明治大学 政治経済学部 国語
入試対策と勉強法
明治大学 政治経済学部 国語
ここでは、明治大学の政治経済学部を目指す方に対して、国語の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。
本大学の「一般選抜」では、「学部別入学試験」「全学部統一入学試験」「大学入学共通テスト利用入学試験」という3種類の試験が実施されていますが、以下の入試傾向は、2024年度の「学部別入学試験」に準拠しています(ただし、必要に応じてそれ以外・以前の入試問題に言及している場合もあります)。
明治大学政治経済学部 国語試験の出題傾向とは
出題範囲(分野)
出題科目は「現代の国語」「言語文化」です(※漢文の独立問題は出題しない)。
「現代文」は論説文(評論文)2題が定着しています(ただし、1題が随筆の年度もあります。2024年度は2題ともに論説文(評論文))。「論説文(評論文)」は社会論、言語論、文化論、科学論、哲学論、メディア論、スポーツ論等と多種多様な内容で(2024年度は地図論と文化論)、硬質な文章が多くやや読みづらい傾向があります。
「随筆」は戦争に関連する題材が多いのが特徴的ですが、文章は比較的平易です。
「古文」は1題で、古代~近世の物語(歴史物語、軍記物語含む)、日記、随筆、説話といった題材(和歌も含まれる)で、著名な作品が多くなっています(2024年度は歴史物語)。近世の文章に就いては中世以前とは単語の意味や文法が異なる場合もあるので注意を要します。それらを題材として、文法から内容解釈までの総合的読解力、そして、文学史や歴史的背景を含めた古典常識も問われます。
2017年度より「漢字(読み・書き)問題」がひとつの問として独立し(大問(四))、漢字力の養成がより重要になったので注意しましょう。
その他の「知識」は小問として扱われ、語句の意味、慣用句(表現)、四字熟語等の幅広い分野から出題されます。
出題量と時間配分
問題文の文章量は、「現代文」が2題合わせて9000~10000字強で他校と比較して多め、「古文」は1000~1500字程度です。
それに対して試験時間はわずか60分です。したがって、戦術重視でスピード勝負の側面があります。先に「古文」を15分程度で手際よくこなし、説明記述もある「現代文」は45分程度をかけて丁寧に解いていきましょう。
配点は100点/350点です。
出題形式
2017年度以降、大問4題となっています(それ以前は3題)。
大問一、二は「論説文(評論文)」が多くて、小問は8~9問が定着しています(解答数もほぼ同じ。そのうち1問が説明記述で、1~2問がその他の「記述式」)。
大問三は「古文」で、小問は9問前後です(解答数も同じ。そのうち1~2問が「記述式」)。
大問四は「漢字(読み・書き)」で、「マーク方式」の同音(訓)異字判別と読み判別になっています。
解答形式
「マーク方式」と「記述式」が混在しています。
「現代文」の「マーク方式」では傍線部内容や空所補充、内容合致、理由説明、換言説明など(組み合わせ選択肢が頻出)、「記述式」では30~50字前後以内の内容説明記述が出題されるほか、抜き出し問題(脱文挿入が必出)や漢字、慣用句、四字熟語、ことわざ等の「知識問題」などもあります。
「古文」では文法、現代語訳や内容解釈、換言説明、本文合致、和歌修辞などが、「マーク方式」と「記述式」(稀に短文の説明記述もある)で出題されます。また、文学史が必出で、古典常識としての語句の読み・書きも頻出です。
明治大学政治経済学部 国語試験を攻略するための勉強法
知識問題
本学部の漢字(読み・書き)等の知識問題はレベルとしては標準的ですが、慣用句、四字熟語、ことわざなどと幅広く出題されるので注意が必要です。特に、漢字問題が大問とした独立したので(2017年度以降)、以前にも増して習熟することが求められています。
そこで、先ずは「己が実力」を把握することが重要になります。「センター試験」の漢字問題(要は同音異字、同訓異字の判別)がひとつの目安となり、最低10年分以上の過去問をこなしてみましょう。その結果次第で、具体的な学習を進めていきます。
尚、以下のサイトは「漢字問題」だけがまとめられていて便利です。
http://www.kanjijiten.net/center/index.html
解法
「現代文」では、論説文(評論文)と随筆に特有の「解法」、そして全てに共通する「解法」。それらを体系的に理解し定着させ、応用するために肝要なのは復習の仕方になります。「考え方のプロセス」をトレースすることが必須で、特に間違った問題が肝要です。誤ってしまった分岐点をしっかりと確認することです。さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけましょう。それが「解法」となります。
