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鎌倉女学院中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「鎌倉女学院中学校の理科」
攻略のための学習方法

鎌倉女学院中の満点は100点、今年度の合格者平均点は66点で昨年度と比べると10点ほど下がっている。理科の満点が国語や算数と同様に100点なので、理科の学習に対してもしっかり取り組んで得点源にしたい。
問題の難易度は基本~標準的な問題がほとんどである。問題の形式としては、問題文・図・実験データ等を読み取った上で各設問に答える問題が中心であるが、知識のみで解答できる問題も多い。計算問題も含まれているが、難しい計算問題はない。今年度の試験時間は45分、問題量がやや多いが、十分な時間は用意されている。慌てる必要は全くないので、落ち着いて取り組んで欲しい。各分野の学習法は次の通り。

<分野毎の学習法>

生物分野 本年度は植物の分類およびカニを中心とした動物について、幅広い知識を問う問題が出題された。近年では、森林内の植物、人や動物のからだの働き、消化酵素について、四季の生物、食物連鎖、植物の光合成、植物のつくり、林の中の生物等について出題されている。この分野の学習法としては、人のからだの働き、植物の分類・つくり・はたらき、昆虫や動物に関する基本知識を確実に覚えることが第一である。特に、植物に関しては出題される可能性が高いので、しっかり知識を固めて欲しい。また、人のだ液のはたらき、光合成などの植物のはたらき等については、それを確認するための実験の進め方についても、覚えておきたい。

地学分野 本年度は火山と岩石について出題された。富士山についての時事的な問題も含まれていた。近年では、台風や大気圧など気象についての出題がやや多く、月の見え方など天体について、地層について、川の流れの働きについてなどの出題も見られた。この分野の学習としては、気象・地層・岩石・地震と火山そして天体に関する基本知識を確実に固めることが第一である。月の満ち欠け・星の動きなどに関してはその理屈を理解した上で確実に定着させておきたい。火山や地震については、主な火山の場所や近年起こった地震など時事的な内容も含めて学習しておきたい。気象に関しては、日本の四季の天気の特徴・低気圧と高気圧・台風・大雨・フェーン現象などに関して理解をしておきたい。時事的な内容を含む出題もあり得るので、入試前に対策をして頂きたい。

物理分野 本年はふりこの運動についての出題であった。ここ何年かを見ても、棒のつりあい・ばねの伸び・浮力・物の運動など力のつり合いに関する出題が多く、電気回路、光の性質(凸レンズによる像など)、音などについての出題もみられた。この分野の学習法として、まずは最も出題される可能性の高い力のつり合いに関してしっかり演習を行って欲しい。ばね、てこ、滑車、輪軸、浮力、振り子などについて、塾のテキストや問題集を使って計算問題の練習に時間をかけて欲しい。電気回路、電磁石、電熱線による発熱、光や音についても学習しておきたい。

化学分野 今年度は燃焼についての出題であった。近年でも燃焼についての出題があり、それ以外では、水溶液の性質と中和反応、気体の性質、気体の発生、ものの三態変化、溶解度、中和などについて出題されている。気体の性質や水溶液に関する出題が多い。この分野の学習法としては、まず、水溶液の性質、気体の性質、ろうそくの燃焼、指示薬の色の変化などの基本知識をしっかりと固めて頂きたい。さらに、溶解度、中和、金属と水溶液の反応、燃焼などに関しては、計算問題の練習をしっかり行って欲しい。

模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して頂きたい

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2024年度「鎌倉女学院中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は4、小問数は30程度で100点満点、試験時間は45分で、例年通りであった。適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心で記述問題はなかった。リード文や図・表に示されたデータを読み取った上で、設問に答える形式が中心になっている。問題数がやや多いが、試験時間45分あるので、慌てることなく問題文やデータの読み取りに時間をかけて欲しい。

