関西学院大学 共通問題 国語共通問題②
入試対策と勉強法
関西学院大学 共通問題 国語共通問題②
ここでは、関西学院大学の神学部・社会学部・経済学部(文系)・国際学部・教育学部を目指す方に対して、国語の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。
本大学の「一般入試」の「文系」は「全学部日程」(2回)・「学部個別日程」(学部によって1~2回)・「共通テスト併用日程」(2方式)・「英語・数学型日程」、「理系」では「全学部日程」(2回)・「共通テスト併用日程」(数学型)・「英語・数学型日程」があります。「学部個別日程」には「3科目」(「英語」・「国語」+「地理」「歴史」「数学」のいずれか1科目選択)と「英語・国語型」(「人間福祉学部」のみ)があります。日程・受験科目ともに多様な入試パターンが用意されています(最大受験回数は4~5回)。受験生にとっては有難い限りですが、複雑でもあるので、しっかりと情報を確認しましょう。尚、本稿では、「神学部」「社会学部」「経済学部」「国際学部」「教育学部」の「学部個別日程[2/4]」の「国語」に準拠しています(ただし、必要に応じてそれ以外・以前の入試問題に言及している場合もあります)。
関西学院大学 神学部・社会学部・経済学部(文系)・国際学部・教育学部 国語試験の出題傾向とは
出題範囲(分野)
「試験教科・科目」は、「現代の国語」「言語文化」「論理国語」「文学国語」「古典探究」(いずれも「漢文」を除く)。
「現代文」は「論説文(評論文)」が1題(ただし、「随筆」の年度も稀にあります。直近では2020年度)。2010年度以降出題された文章内容は、「芸術論」「言語論」、「文学論」「哲学論」「知覚論」「教養論」等と多種多様だが、さほど難解な文章はなく、比較的読み易いものが多いようです。2024年度は「民主主義論」で秦正樹「陰謀論――民主主義を揺るがすメカニズム」。「知識」は「小問」扱い。「漢字の読み書き」は必出で、他に「四字熟語」「慣用句」「慣用表現」「語句の意味」や「文学史」等の「総合的知識問題」も出題されます。24年度は「漢字の書きとり」と「語句の意味判別」および「文学史」。
「古文」も1題。主に古代~近世の「物語」(「歴史物語」「擬古物語」など含む)、「日記」、「説話」「随筆」「歴史書」「御伽(おとぎ)草子」等の題材(「和歌」も含まれる)が出題されています。24年度は江戸時代成立の「俳文集」で横井也有「鶉衣」。「内容解釈」や「現代語訳」、「文語文法」「古典常識」「文学史」などが問われます。
出題量と時間配分
問題文の文章量は、「現代文」が3000~4000字程度で他の私大上位校と比較して少なめです(24年度は約3600字)。「古文」は1200~1800字程度で、他校と比べてやや多めです(24年度は約1300字)。
試験時間は75分。私大上位校の中では長い部類で比較的余裕があるはずです。「総合的知識問題」を中心に多彩な小問が並ぶ「現代文」を40分ほどで確実に解いて、多種多様な「事項」が問われる「古文」は35分程度でこなしましょう。
出題形式
2010年度以降、以下の出題形式が定着しています。
「大問」は2題です。
「大問一」は基本的に「論説文(評論文)」。ただし、「小説」や「随筆」の場合もある(直近では20年度が「随筆」)。「小問」が10~20問ほどで、解答数は15~20程度です(24年度は12問で15)。
「大問二」は「古文」。「小問」は12~15問ほどで、解答数は15~20程度です(24年度は11問で15)。
解答形式
2010年度以降、以下の解答形式が定着しています(24年度も同様)。
「マーク方式」と「記述方式」の併用型です。
本学部の「学部個別日程[2/4]」の特徴は、「現代文」における「総合的知識問題」の多さです(24年度は解答数15のうち7)。さまざまなバリエーションの「漢字問題」をはじめ、多種多様な「語彙の知識」、「文学史」などの「国語常識」等が問われます。
