りにかかる時間を6とすると、④+5=30分、③+6=27分 となる。この2式から消去算として計算すればよい。
速さと比に関する出題。上り坂と下り坂にかかる時間について比を使って考える問題は中学入試で頻出。類似問題の経験があれば、スムーズに処理を進めることができるであろう。
【大問4】数列
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
(1)1/3、2/3を第1グループ、1/5、2/5、3/5、4/5を第2グループのようにグループ分けをして考えると、82/87は第43グループの82番目。等差数列の和の公式を利用して、2+4+・・・+84+82=(2+84)×42÷2+82より、1888番目となる。
(2)分母はすべて奇数であり、その中で分母が素数のものは約分できる分数がない。分母が9⇒2個、分母が15⇒6個、分母が21⇒8個、分母が25⇒4弧、となり、ここまでで計20個になる。従って、20回目の分数は20/25である。
(3)2024番目の分数を考える。(1)に続く分数を考えると、分母が89の分数までで計1980個。分母が91で約分すると6/13になる分数は42/91で、これが2022番目の分数。91=13×7なので、その一つ前の分数の分母は13×5の65で分子は30。30/65は全体の1022番目となる。
数列についての出題。分数数列を群数列ととらえて考えるという内容。(2)以降の処理は間違いやすく、緻密さが求められる。
【大問5】数の性質
- 難度:標準
- 時間配分:8分
(1)約数の個数が3個となる整数は素数の平方数である。29×29=841、1+29+841=871となる。
(2)約数の個数が4個となる整数は同じ素数を3回かけた数か、違う素数をかけた数である。7×7×7=343、343の約数は1、7、49、343であり、1+7+49+343=400となる。
数の性質に関する出題。約数が3個の整数、約数が4個の整数については、中学受験生として知っておきたい。昨年も大問5で平方数に関して出題された。2年続けて数論の知識が必要な傾向の出題が続いている。
攻略のポイント
テスト時間は50分で100点満点、例年通りであった。
合格者平均点は69点、ここ数年難度が年によって大きく変化しているので、難度が高くなることを想定し、難度の高い問題にも対応する力を身につけるための練習が必要になってきている。
本年度は過去出題頻度が高い平面図形に代わって立体図形が出題された。また、出題頻度の高い数論については、大問4および大問5で出題され、大問2の中でも、数の性質を利用して考える設問があった。文章題は「年齢算」「速さと比」の2題で、特に年齢算はレベルがやや高いものであった。
大問5題とも標準あるいはそれ以上のレベルの内容であるが、いずれの大問においても比較的得点しやすい(1)で正答できるかどうかで明暗が分かれると言えよう。また、試験時間は50分と十分にあるので、1問1問を丁寧に粘り強く考える姿勢が大切である。
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