中央大学 商学部 国語(学部別選抜B)
入試対策と勉強法
中央大学 商学部 国語(学部別選抜B)
ここでは、中央大学の商学部を目指す方に対して、国語の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。
本大学の「一般選抜」では、「5学部共通選抜」(法学部・経済学部・商学部・文学部・総合政策学部)/「学部別選抜(一般方式・英語外部試験利用方式・大学入学共通テスト併用方式)」/「大学入学共通テスト利用選抜(単独方式)」という5種類の試験が実施されていますが、以下の「入試傾向」は、2024年度の「商学部・学部別選抜B(一般方式)」の「国語」に準拠しています(ただし、必要に応じてそれ以外・以前の入試問題に言及している場合もあります)。
中央大学商学部 国語試験(学部別選抜B)の出題傾向とは
出題範囲(分野)
「出題科目」は、「現代の国語」「言語文化」(漢文を除く)。
「現代文」は2題で「論説文(評論文)」が多いが、ときおり「随筆」が出題されることもあります。文章内容は「哲学論」「社会論」「言語論」「文明論」「感覚論」、「文化人類学論」「芸術論」「デザイン論」等と多様ですが、硬質な文章はあまりなく比較的読みやすいものが多いです(24年度は「文化論」と「哲学論」)。「知識」は小問として扱われ、「漢字の読み・書き」などが出題されます。
「古文」は1題で、主に古代~近世の「物語」(「歌物語」含む)、「随筆」、「歴史物語」、「日記」といった題材(「和歌」も含まれる)が多く、近年は特に「説話」が頻出している。さらに、明治初期の「和文教科書」といった出題もあります(24年度は平安時代末期の説話集である「今昔物語集」)。「文語文法」から「内容解釈」までの総合的読解力、そして、「文学史」や「歴史的背景」を含めた「古典常識」も問われます。尚、「語句の意味」は必出です。
出題量と時間配分
問題文の文章量は、「現代文」が2題合わせて8000~10000字程度で他校と比較してやや長めです(24年度は約9200字)、「古文」は500~1000字程度です(24年度は約800字)。試験時間は60分。解答数が多いので、「正確さ」と同時に「スピード」も求められます。先に「古文」を15分強で手際よくこなし、「現代文」は45分弱をかけてしっかりと解いていきましょう。配点は100点/350点。
出題形式
大問3題が完全に定着しています。
「大問一」は「論説文(評論文)」(あるいは「随筆」)で、「小問」は6~8問程度、解答数は15前後です(24年度は8問で11、そのうち5つが「記述方式」)。
「大問二」も「論説文(評論文)」(あるいは「随筆」)で、「小問」は4~7問程度、解答数は10前後です(24年度は4問で4、全てが「マーク方式」)。
「大問三」は「古文」で、「小問」は4~7問程度、解答数は10前後です(24年度は6問で9、全てが「マーク方式」)。
解答形式
「マーク方式」と「記述方式」の併用型です。
「現代文」の「マーク方式」では「本文内容(非)合致判別」「空所補充語句判別」「内容・理由説明正誤判別」「換言説明正誤判別」「脱文挿入箇所判別」など、「記述方式」では「漢字の読み・書き」が必出で(「書きとり」全3問が定番)で、他には「抜き出し問題」(「空所補充」「換言説明」等)などがほとんどですが、稀に「四字熟語」「慣用句」「故事成語」等の「知識問題」などもあります。
「古文」では「文語文法」「単語の意味」「現代語訳」の他、「内容解釈」「換言説明」「主語特定」「本文合致」「和歌修辞法」などが、主に「マーク方式」で出題されます。また、「文学史」「古典常識」も頻出です。
本大学全ての特徴でもある「択一式の本文内容(非)合致判別問題」ですが、特に本学部・学科では「古文」も含め全大問でほぼ必出となっています(24年度の「古文」では未出)。
尚、「現代文」「古文」ともに、いわゆる「説明記述」は基本的に出題されません。
中央大学商学部 国語試験を攻略するための勉強法
知識
本学部の「漢字(読み・書き)」等の「知識問題」は、標準的難易度です。だからこそ、誤答は致命的になるので注意が必要で、「高度な語彙力」が求められています。
そこで、先ずは「己が実力」を把握することが重要です。「共通テスト(センター試験)」の「漢字問題」(要は「同音異字」「同訓異字」の判別)が「基礎的語彙力」のひとつの目安になるので、最低10年分以上の過去問をこなしてみましょう。その結果次第で、具体的な学習を進めていきます。
尚、以下のサイトは「漢字問題」だけがまとめられていて便利です。
http://www.kanjijiten.net/center/index.html
「現代文」解法①
「論説文(評論文)」「随筆」に特有の「解法」、そして全てに共通する「解法」を理解し定着させ、応用するために重要なのは「復習」の仕方です。「考え方のプロセス」を「トレース」することが必須で、特に「間違った問題」が肝要になります。誤ってしまった「分岐点」をしっかりと確認しておくことが重要で、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけましょう。それが「解法」となります。
尚、「具体的解法」に就いては本HPの別サイト「大学入試”王道現代文”」を御覧下さい。
「現代文」解法②
本学部の「現代文」で注意を要するのは、判別しづらい「本文内容(非)合致判別問題」です(「合致」は「A」、「非合致」は「B」という「択一式」の解答形式にも注意)。
