西武学園文理中学校 入試対策
2024年度「西武学園文理中学校の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問は4~5つ。大問1と大問2が論説文の読解と小説の読解、大問3~5が四字熟語・慣用句・漢字の読み書きなどの言語事項という形が、ここ数年続いている。
素材文の字数は計8000~10000字ほど。総解答数は25~30問。設問は選択式と抜き出しが多い。「文中の語を使って」書く問題も数問出される。
[説明的文章の読解]
社会科学・人文科学の分野からの文章が多い。一般に向けた説明的随筆文が多いので、難解な用語などはなく、読みやすい。読解力があれば、十分に得点できるだろう。
説明的文章の読解の基本を身に付けよう。
・段落の整理
形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。
・要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引くなどしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおくなどするのも良い。
・要旨
要点をまとめれば全体の要約ができる。その中で筆者の最も言いたいことが要旨である。特に記述問題は要点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。
[文学的文章の読解]
学生・生徒が主人公で、主人公の視点で描かれた小説が多く用いられている。受験生と年齢が近いので、その言動や気持ちも理解しやすいだろう。適切な読解力があれば答えられる問題がほとんどである。
文学的文章の読解の技を練習しよう。
・人物の整理
人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
・場面の変化
時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
・心情の把握
人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
・主題の理解
作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
[言語事項]
試験の最後にまとめておかれている。まずここから解き終えて読解問題に進むのが良いだろう。
四字熟語・ことわざ・慣用句とその意味などが出題されている。漢字も読みと書きの両方が出されている。いずれもことばの知識や漢字練習帳などで見たことのある内容である。教材をしっかりこなして、ぜひミス無しで満点を狙いたい。
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2024年度「西武学園文理中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は29問で、文量は6600字ほどと少なめだった。選択肢問題が多く、記述問題は計2問出されている。2020年度以降は出題されていなかった記述問題だが、2022年度~2024年度と続けて出された。本文を読むスピードがあれば時間は足りるはずである。分速600~700字くらいで読めれば、考える時間も十分残せるだろう。
【大問一】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:20分
人々の間の信頼関係は、同じ時間を共有し継続的に同調することによって築かれてきた。本来人間は互いに違う存在であり、出会いによって起こることを予測できないところに人間同士の関係の面白さがあり、それが生きる意欲につながるのである。
問1 A. お母さんの動きを直に感じ取っている→「一体化」
B. 「本来違うはずの人間」の逆→「均質化」
問2 二段落前に、人間の信頼は「継続的な同調作用がなければつくれません」とある。
問3 (例) 自分の意図するようにならない厄介な現実世界よりも、面白くなければやめられて振り出しから繰り返すこともできるスマホの世界の方が居心地がいいから(七十六字)。
問4 Ⅰ. 人間同士が尊重し合うことの前提は相手のことはわからないという認識である。「しかし」、ICTなどは異なる同士がつながることを目指していない。
Ⅱ. 人間もデジタル情報に変換されて評価されるようになってきた。「たとえば」中国では……。
問5 予測できない人と人との出会いでどんなことが起こるかを例えている。一つ前の段落に「相手と直接会って……どこかに憧れたり、どこかで拒否したり、共感したりする(五十三字)」とあり、内容が合うのでここを抜き出す。
問6 直前の二段落をまとめた内容として、選択肢ウが合う。
問7 ウ・エ
【大問二】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:26分
- ★必答問題
問題児ではあったが成績が良かった主人公。都会から転校してきた清子には敵わず当初は嫉妬を覚えたが、彼女の懐の深さと愛らしさにいつしか恋心を募らせてゆく。
問1 A. 教室に戻ろうと諭されても「かたくなに」座り込んだままだった。
B. 主人公より優等生である清子が現れると、教師たちは「明らかに」主人公に対して高圧的になった。
C. 渋皮の残る生栗でさえ「ほのかに」甘く感じられた。
問2 ③ イ ⑤ ア
問3 父親は普段離れて暮らしている・祖母と姉の三人で暮らしているの二点が説明されている。字数に余裕があれば母親が亡くなったことを入れてもよい。
問4 数行後で清子が主人公にとってどんな存在になったかが説明されている。「憧れと嫉妬の入り混じった羨望」が傍線のような反応になって表れているのである。
問5 いたずらを黙っていてくれた清子に対して「嫉妬が消え……その懐の深さに対する恋心に似た憧れが増大」したと独白している。
問6 墓穴を掘る
問7 恋心が募って、顔をみれるかはわからないがとにかく彼女の住んでいる家の見えるところに行って、彼女の存在を想像したいという、やむにやまれぬ衝動であろう。
問8 オ
【大問三】漢字・四字熟語
- 難度:標準
- 時間配分:4分
- ★必答問題
問1 (1) 紙一重 (2) 利器 (3) 救済 (4) ごんげ (5) いぶき
問2 ① 一念発起 ② 言語道断 ③ 心機一転 ④ 朝令暮改 ⑤ 主客転倒
攻略のポイント
素材文の文量を考えると、読むスピードは必要である。分速600~700字を目標に練習しよう。この速さで読めるようになれば、他の学校でも困ることは無いはずである。
設問は選択肢と書き抜きが多いので、文の細かい部分を見落とさない注意力や書き抜く部分を素早く見つけられるテクニックを身に付けたい。また、「文中の言葉を使って」まとめる問題では、設問の条件に合った形でまとめる必要があるので、その点を常に意識して問題に取り組もう。ことばの知識も2割~3割の配点を占めるので、ぜひ全問正解できる力をつけておこう。
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