医大・医学部受験プロ家庭教師 北里大学 物理の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

北里大学 物理
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)

2024年度は総合問題、力学、電磁気の大問形式でした。2023年は総合問題、熱力学、電磁気、2020年は総合問題、力学、熱力学の出題でした。総合問題はモーメント、音、光の干渉が多く、波動、熱、電磁気からの幅広い出題となっています。原子物理を除いているので範囲が絞れますが、幅広い知識や理解を試す問題となっています。現役生にとって高校3年の秋から学習する原子物理が含まれないことを考えると、現役生にとっても不利でないのが特徴です。

出題量と時間配分

2024年も理科2科目100分で例年と変化がありません。実質的な設問の数は30問程度であり、1問当たり約2分です。たくさんある選択肢の中から選ぶため答えの検討をつけて解答しないと時間がかかります。多くの受験生は時間ギリギリで解くため時間的には厳しいかもしれません。分数で答えたり、有効数字3桁で数値を入れる計算問題もあります。日ごろから時間内に計算する練習も大切です。

出題形式

大問3題は毎年変わらず、2024年度では総合問題、力学(小物体の衝突)、電磁気(コンデンサー)の出題です。第1問が5題からなる小問集合、他の大問は同じテーマの大問で各7題くらいの設問です。2021年、22年、24年とコンデンサーの出題に対して、23年では誘導起電力の出題でした。電磁気はコンデンサーを中心に学習するといいでしょう。また、問題ごとに図が書いているのでイメージしやすいです

解答形式

2024年度も全問マーク式であり、ここ7年間変化がありません。各小問または大問からの文章から空欄補充を求める問題で、解答群から選択肢から選ぶ問題となっています。しかし、共通試験と違うのは、選択肢が最高で18個まであることで、消去法で絞り込むには時間がかかります。最低でも14個の選択肢があるため、一度自分で計算してから選択肢を選ぶようにしなくてはなりません。また、選択肢で+や-と有効数字で数字を記入する問題もあるので注意が必要です。

攻略のポイント

例年受験者の人気が高い大学でもあります。まずは典型問題を解く練習をすることが重要です。時間内に解けないわけではありませんが、マーク試験という意識を持たないでしっかりと答を自分で導きださないと最後まで終わらないでしょう。回答の選択肢が多いため、わからなければ適当に選べばなんとかなるとはいかないようです。

まずは、基礎事項の確認が必要です。『セミナー物理基礎+物理』(第一学習社)などの学校の副教材を用いて、公式をどのように使っていけばいいのかを反復学習しましょう。その後は、典型問題の解法がすぐに出てくるようになるまで、何度でも繰り返し問題を解いていきましょう。問題演習で解けなかった問題や、時間がかかってしまった問題があった場合、解説を読んで理解したつもりになることを避けるため、少し時間を置いてから必ず自分の手を動かして解いてみましょう。また、問題文中のどの用語などが公式にどのように繋がるのかを整理しなければなりません

本学は難問が出題されることはありませんので、一つの問題集を終わったら同じレベルの問題を解くべきです。可能な限り、一つの問題集だけでなく同じレベルの典型問題集を解き切り、典型パターンをこなしておきましょう

過去問演習は、似たような問題が繰り返し出題されることもあります(例えば、2024年度では2022年度、2019年度と同じコンデンサーと直流回路が出題されている)。また、数値計算の問題は受験問題集ではあまりないため、本学の過去問を利用するか、『セミナー物理基礎+物理』(第一学習社)、『リードα物理基礎+物理』(数研出版)などで練習しましょう。数値計算の際には、初めから数字で計算していくよりも、求めたいものを文字で表し、最後に代入する方式で解く方が無難です。『スタディサプリ』(リクルート)などの動画視聴も図などのイメージがつかめてよいでしょう。動画は紙面からではわかりにくい部分を音声や図で理解できます。

推奨テキスト

(1)『物理のエッセンス』(河合出版)

例題を解きながら、公式の使い方を学習していける参考書です。本書の例題や演習問題は、まさに反射神経で解きたい問題なので、すぐに解法が出てくるまで繰り返しましょう。問題集を解き進めていて詰まった際には、本書を参照すると理解が進むかもしれません。

(2)『新・物理入門問題演習<改訂版> (駿台受験シリーズ)』(駿台文庫)

物理の中級から上級レベルの実戦演習がある問題集です。問題数は多くありませんが、有名問題があるため重要な問題演習の確認にはよいでしょう。解法がすぐにでてこなければならない問題演習にはチェックをいれて何回も解くことが必要です。

(3)『物理(物理基礎・物理)基礎問題精講』(旺文社)

『良問の風』(河合出版)と大体同レベルの問題集です。問題数は多くないので、『良問の風』(河合出版)とセットでこなして、典型問題の練習をしていくとよいでしょう。

(4)『セミナー物理基礎+物理』(第一学習社)

基本から標準まで幅広く扱われています。本学を目指すなら、少し過剰にはなりますが、発展問題までを完璧にします。総合問題は解かなくてよいでしょう。解説はそれほど親切ではありませんので、上述の『物理のエッセンス』(河合出版)と並行してこなしてもよいでしょう。また、“基本問題”と“発展問題”の合間に『良問の風』(河合出版)を挟んでも良いかもしれません。問題数が多いので、全部やり切ることが時間的に困難な場合は、出題が多い力学と電磁気を優先して解くとよいでしょう。

(5)『医学部の物理[物理基礎・物理]』(旺文社)

医学部入試物理に対応しています。 駿台予備学校講師の著書です。医学部志願者に向けて医学部の入試問題を分析し、物理特有の考え方や重点を解説しています。基本的な知識をもとにスピード力をつけるための問題と、考えて解く問題とに分けています。

別冊解答解説は、考え方の要点をわかりやすく解説しています。医学部受験として満足度が高いものとなっています。

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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