「論説文(評論文)」がほとんどなので「論旨合致」と捉え、基本的には「序論部」と「結論部」の趣旨と照合すればいいわけです。したがって、そうした「選択肢消去」のテクニックを習熟するように練習を重ねることが重要になります。
また、一般的な「選択肢設問」対策としても、「選択肢消去の仕方」を習得しておきましょう。
「換言説明」であれば傍線部の「原意」(要は本来の意味)にこだわった「原意消去」、「理由説明」であれば「直接的理由」として結びつくかどうかによる「消去」などを常に意識することが肝要です。
さらに、「空所補充」では「代入確認」を絶対に忘れないように練習を重ねましょう。
「現代文」解法③
近年は未出ですが、今後復活するかも知れないので、「抜き出し問題」の対策もしておきましょう。基本練習を徹底させることが重要です。最初に抜き出すべき「内容」を的確に把握した上で、「抜き出し範囲」を絞り込みます(「論説文(評論文)」では原則的に「同一意味段落」、「随筆」は「同一場面」)。そして、「条件」に合致する「抜き出し候補」を探していきます(「候補」はひとつとは限らないので要注意)。「空所補充」では「代入確認」を忘れないことが肝要です(「内容」だけではなく「文脈」等も適合させる)。こうした練習を積み重ねましょう。
古文
先ずは「重要古文単語」および「文法」を徹底的に習得する必要があります。「現代語訳」をする上での最重要ポイントであるし、「文法」や「単語の意味」は直接問われることもあります。特に「助動詞」「助詞」の「意味・用法・接続」は完全に定着させることが必須です。また、「敬語」も頻出なので習得が必要です。さらに、「文学史」も含めた「古典常識」や「和歌修辞法」も出題されるので、しっかりと確認しておくことが求められます。
推奨テキスト
*テキストには相性があります。できれば書店で手にとって確かめてから選びましょう。
知識編
①『漢字 一問一答【完全版】』(東進ブックス)→②『現代文最重要語句らくらく練習帳』(学研プラス)→③『新版完全征服 頻出現代文重要語700 [三訂版]』(桐原書店)→④『現代文キーワード読解[改訂版]』(Z会出版)。
前項の「大学入学共通テスト(漢字問題)」チェックで、5割未満の場合は①から、6割は②から、7割は③から、8割は④から始めるのがひとつの目安です。反復練習して完全定着させましょう。特に④では、「キーワード編」のみならず「頻出テーマ編」も熟読し、完全に理解することが重要です。
尚、「文学史」「古典常識」等に就いては、学校配布の「国語便覧」を活用しましょう。
現代文編
(1)『システム現代文 バイブル編(改訂新版)』(水王舎)
…初級レベル。「解法」って何? といった諸君にお薦めの入門書。根本を徹底的に解説しており、マスターすれば「解法」は一通り理解できます。
(2)『マーク式基礎問題集 現代文(河合塾シリーズ)〈九訂版〉』(河合出版)
…初~中級レベル。「正解の根拠」を明確にした詳細な「解説」に定評があり、「入試現代文」の「マーク方式問題」への突破口を開く一冊です。
(3)『現代文 解法の新技術(大学受験スーパーゼミ徹底攻略)』(桐原書店)
…中級レベル。あらゆる問題形式に対応した「解法」を明示しています。中堅からGMARCHへのステップアップ段階の一冊です。
(4)『入試現代文へのアクセス 完成編(河合塾シリーズ)』(河合出版)
…中~上級レベル。「読解へのアクセス」で問題点を喚起し、「選択肢設問」の「消去の根拠」も明記されており、「解法理解度」を自己確認できます。自らの実力を把握することで、中大合格に自信が持てる一冊です。
(5)『現代文読解力の開発講座(駿台受験シリーズ)(新装版)』(駿台文庫)
…上級レベル。「読解力」と「解答の論理力」を講義形式の解説で養成しています。文章を客観的に捉える術が習得でき、中大商学部B合格を確実にする一冊です。
古文編
(1)『読んで見て聞いて覚える――重要古文単語315(四訂版)』、『新版完全征服 合格古文単語380 改訂版』(ともに桐原書店)
=前者を反復して完全定着させた上で、後者を数回丁寧に通読しましょう。それで「語彙」はほぼ心配ありません。
(2)『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル(四訂版)』(河合出版)
=「文法」の基本が分かりやすくまとめられています。「例文」は「品詞分解」し「現代語訳」も必ずこなしましょう。
(3)『大学入試 全レベル問題集 古文4私大上位・私大最難関・国公立大レベル 改訂版』(旺文社)
=最難関私大などの良問15題を収録し、わかりやすく解説しています。古文の5つのジャンル別対策が掴める「古文ジャンル解説」、重要な文法と語句を併記した「現代語訳」、全ての問題に通じる最強の「読解ルール」等で、「古文」の「読解」に自信が持てる一冊です。
(4)『首都圏「難関」私大古文演習(河合塾シリーズ)』(河合出版)
=「本文」と「本文解釈」を上下に併記し、「主語特定」「品詞分解」「背景知識」等の説明があり、応用力が確実に涵養できる一冊です。
(5)『速読古文常識』(Z会出版)
=「古典常識」習得用。約300語を収録しており、実戦的トレーニング文章の中で効率的に定着可能です。センター試験から難関私大まで対応しています。
過去問対策編
『中央大学商学部(学部別選抜B・一般方式)』
=実践レベル。10年分以上をしっかりと解いて、「解法」をトレースすることが重要です。
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