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芝浦工業大学柏中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「芝浦工業大学柏中学校の算数」
攻略のための学習方法

芝浦工業大学柏中学校、算数の満点は100点。標準的な問題が多いが、ややレベルの高い問題も含まれる。試験時間は45分でやや短いが、慌てることなく、落ち着いて取り組んで欲しい。できる問題から解答欄を埋めていくことを心がけること。各単元の出題傾向と学習法は次の通り。

<単元毎の傾向と学習法>

計算問題 例年1~2題出題される。今年度は小数と分数の混合計算問題であった。工夫が必要な問題が出題される年度もあり、日頃の計算練習の際には、少しでも簡単に計算するにはどうすればよいか?といった意識で取り組んで欲しい。また単位の計算問題が出題された年もあるので、面積や体積の単位変換についてはしっか覚えておきたい。

文章題 今年度は円とドルの換算および速さと比に関する問題が出題された。ここ何年では、速さに関する問題(速さと比・流水算・旅人算・時計算)、ニュートン算、和差算、売買損益算、食塩水の濃さ、年齢算などの出題が見られた。今回は出題されていないが、時計算の出題がやや多いことには注意が必要。ややレベルの高い出題も見られるが、テキストや問題集での練習を行えば正答できる問題が中心である。出題される可能性が極めて高い速さに関する問題では、旅人算・時計算・流水算・通過算・ダイヤグラムの読み取りなど幅広く学習しておくこと

数に関する問題 今年度は規則性に関する問題が小問と大問で、周期算が大問で出題された。過去には、場合の数、単位分数、数表や数列に関する問題、数の性質など幅広く出題されている。今回は出題されなかったが、場合の数の出題がやや多いので、しっかり練習しておきたい。単に計算で求めるものだけでなく、場合分けや調べ上げといったタイプの問題の練習も行うこと。また、数列や数表、割り算のあまりに関する問題等もしっかり練習して欲しい。

平面図形 今回は図形の移動について出題された。ここ数年の問題を見ると、30度-60度-90度の直角三角形、図形の移動、影に関する問題等、趣向を凝らした問題も見られる。

この分野の対策としては、まずは相似や高さの等しい三角形など、比を用いて解く問題の練習をしっかり行うこと。また、図形の移動についても出題の可能性が高いので、力を入れて学習して欲しい。日頃から、等積変形・円周率の計算はできる限りまとめて1回だけ行う、といった工夫を考えて問題に取り組んで欲しい。

立体図形 今年度は大問で立方体の切断について出題されたが、切断の問題としては考えやすい内容であった。昨年も立体の切断について出題されている。ここ数年では、図形の切断の他に回転体の求積等が出題されており、回転体の求積は出題頻度が高い。

この分野の学習法としては、立体の切断や回転体の求積については特に力を入れて欲しい。また、水の体積や深さの変化についても問題練習を行って欲しい

模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談しよう。

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2024年度「芝浦工業大学柏中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

独立小問が2題、大問が6題で100点満点、試験時間は45分で例年通りであった。合格者平均点は67.3点で、昨年と比べると易化している。すべての小問数は17で多くはないが、記述問題や思考力を必要とする問題も含まれており、時間的ゆとりはあまりない。できる問題から解答欄を埋めるよう心がけて欲しい。

【大問1】小問集合

  • 難度:
  • 時間配分:6分

(1)計算問題

小数・分数の混合計算問題。やや複雑ではあるが、落ち着いて計算して欲しい。

(2)規則性

初めにお茶を4本買うとキャップが4個になり、同じお茶を1本もらえる。もらったお茶のキャップがあるので、以降は3本買うたびにキャップが4個になりお茶を1本もらえる。

計算問題・平面図形の小問2題。(2)はテキスト等で取り上げられる典型題。解法を理解していれば難なく解答できるはずである。

【大問2】立体図形 

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

(1)切断でできる立体は三角錐。3×3÷2×6÷3より9㎤。

(2)K・J・Fを通る平面で切断してできる立体は三角錐台で、(1)で求めた三角錐の体積の7倍の体積になる。したがって残った立体の体積は、6×6×6-9×8より、144㎤となる。

立体の切断についての出題。切断の問題としては基本的な内容。切断面を描くなどの解法はしっかり身につけておきたい。

【大問3】規則性に関する問題

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

(1)12⇒6⇒3⇒10⇒5⇒16⇒8⇒4⇒2⇒1と9回の操作になる。

(2)1から逆に戻っていくと、1⇒2⇒4⇒8⇒16 ここまでは共通。これから前に戻っていくと、16⇒5⇒10⇒20、16⇒32⇒64⇒21、16⇒5⇒10⇒3 の3通りが考えられる。

