法政大学 共通問題 国語共通問題②
入試対策と勉強法
法政大学 共通問題 国語共通問題②
ここでは、法政大学の文学部(哲学科・日本文化学科・史学科)を目指す方に対して、国語の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。
本大学の「一般選抜」は、「大学入学共通テスト利用B・C方式」「T日程入試(統一日程)」「英語外部試験利用入試」「A方式入試(個別日程)」があり、さらに学部・学科によって実施される教科・科目に応じたいくつかの「方式」に分かれ、多種多様な入試パターンが用意されています。受験生にとっては有難い限りですが、複雑でもあるので、しっかりと情報を確認しましょう。
尚、本稿では、「共通問題②(2/7)」として「文学部Ⅰ日程(哲学科・日本文学科・史学科)」の2024年度の「国語」に準拠しています(ただし、必要に応じてそれ以外・以前の入試問題に言及している場合もあります)。
法政大学文学部(哲学科・日本文化学科・史学科) 国語試験の出題傾向とは
出題範囲(分野)
試験教科・科目は、「現代の国語」「言語文化」です(「古文」「漢文」を出題する)。
「現代文」は「論説文(評論文)」1題が近年(2011年度以降)の基本です。文章内容は生命論、学問論、文学論、自然論、映像論、コミュニケーション論、建築論、生物論、教育論などと多種多様ですが、さほど硬質な文章はなく比較的読みやすくなっています(24年度は社会論の大屋雄裕「プロファイリング・理由・人格」)。
「知識」は小問として出題され、「漢字(読み・書き)」「語句の意味・用法」「四字熟語」「慣用句」、「文学史」(頻出)、「口語文法」等幅広い分野から問われます。
「古文」は1題で、主に古代~中世の「物語」(「軍記物語」「歴史物語」等含む)、「説話」「歌集」、「随筆」「日記」といった題材(「和歌」も含まれる)から出題されます(24年度は「教訓説話集」の「十訓抄」)。「文語文法」から「内容解釈」までの総合的読解力、そして、「歴史的背景」を含めた「古典常識」も問われます。「文学史」も頻出です。
「漢文」も1題です。題材は「思想」「逸話集」「史伝」などが多く(「漢詩」が含まれる年度もあります。24年度は「歴史書」の「三国志」)、「基本的句法」「書き下し」「返り点」「語句の読み・意味」、「現代語訳」等が問われています。
出題量と時間配分
問題文の文章量は、「現代文」が1題で3000~4000字弱で他校と比較して標準的(24年度は約4100字)、「古文」は600~1000字程度で(24年度は約1000字)、「漢文」は100~200字ほどです(24年度は約200字)。
試験時間は60分です。解答数が多いので決して余裕はありません。「正確さ」と「スピード」が必要になります。
先に「古文」を「20分」程度で手際よくこなし、「説明記述」がある「現代文」は「40分」ほどで確実に解いていきましょう。配点は、100点/300点です。
出題形式
大問3題が基本です(2011年度以降)。
大問一は「論説文(評論文)」で、小問は6~8問ほどです(解答数も6~8。24年度は7問で7)。
大問二は「古文」で、小問は6~8問程度です(解答数は7~12ほど。24年度は8問で9)。
大問三は「漢文」で、小問は5問前後です(解答数は5~10程度。24年度は7問で11)。
解答形式
「マーク方式」と「記述式」の併用型です。
「現代文」のマーク方式では「空所補充」「本文内容(非)合致」(「択一式」あり)、「理由説明」「換言説明」「脱文挿入」「知識」など、「記述式」では「説明記述(25~50字程度)」(「空所補充」等)、「抜き出し問題」、「知識問題」等があります。
「古文」では「文語文法」(「品詞判別」あり)、「現代語訳」「内容解釈」「換言説明」「主語特定」「本文合致」「和歌修辞法」、「古典常識」などが、マーク方式と記述式で出題されます。
尚、「文学史」も頻出です。
「漢文」では「句法」「語句の読み」、「書き下し文」や「返り点記入」(ともに頻出)などが、マーク方式と記述式(「説明記述」もある)で出題されます。
法政大学文学部(哲学科・日本文化学科・史学科) 国語試験を攻略するための勉強法
知識問題
本学部・学科の漢字の書きとり等の「知識問題」は多彩な分野に及び難易度も高くなっています。したがって、あらゆる準備を怠ってはなりません。そこで、先ずは「己が実力」を把握することが重要です。「共通テスト(センター試験)」の「漢字問題」(要は「同音異字」「同訓異字」の判別)が「基礎的語彙力」のひとつの目安になります。最低10年分以上の過去問をこなしてみましょう。その結果次第で、具体的な学習を進めていきます。
なお、以下のサイトは漢字問題だけがまとめられていて便利です。
http://www.kanjijiten.net/center/index.html
現代文 解法①
「論説文(評論文)」特有の「解法」、そして全てに共通する「解法」を理解し定着させ、応用するために重要なのは「復習」の仕方です。「考え方のプロセス」をトレースすることが必須で、特に「間違った問題」が肝要になります。誤ってしまった「分岐点」をしっかりと確認しておくことが重要で、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけましょう。それが「解法」になります。
尚、具体的解法については本HPの別ページ「大学入試”王道現代文”」をご覧ください。
現代文 解法②
本学部で特に注意を要するのは、判別しづらい「本文内容(非)合致問題」です(「択一式」もある)。てこずると時間配分にも影響するので、十分に慣れておくことが重要です。基本的に「論説文(評論文)」なので「論旨合致」と捉える必要があり、原則的には「序論部」と「結論部」の要旨と照合させて「選択肢消去」していく練習を重ねることが肝要です。