【大問1】 生物 植物の分類・カニについて

  • 難度:標準
  • 時間配分:11分
  • ★必答問題

問1 受粉すると花粉から「花粉管」が伸び、胚珠に届くと受精する。胚珠は「種子」に、子房は「果実」になる。

問2 双子葉類の特徴についての選択問題。葉の葉脈は網静脈、根は主根から側根が伸び、茎の断面を見ると、形成層に沿って維管束が輪のように並んでいる。
 
問3 バラ科・アブラナ科・マメ科の植物の花は離弁花。選択肢の中ではダイコンがアブラナ科なので離弁花。

問4 アブラナ・トウモロコシが被子植物。イチョウとマツは裸子植物、スギゴケは種子ではなく胞子で増える。
 
問5 マツの花粉は風で運ばれる。

問6 カニは無セキツイ動物で節足動物。選択肢の中では、ミジンコも節足動物に分類される。

問7 魚類のサケ、両生類でカエルの幼生であるオタマジャクシも、カニ同様にエラで呼吸をする。

問8 赤血球の中の色素は「ヘモグロビン」。

前半は植物の分類について、後半はカニを中心とした動物についての出題。いずれも知識問題で、正確な知識が身についているかどうかが問われる内容。

【大問2】 物理 ふりこの運動

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

問1 ふりこの長さが長くなると、周期も長くなる。おもりの重さ、持ち上げた角度は周期に影響しない。

問2 最下点からの高さが最も高い位置まで持ち上げたものが、最下点での速さが最も速い。問題の実験では、持ち上げた角度が20度で糸の長さが100㎝のものが最も速くなる。

問3 選択肢の中では、メトロノームがふりこの原理を利用したものである。

問4 落とした高さと同じ高さまで上がる。

問5 ふりこの長さが長い右側の方が大きくなる。

問6 左半分は糸の長さが100㎝、右側が50㎝になるので、20×1/2+14×1/2より、17秒となる。

ふりこの運動についての出題。問題としては、表を読み取って考える内容になっているが、知識があれば解答可能なものが中心。問6の計算問題も問題集等で扱われている典型題と言える。

 

【大問3】 地学 火山と岩石

  • 難度:標準
  • 時間配分:11分

問1 安山岩などの火山岩は、マグマが地表付近で急に冷えてできる。
 
問2 (1)関東平野に広がる火山灰の層を「関東ローム層」という。
    (2)火山灰は流水の働きを受けていないので、角ばった粒が多い。

問3 玄武岩も火山岩で、安山岩と比べて黒っぽい色をしている。

問4 (1)富士山のような形状をしている火山を成層火山と呼ぶ。
    (2)富士山と同じ成層火山に該当するのは桜島。

問5 軽石などに開いている小さな穴は、火山ガスが抜け出たときにできたもの。

問6 時事問題。富士山を世界自然遺産として推薦することをあきらめた理由の選択問題。ごみの多さによる景観劣化などが理由。

火山と岩石に関する出題。やや細かい知識や時事的な内容を含む設問も含まれている。

【大問4】 化学 燃焼

  • 難度:標準
  • 時間配分:11分

問1 ろうそくは熱で固体から液体になり、芯を伝わって上がったときに気体になったろうが燃焼している。

問2 暖められた空気は上昇する。ビンの下から入った空気が上から出ていく流れになる。

問3 発火点は物質によって異なる。

問4 (1)(2)ものは酸素と結びついて燃焼する。酸素が減少したことが、火が消えた理由である。ろうの成分は水素と炭素なので、ろうが燃えると炭素と酸素が結びつき、二酸化炭素が発生する。
    (3)酸素が21%なのは空気と同じ状態、酸素が50%あるとろうそくは激しく燃え、酸素が5%では酸素が少なすぎ、ろうそくはすぐに消える。

問5 空気中の窒素と酸素の比は、4×7:1×8=7:2。問題文より、酸素の重さは0.32gなので、空気の重さは、0.32÷2×(2+7)より、1.44g。
 
燃焼についての出題。ろうそく等の燃焼についての基本知識問題が中心。計算問題もあるが、問題に書かれてある内容が理解できれば、計算は平易なものである。

攻略のポイント

本校理科の問題は、塾のテキストや問題集等で学習していれば正答できる基本~標準レベルの問題が中心である。出題形式としては、リード文や図等を見ながら解き進めるタイプの問題が中心となっている。本校の攻略のポイントとしては、まずは苦手分野を作ることなく、基本レベルの知識を確実に身につけることがあげられる。その上で、実験・観察の結果を見ながら解くタイプの問題演習を積み重ねる必要がある。また、簡単な計算問題の練習も行って欲しい。
年度によっては時事的な知識を問う問題も見られる。本年度は富士山について、昨年は人類の月面探査についての出題が見られた。日頃からニュースや身近な自然現象などに興味を持って接していくことが求められ、直前期での時事問題対策も必須となる。

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