規則性に関する出題。問題文で示された規則を理解できれば問題なく解答できるであろう。

【大問4】円とドルの換算

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分

(1)900000÷150より売った金額は6000ドル。買ったときは1ドル120円だったので、6000×120より、720000円。

(2)買ったときの金額を1ドルとする。売るときには1.2ドルになった。円で考えると、1×120で買い、1.2×150で売ったことになるので、60高くなったことになる。60=480000円より1=8000。したがって8000×120より、960000円で購入したことになる。

円とドルの交換に関する問題。条件がやや複雑なので、問題文に書かれてある内容の理解がポイントとなる。

【大問5】周期算

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

(1)ア。イ。ウともに表から始まり、アは毎回。イは2の倍数で、ウは3の倍数で裏返る。したがって、表を〇裏を×とすると、アは×○が繰り返し、イは○××○が繰り返し、ウは○○×××○が繰り返す。この規則に従って書き出していくと、最初にすべてが×になるのは3ターン目、2回目は11ターン目。

(2)アの周期が2、イの周期が4、ウの周期は6なので、最小公倍数の12周期で同じ状態を繰り返す。従って、10回目にすべてが×になるのは、12×4+11より、59ターン目。

(3)1周期の中で、すべてが×になるのは(2)より3ターン目と11ターン目。すべてが○になるのは8ターン目と12ターン目。1周期の中で4回同じ色になる。50回目にすべてが同じ色になるのは、50÷4=12あまり2なので、12×12+8より、152ターン目。

周期算の出題。まずは問題文を正確に理解した上で、ア・イ・ウそれぞれの変化の様子を書き出し、周期を見つけることがポイント。

【大問6】図形の移動

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

(1)円Qは円Pに沿って回転移動するので、円Qの弧ARは円Pの弧BRと等しい。したがって、6×3.14×1/8より、2.355㎝。

(2)記述指定問題。弧ARと弧BRの長さが等しく、半径の比は3:1なので、中心角の比は1:3となる。45×3より、135度。

(3)角あが360度になればよいので、(2)より、360×3より1080度回転することになる。したがってQは3回転する。

図形の移動についての出題。円の内側を円が回転して移動するという設定。特に難問ではない。3.14の計算等を丁寧に行うこと。

【大問7】速さと比

  • 難度:やや難
  • 時間配分:9分

(1)家から学校まで25分かかっているので、1600÷25より、毎分64m。

(2)記述指定問題。忘れ物に気付いた場所は家から320m地点。したがって、7時47分から8時7分までの20分間で家に戻り、忘れ物を取り、学校に着いたことになる。その速さは(1600+320)÷20より毎分96m。96÷64より、1.5倍の速さとなる。

(3)普段の2倍の速さは、64×2より毎分128m。毎分128mで家から学校までの1600mを進むと1600÷128より、より12.5分かかるので、7:42に家を出てから忘れ物を取りに家に戻るまでの時間は12.5分まで許される。忘れ物に気付くまでの速さと家に戻るときの速さの比は1:2なので、かかる時間の比は2:1。したがって、12.5×2/3より8分20秒以内に気付けばよいことになる。

速さと比に関する出題。(2)までは易問。(3)は状況を図に描く、比を適切に使うといった速さの問題に対する解法が身についているかが問われる内容であり、ややレベルが高い。

攻略のポイント

大問1は計算問題と規則性に関する問題の小問集合で、その後大問が6題の構成になっている。近年は同じ問題構成が続いている。大問のテーマは、立体の切断・規則性に関する問題・図形の移動・速さと比等で、2つの大問では例年通り記述問題が含まれていた。各大問において、前半の(1)または(2)までは比較的考えやすい問題、後半の(2)または(3)は思考力が必要なレベルのやや高い問題という構成になっており、各大問の前半を確実に正答することが得点を上げるための大きなポイントになる。本校合格へ学習を進めていく上で大切なことは、正確な計算力を身につけ、苦手単元を作ることなく、すべての単元の基本をしっかり身につけることである。その上で、ややレベルの高い問題についてもしっかり演習を積み重ねておきたい。

記述問題について特別な意識は必要ないが、日頃から式や図をしっかり残す習慣が大切である

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