現代文 解法③
合否の鍵を握る「説明記述」をどのように攻略するか? 正否の分岐である「最重要な要素」を「文末」として、他の「要素」を積み上げていくという手法を完璧にマスターすることが肝要です。そして、「内容」から必要度の優先順位を特定し、優先度の高いものから積み上げていく。それぞれの「要素」を15~20字程度でまとめられるように徹底練習することが必要。本学部・学科では25~50字程度の字数指定が多いので、2~3つ程度の「要素」でまとめることに慣れましょう。
古文
先ずは重要古文単語および文法を徹底的に習得する必要があります。「現代語訳」をする上での最重要ポイントであり、「文法」や「単語の意味」は直接問われます。特に助動詞、助詞の意味・用法・接続は完全に定着させることが肝要です。そのためにも品詞分解は徹底的に練習する必要があります(直接的な出題もある)。また、敬語も頻出なので習得が必要です。さらに、「文学史」は頻出で「和歌修辞法」も含めた「古典常識」も問われるので、それらの事項もしっかりと確認しておきましょう。
漢文
「文の構造」「句法」「語句の読み・意味」、「返り点」・「書き下し文」等の基礎的知識は習得・復習しておきましょう。
推奨テキスト
ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストを知識対策篇、現代文対策篇、古文対策篇、漢文対策篇、過去問対策篇に分けてご紹介します。
知識対策篇
(1)『漢字 一問一答【完全版】』(東進ブックス)
(2)『現代文最重要語句らくらく練習帳』(学研プラス)
(3)『新版完全征服 頻出現代文重要語700 [三訂版]』(桐原書店)
(4)『現代文キーワード読解[改訂版]』(Z会出版)
前項の「大学入学共通テスト(漢字問題)」チェックで、5割未満の場合は(1)から、6割は(2)から、7割は(3)から、8割は(4)から始めるのがひとつの目安です。反復練習して完全定着させましょう。特に(4)では、「キーワード編」のみならず「頻出テーマ編」も熟読し、完全に理解することが重要です。
尚、本学部頻出の「文学史」対策としては、『SPEED攻略10日間 国語 文学史』(Z会出版)が時系列も理解でき、コンパクトにまとめられていてオススメです。
現代文対策篇
(1)『システム現代文 バイブル編(改訂新版)』(水王舎)
…初級レベルです。
「解法」って何? といった皆さんにお薦めの入門書です。根本を徹底的に解説しており、マスターすれば「解法」は一通り理解できます。
(2)『マーク式基礎問題集 現代文(河合塾シリーズ)〈九訂版〉』(河合出版)
…初~中級レベルです。
「正解の根拠」を明確にした詳細な「解説」に定評があり、「入試現代文」の「マーク方式問題」への突破口を開く一冊です。
(3)『現代文 解法の新技術(大学受験スーパーゼミ徹底攻略)』(桐原書店)
…中級レベルです。
あらゆる問題形式に対応した「解法」を明示しています。中堅からGMARCHへのステップアップ段階の一冊です。
(4)『入試現代文へのアクセス 完成編(河合塾シリーズ)』(河合出版)
…中~上級レベルです。
「読解へのアクセス」で問題点を喚起し、「選択肢設問」の「消去の根拠」も明記されており、「解法理解度」を自己確認できます。自らの実力を把握することで、学習院合格に自信が持てる一冊です。
(5)『現代文読解力の開発講座(駿台受験シリーズ)(新装版)』(駿台文庫)
…上級レベルです。
「読解力」と「解答の論理力」を講義形式の解説で養成しています。文章を客観的に捉える術が習得でき、学習院経済学部合格を確実にする一冊です。
(6)『[記述編]現代文のトレーニング[改訂版]』(Z会出版)
…「説明記述」対策です。頻出テーマに沿った問題構成で「完成度」を自己採点で把握可能です。本学部・学科の「説明記述」をクリアする一冊です。
古文対策篇
(1)『重要古文単語315(三訂版)』
(2)『標準古文単語650(三訂版)』(ともに桐原書店)
…前者を反復して完全定着させた上で、後者を数回丁寧に通読しましょう。それで古文の「語彙」はほぼ心配ありません。
(3)『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル(三訂版)』(河合出版)
…「文法」の基本が分かりやすくまとめられています。「例文」は「品詞分解」し「現代語訳」も必ずこなしましょう。
(4)『大学入試 全レベル問題集 古文 4 私大上位・私大最難関・国公立大レベル 新装版』(旺文社)
…最難関私大などの良問14題を収録し、分かりやすく解説しています。古文の5つのジャンル別対策が掴める「古文ジャンル解説」、重要な文法と語句を併記した「現代語訳」等、全ての問題に通じる最強の「読解ルール」で、「古文」の「読解」に自信が持てる一冊です。
(5)『速読古文常識』(Z会出版)
…「古典常識」習得用です。必修300語を収録しており、実戦的トレーニング文章の文脈で効率的に定着可能です。共通テストから難関私大まで対応しています。
尚、「和歌修辞法」等に就いては、学校配布の『国語便覧』も活用しましょう。
漢文篇
(1)『漢文道場[基礎編]』(Z会出版)
…「送りがな・返り点」といった基本ルールから重要な「句法」まで、基礎力養成の一冊です。
(2)『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習(河合塾シリーズ)』(河合出版)
…基礎定着確認用です。
過去問対策篇
『法政大学「文学部Ⅰ日程(哲学科・日本文学科・史学科)」』
実践レベルです。
10年分以上をしっかりと解いて、「解法」をトレースすることが重要です。
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