芝浦工業大学柏中学校 入試対策
2024年度「芝浦工業大学柏中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
大問3つに、漢字の知識・小説の読解・論説文の読解がそれぞれ割り当てられている。
小説6000字前後・論説文2500字前後の計8000~9000字ほどの文量で、総解答数は30問ほど。
設問は選択肢・文の並べかえ・内容補充・記述など。特に記述は、自分なりの例を挙げて主題や要旨のポイントを考えさせる問題が出されており、やや難しい。
漢字の知識
漢字の書き取りと、読みと部首の組み合わせで漢字を考えさせる問題が、ここ数年よく出されている。過去問でこのパターンによく慣れておこう。
小説の読解
ここ数年は宮沢賢治の作品がよく用いられている。
内容理解の選択肢問題と、文章の一部を並べ替える文脈の問題、記述問題が出されている。ことばの知識の問題も数問含まれている。
記述問題は自分の言葉で答える問題や、その答えを選んだ根拠を示す問題などが見られ、論説記述に近い内容になっている。ともあれ、本文の読解が十分にできていることが前提であるので、まずは文学的文章の読解の実力をつけよう。
・人物の整理
人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
・場面の変化
時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
・心情の把握
人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
・主題の理解
作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
論説文の読解
例年、文量は2500字ほどと少なめで段落番号も振ってあるので読みやすくなっている。社会科学・人文科学の文章が多い。
論理的文章なので、接続詞の問題・抜き出した文を適切な箇所に戻す問題が毎年出されている。
記述問題は、自分なりの例を一つ出させて、それをもとに要旨を説明させるという問題がよく出されている。文章の要点・要旨をしっかり読み取ることが重要なので、読解のポイントをつかんでおこう。
・段落の整理
形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。
・要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引くなどしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおくなどするのも良い。
・要旨
要点をまとめれば全体の要約ができる。その中で筆者の最も言いたいことが要旨である。特に記述問題は要点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。
試験の特徴
本校の試験の特徴的な部分によく慣れておくことが重要である。漢字の部首を絡めた問題や、先に述べた記述問題なども本校の個性ともいえるパターンとなっている。
また、論説文の読解では、文中の漢字の誤用を見つけさせる問題が例年出されている。後で気づくとまた読み直すはめになるので、まずこの問題があるかどうかを確認し、一回目の読みで探しながら進めるのがよい。
今後もこのパターンが変わらないとすれば過去問で慣れておくことが肝要となるので、できるだけ多くの過去問を入手して十分に練習しておかれたい。
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2024年度「芝浦工業大学柏中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は31問。選択肢の問題は標準的だが、漢字や記述問題には特有の形がありやや時間を取られる部分かもしれない。素材文は計6000字ほどだが、余白が多いので実際にはもっと少ない。ともあれ速読を鍛えて記述に時間を残せるようにしたい。設問を先に確認するべき問題があるので注意。
【大問一】漢字・熟語
- 難度:標準
- 時間配分:4分
- ★必答問題
問一 ① 大言(壮語) ② 優しい ③ 従事 ④ 意地悪
問二 ① 開放 ② 異議 ③ 過程 ④ 発効
【大問二】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:23分
- ★必答問題
民主主義社会においては、誰かが決めた「正しい」や独りよがりの「正しい」を振りかざすのではなく、可能な限りの「正しさ」を盛り込んだ落としどころを探ることが重要である。そのためには多様性を認め、他人の意見をしっかりと聞き、異なる意見として受け入れられる広い視野と懐の深さを持つ心構えが必要なのである。
問一 「MUST」は詰め込み教育で強制され型にはめられるもの・「MAY」は自分の価値観で考えるのは自由だが他人に押しつけてはいけないという発想であると書かれているので、両者を正しく含む選択肢ウを選ぶ。
問二 「それ」とは「迷惑をかけられた側の立場」であると考えると、「想像力が必要である」ことが納得できるので、【Ⅱ】に入る。
問三 「多様性は尊重する(=自由)」と「他人に迷惑をかける自分勝手は認められない(=義務)」は、社会において二つ一組なのである。
問四 A. 誰か一人の意見をまるごと認めてしまうと異なる意見が認められなくなってしまう。「だから」落としどころを探る作業が重要になる。
B. 民主主義を守れ!という訴えは要注意である。「なぜなら」自分が気に入らない事態のときだけそう主張しているからである。
C. 多様性の時代になじまないかもしれない。「でも」、今のところ最良の方法だと考えられている
D. 「もし」日本に民主主義がないと感じるなら……。
問五 「その好例が」とあるとおり、前文やそれまでの「正しさ」についての持論を補足・説明するために民主主義を例に挙げている部分である。
問六 「非定」→「否定」
問七 「正しいを疑う必要がある」「その実例としての民主主義についての議論(線で囲まれた部分)」「だから、正しいを疑え」という構造になっている。
Ⅰ. (例) だれか一人が訴えるひとつの
Ⅱ. (例) 可能な限り多くの〝正しさ〟を盛り込んだ落としどころを探る
Ⅲ. (例) 異なる人の意見を受け入れられる
問八 「正しいが気になるのは、自信がないから」であるから、選択肢イ・ウ・エは当てはまる。
問九 筆者は最終的に多数決になることは認めつつ、ある程度の落としどころを探すための意見交換を続ける努力をすることが大事だと思っているので、Cさんの意見がよい。
【大問三】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:18分
宮沢賢治作のざしき童の掌編小説が使われた問題。
問一 ウ→イ→オ→(ア)→エ
問二 エ. どの子どもがざしき童かわかっている、という様子は描かれていない。
問三 祭りを延ばされたり見舞いで鉛のうさぎを取られたりと、はしかだった子に対しておもしろくないと他の子たちが思っていたことが示されている。
問四 旧暦の八月は現在の九月にあたるので、中秋の名月の頃だと考えられる。
問五 「知らない場合」は夜遅くに子供が一人で船に乗って出かけることを不審に思った(二十八字)からで、「知っている場合」は本当にざしき童かどうか、どのような者かよく見ようと思った(二十八字)からだと考えられる(各々、例)。
問六 ⅰ. 1 ⅱ. 4
問七 (例) 見た目が子どもである(十字)
問八 お金持ちであることを示す語として「大きな家」が見つかる。
問九 他の子がおもしろく思わなかったこととして、祭りが延期されたことが挙げられている。本家は「(例) 祭りの日を変更する(九字)」権力を持っているのである。
問十 男の子であることを示す描写として、服装(紋付袴・刀)が説明されている。
攻略のポイント
ここ数年は試験の形式がほぼ一定である。漢字の部首を絡めた問題や、記述問題の一定のパターンが今後も続くと考えれば、過去問で徹底的に研究し、慣れておくことがなによりの攻略法となる。過去にさかのぼって何年かごとの傾向の変化を見ておくことも大事なこととなる。
形式だけでなく問題の難易度自体もやや難しい場合があるので、読解の実力を十分につけておくことも当然のことながら大事である。地力をつけると同時に、他校とは異なるパターンの問題に十分慣れること。本校の試験対策で意識しておいてほしいところである。
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