北里大学 英語
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
近年は大問数にやや変動があり(5~7題)、年度によって異なる形式の問題が出題されることありますが、長文読解問題、対話文読解問題、文法・語法・イディオムの空所補充、語句整序が中心の出題となっているのは変わっていません。長文読解問題は、医療系・自然科学系のテーマが素材となっていますが、対話文の読解はやや広めの話題が出題されています。
出題量と時間配分
試験時間は70分。大問1の長文読解問題の配点が大きく、設問の英文まで含めるとかなりのボリュームがあるのでここに25~30分を確保したいところです。大問1の英文は年によって長さが異なるので現場で的確な時間調整が必要です。大問数に変動があるため、それ以外の大問ごとの時間設定は難しいですが、知識系の大問はできるだけ時間を圧縮してそれ以外に時間を回せるようにしたほうが得点率を上げられる出題となっています。
出題形式
大問1の読解問題に関しては、医系テーマを扱っていることが多いこともあり、年によっては20語近く注訳があがっていることがあります。部分的には読み取りにくい箇所もあり、また身近でないトピックは難しく感じてしまいやすい出題ですが、論理の流れを追うことさえ出来れば、設問に必要な読み取りは十分できます。空所補充や同義語選択問題を解く際には、部分的な読みだけでなく、しっかり話の流れを意識しましょう。内容一致問題の選択肢が5肢択一なためやや時間がかかることから、タイムマネジメントにも注意を払う必要があります。
解答形式
全てマークシート形式となっています。従来から最後の大問で出題されている語句整序問題は、近年は語句挿入の要素も強くなっています。また、近年は新しい形の設問・小問も出題されており、過去問では解いたことがなかった形式の大問の出題を念頭に置き、焦らずに対処しましょう。
攻略のポイント
[読解問題]
読解問題の出来が合否を左右する出題となっています。したがって、読解力向上に向けた取り組みに時間をかけたいところです。試験時が70分であることを併せて考えれば、速読能力の向上も必須となります。意味のかたまりごとに前から意味をとっていく事ができなければ時間内に設問処理まで含めて解答を終わらせることは出来ません。句・節ごとに意味をとらえ、ニュアンスの分かるものは日本語に訳さず読み進める力を身につけましょう。
一定レベル以上の英文解釈能力を身につけたら、句・節ごとにスラッシュを入れながら前から読み下すトレーニングをしましょう(スラッシュ・リーディング)。最初のうちはやや多めにスラッシュを入れることになりますが、慣れてくればそれほど入れずに前から読み下していくことができるようになります。併せて行いたいのが音読です。一度解き、しっかり復習した英文を用いて、必ず英文音読の時間を設けるようにしましょう。音読することで、強制的に前から読み下す習慣を身に付けることが出来、日本語を介在させなくとも内容が頭に入ってくるようになる英文が増えてくることになります。その際には必ず意味のかたまりごとに内容を把握する意識を持つようにしましょう。漫然と読んでいては効果は半減してしまいます。音源付きの長文問題集であれば、それを利用することでさらに効果を高めることが出来ます。
医系テーマを扱った読解問題が頻出であることから、普段の長文読解の素材として取り入れるようにしましょう。後述の問題集を是非利用していただければと思います。背景知識があると読みやすさの点で大きな差がでることがあります。
[文法・語句整序]
問われる事項は標準的なものであるため、後述のようなインプット系の問題集を一冊完成させれば完答を目指せます。最もかなり短い時間で解き切ることが要求されることになるため、高い精度で完成させなくてはなりません。語句整序に関しては、場当たり的な解き方ではなく、他動詞の性質や節の個数を意識した英文の骨組みから組み上げる手順をしっかり確立しておきましょう。
[単語・イディオム・会話表現]
長文で用いられる単語に難易度が高いものがありますが、注訳があがっているものが多いため文意を把握するために別途、医療系の単語集をやる必要はありません。オーソドックな受験用単語帳を1冊完成させれば十分です。語彙問題はやや難易度の高いものもありますが、単語集をしっかり終えていれば文意を参考にすることで正しい答えを絞れます。会話表現については、対話文読解が毎年出題されるものの、口語表現の知識を聞くというよりは内容把握を問う問題であるのであまり神経質になる必要はありません。もっとも、会話文の特殊性があるので、苦手意識があるのであれば後述の問題集をやっておくと良いでしょう。
推奨テキスト
[英文解釈]
① 基礎英文解釈の技術100(桐原書店)
英文構造の把握を身につけるための良書。この1冊を7~8割程度消化したら、あとは速読のトレーニングをすることに注力しよう。
[長文読解]
音源付きであり、出版も新しいため最新のトピックを知る上でも役に立つものをあげました。パラグラフ・リーディングの理解や設問形式ごとの解き方、英文エッセイの構成などまで説明されているテキストでもあります。いずれも問題を解くだけでなく解説までしっかり読み込みたい教材です。
(1)『The Rules英語長文問題集3』(旺文社)
(2)『英語長文ポラリス2』(KADOKAWA)
(3)『全レベル問題集:英語長文5』(旺文社)
(4)『イチから鍛える英語長文500・700』(Gakken)
(5)『英語長文PREMIUM問題集:Advanced』(東進ブックス)
(6)私立医大の英語(長文読解編)
医療系のテーマに絞った長文問題集。音源は付いていませんが、最新医療の時事問題、医学・生物学など医学部で出題されること多いテーマをバランスよく扱っています。また、イラストを用いて背景知識を説明してくれているページは読み物としても面白いです。
(7)過去問
当然ながら、最高の実践的トレーニングとして最も重要なものです。近年の1年分については、レベル・形式を把握するために早い時期に解いておきましょう。
[文法・語法]
① 頻出英文法・語法問題1000(桐原書店)
文法・語法系のインプット教材としてはややボリュームがありますが、比較的説明が厚めなので自分で進めやすいです。もっとも、学校などでNEXTSTAGEやVINTAGEなどを利用していれば、これらのテキストもよくまとまっているため、学校の進行に合わせてそれらを使った方が効率はよいでしょう。
② 英文法ファイナル問題集[標準編](桐原書店)
全10回のテスト形式。範囲指定のない形で問題が作られているため、知識の定着度を図るのに良いです。語句整序も各回に出題されているため、苦手な設問形式をピックアップして取り組むという使い方も可能です。
③ 英語整序問題精選600改訂版(河合塾)
単元別に分かれているため、文法知識の運用力を高めるためにも利用価値が高いです。各章、レベルは3まであるが2までやれば十分でしょう。
[単語・イディオム]
① 速読英単語[必修編](Z会出版)
学校使用の単語帳を用いるのが効率的ではあるが、使いづらかったり相性が悪かったりするのであれば、CD音源付きで速読の練習も兼ねられるこちらを利用すると良いでしょう。上級まで回せれば単語力に不足はありません。
② 解体英熟語(Z会)
ボリュームはありますが、テキストの後ろにある前置詞・副詞の整理ノートがよくまとまっており、効率的に覚えられるだけではなく、未知のイディオムもニュアンスを類推することができるようになります。
③ システム英単語Premium(語源編)
語源ごとに編集された単語帳。単語としてはやや難易度の高いものが多いですが、語源については分かりやくまとまっているため、自分の使っている単語帳では覚えにくい単語があるときに参考程度に利用するとよいでしょう。
[会話問題]
英会話問題のトレーニング(Z会出版)
会話問題に苦手意識がある場合に取り組むべき一冊。ボリュームが多いため、時間がない場合には第3章の会話形式の長文読解25題をやるとよいでしょう。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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