「現代文」の「マーク方式」では、「内容説明判別」「理由説明判別」「換言説明判別」「本文内容合致判別」「脱文挿入」などと、「漢字の同音(訓)異字判別」「語句の意味判別」、「四字熟語」「故事成語」「慣用句」「慣用表現」等の「漢字・意味判別」、「文学史」などといった「総合的知識問題」等、「記述方式」では、「抜き出し」が必出の他、「漢字の読み書き」、「語句記述」などの出題があります。
「古文」の「マーク方式」では、「内容解釈判別」「本文内容合致判別」「主語判別」、「語句の読み・書き・意味判別」「文語文法判別」「敬意の向き判別」、「文学史等の古典常識判別」など、「記述方式」では、「現代語訳」が必出、他に「語句記述」、「抜き出し」などが出題されます。
関西学院大学 神学部・社会学部・経済学部(文系)・国際学部・教育学部 国語試験を攻略するための勉強法
知識
本日程の「総合的知識問題」は設問数が多いだけではなく、難易度も高くてなかなか一筋縄ではいきません。たとえば、24年度の「問3」⇒①「敷衍」の「意味判別」、また、「問8」⇒「インセンティブ」の「換言判別」(「正答」は本稿末に記載)など。したがって、万全の準備が必要になります。そこで、先ずは「己が実力」を把握することが重要、「共通テスト(センター試験)」の「漢字問題」(要は「同音異字」「同訓異字」の判別)が「基礎的語彙力」のひとつの目安になります。最低10年分以上の過去問をこなしてみましょう。その結果次第で、具体的な学習を進めていきます。
尚、以下のサイトは「漢字問題」だけがまとめられていて便利です。http://www.kanjijiten.net/center/index.html
「現代文」解法①
「論説文(評論文)」(あるいは「小説」「随筆」)に特有の「解法」、そして全てに共通する「解法」を理解し定着させ、応用するために重要なのは「復習」の仕方です。「考え方のプロセス」を「トレース」することが必須で、特に「間違った問題」が肝要になります。誤ってしまった「分岐点」をしっかりと確認しておくことが重要で、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけましょう。それが「解法」となります。 尚、具体的解法については本HPの別ページ「大学入試”王道現代文”」をご覧ください。
「現代文」解法②
本日程の「現代文」で特に注意したいのが必出の「抜き出し問題」です。多様な「内容」が問われますが、とにかく基本練習を徹底させましょう。先ずは「抜き出すべき内容」を設問等から的確に把握した上で、「抜き出し範囲」を絞り込みます(原則的に「論説文」では「同一意味段落」)。そして、「条件」に合致する「抜き出し候補」を探す(「候補」はひとつとは限らないので要注意)。こうした練習を積み重ねることが肝要です。無論、「一文」や「部分」等の「抜き出し条件」は厳守することが必須です。
「現代文」解法③
もちろん、「選択肢設問」対策も重要です。「選択肢消去の仕方」を習得しておきましょう。「換言説明」であれば傍線部の「原意」(要は本来の意味)にこだわった「原意消去」、「理由説明」であれば「直接的理由」として結びつくかどうかによる「消去」などを常に意識することが肝要です。さらに、「空所補充」では「代入確認」を絶対に忘れないように練習を重ねましょう。また、頻出の「脱文挿入箇所判別」、「脱文」中の「指示語」「接続詞」等に着目して候補を絞る学習をすることが肝要です。その際、候補前後との内容的繋がりに細心の注意を払う必要があります。
古文
先ずは「重要古文単語」および「文法」を徹底的に習得する必要があります。「現代語訳」をする上での最重要ポイントであり、「文法」や「単語の意味」は直接問われます(頻出)。特に「助動詞」「助詞」の「意味・用法・接続」は完全に定着させることが肝要です。そのためにも「品詞分解」は徹底的に練習する必要があります(直接的な出題もある)。また、「敬語」も頻出なので習得が必要です。さらに、「文学史」はほぼ必出で「和歌修辞法」も含めた「古典常識」も問われので、それらの事項もしっかりと確認しておきましょう。尚、「古文」での「説明記述」もあるので、十分に練習しておくことが肝要です。
推奨テキスト
ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストを知識対策編、現代文対策編、古文対策編に分けてご紹介します。
[知識対策編]
①『漢字 一問一答【完全版】』(東進ブックス)→②『現代文最重要語句らくらく練習帳』(学研プラス)→③『新版完全征服 頻出現代文重要語700 [三訂版]』(桐原書店)→④『現代文キーワード読解[改訂版]』(Z会出版)。
前項の「大学入学共通テスト(漢字問題)」チェックで、5割未満の場合は①から、6割は②から、7割は③から、8割は④から始めるのがひとつの目安です。反復練習して完全定着させましょう。特に④では、「キーワード編」のみならず「頻出テーマ編」も熟読し、完全に理解することが重要です。
尚、「文学史」対策としては、『SPEED攻略10日間 国語 文学史』(Z会出版)が時系列も理解でき、コンパクトにまとめられていてオススメです。
[現代文対策篇]
①『システム現代文 バイブル編(改訂新版)』(水王舎)
…初級レベル。「解法」って何? といった諸君にお薦めの入門書。根本を徹底的に解説しており、マスターすれば「解法」は一通り理解できます。
②『マーク式基礎問題集 現代文(河合塾シリーズ)〈九訂版〉』(河合出版)
…初~中級レベル。「正解の根拠」を明確にした詳細な「解説」に定評があり、「入試現代文」の「マーク方式問題」への突破口を開く一冊です。
③『現代文 解法の新技術(大学受験スーパーゼミ徹底攻略)』(桐原書店)
…中級レベル。あらゆる問題形式に対応した「解法」を明示しています。中堅から関関同立へのステップアップ段階の一冊です。
④『入試現代文へのアクセス 完成編(河合塾シリーズ)』(河合出版)
…中~上級レベル。「読解へのアクセス」で問題点を喚起し、「選択肢設問」の「消去の根拠」も明記されており、「解法理解度」を自己確認できます。自らの実力を把握することで、関学大合格に自信が持てる一冊です。
⑤『現代文読解力の開発講座(駿台受験シリーズ)(新装版)』(駿台文庫)
…上級レベル。「読解力」と「解答の論理力」を講義形式の解説で養成しています。文章を客観的に捉える術が習得でき、関学大「学部個別日程[2/4]」合格を確実にする一冊です。
[古文対策編]
①『重要古文単語315(三訂版)』『標準古文単語650(三訂版)』(ともに桐原書店)
…前者を反復して完全定着させた上で、後者を数回丁寧に通読しましょう。それで古文の「語彙」はほぼ心配ありません。
②『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル(三訂版)』(河合出版)
…「文法」の基本が分かりやすくまとめられています。「例文」は「品詞分解」し「現代語訳」も必ずこなしましょう。
③『大学入試 全レベル問題集 古文 4 私大上位・私大最難関・国公立大レベル 新装版』(旺文社)
…最難関私大などの良問14題を収録し、分かりやすく解説している。古文の5つのジャンル別対策が掴める「古文ジャンル解説」、重要な文法と語句を併記した「現代語訳」、全ての問題に通じる最強の「読解ルール」で、「古文」の「読解」に自信が持てる一冊です。
④『速読古文常識』(Z会出版)
…「古典常識」習得用。必修300語を収録しており、実戦的トレーニング文章の文脈で効率的に定着可能。共通テストから難関私大まで対応しています。
尚、「和歌修辞法」等に就いては、学校配布の「国語便覧」も活用しましょう。
[過去問対策編]
『関西学院大学(学部個別日程[2/4])』
=実践レベル。10年分以上をしっかりと解いて、「解法」をトレースすることが重要です。
※「攻略のための学習法[知識]」での「知識問題」の正答
「問3」⇒④「敷衍」=選択肢(ロ)の「意味や趣旨をおし広げて説明すること」⇒「ふえん」という「読み」も定着させなくてはなりません。
「問8」⇒「インセンティブ」=選択肢(ハ)の「動機」⇒「モチベーション」と混同しないこと⇒「インセンティブ」は「外部から与えられる刺激」で、「モチベーション」は「自分の内面から自発的に生じる意欲」のことだ。
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