尚、具体的解法に就いては本HPの別サイト「大学入試”王道現代文”」を御覧ください。
説明記述
本学部では、「論説文(評論文)」の内容説明記述が勝負の決め手となっています。
記述することに慣れることは当然として、正否の分かれ目となる最重要な要素を文末として他の必要な要素を積み上げていくという手法(積上げ方式)を完璧にマスターすることが肝要です。そして、内容から必要度の優先順位を特定し、優先度の高いものから積み上げていきます。それぞれの要素を15~20字程度でまとめられるように徹底的に練習しましょう。30~50字以内の字数指定なので、2~4つ程度の要素でまとめられるように慣れておくことが求められます。
古文
先ずは重要古文単語及び文法を徹底的に習得することが求められます。文法は直接問われますし、現代語訳では無論、単語の意味が最重要だからです。特に助動詞、助詞の意味・用法・接続、敬語は完全に習得する必要があります(直接的な出題もある)。
また、文学史が必出なので定着させておくことです。さらに、古典常識に関する語句や和歌修辞(枕詞、序詞、掛詞、縁語」等)も出題されるので、しっかりと確認しておくことが肝要です。
推奨テキスト
ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストを知識編、現代文編、過去問編、古文編に分けてご紹介します。
知識編
(1)『漢字 一問一答【完全版】』(東進ブックス)
(2)『現代文最重要語句らくらく練習帳』(学研プラス)
(3)『新版完全征服 頻出現代文重要語700 [三訂版]』(桐原書店)
(4)『現代文キーワード読解[改訂版]』(Z会出版)
前項の「大学入学共通テスト(漢字問題)」チェックで、5割未満の場合は(1)から、6割は(2)から、7割は(3)から、8割は(4)から始めるのがひとつの目安です。反復練習して完全定着させましょう。特に(4)では、「キーワード編」のみならず「頻出テーマ編」も熟読し、完全に理解することが重要です。
尚、本学部頻出の「文学史」対策としては、『SPEED攻略10日間 国語 文学史』(Z会出版)が時系列も理解でき、コンパクトにまとめられているので覚えやすいです。
現代文編
(1)『システム現代文 バイブル編(改訂新版)』(水王舎)
「解法」って何? といった皆さんにお薦めの入門書です。根本を徹底的に解説しており、マスターすれば「解法」は一通り理解できます。
(2)『現代文 解法の新技術』(桐原書店)
中級レベルです。
あらゆる問題形式に対応した「解法」を明示しています。中堅から難関私大へのステップアップ段階の一冊です。
(3)『入試現代文へのアクセス 完成編』(河合出版)
中~上級レベルです。
「読解へのアクセス」で問題点を喚起し、「選択肢設問」の「消去の根拠」も明記されており、「解法理解度」を自己確認できます。自らの実力を把握することで、明治合格に自信が持てる一冊です。
(4)『[記述編]現代文のトレーニング(改訂版)』(Z会出版)
上級レベルです。
頻出テーマに沿った問題構成で「完成度」を自己採点で把握可能です。本学部の「説明記述」をクリアする一冊です。
過去問編
『明治大学政治経済学部』
実践レベルです。しっかりと解いて、「解法」をトレースすることが重要です。
古文編
(1)『読んで見て聞いて覚える――重要古文単語315(四訂版)』
(2)『新版完全征服 合格古文単語380 改訂版』(ともに桐原書店)
前者を反復して完全定着させた上で、後者を数回丁寧に通読しましょう。それで「語彙」はほぼ心配ありません。
(3)『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル(四訂版)』(河合出版)
「文法」の基本が分かりやすくまとめられています。「例文」は「品詞分解」し「現代語訳」も必ずこなしましょう。
(4)『大学入試 全レベル問題集 古文4私大上位・私大最難関・国公立大レベル 改訂版』(旺文社)
最難関私大などの良問15題を収録し、わかりやすく解説しています。古文の5つのジャンル別対策が掴める「古文ジャンル解説」、重要な文法と語句を併記した「現代語訳」、全ての問題に通じる最強の「読解ルール」等で、「古文」の「読解」に自信が持てる一冊です。
(5)『速読古文常識』(Z会出版)
「古典常識」習得用です。約300語を収録しており、実戦的トレーニング文章の中で効率的に定着可能です。センター試験から難関私大まで対応しています。
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