日本医科大学 物理
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
※本学は一般入試が前期と後期に行われます。下記は主に前期一般入試の傾向ですが、後期もおおむね同様の傾向と言えます。
出題範囲(分野)
2022年~2024年度の3年間は大問3題での出題でした。大問3題のうち2題は力学と電磁気です。残り1題は波動であったり、波動・熱・原子からなる小問集合の年もありました。特に重点的に取り組んでおきたい分野は力学・電磁気・波動です。しかし、これまで熱や原子からも出題されてきていますので、対策は必要です。
私大医学部の中でも御三家と呼ばれる名門ですが、他の御三家である慶応や慈恵とは異なり、問題集で見られるような問題が中心で、取り組みやすい印象です。しかし、問題が易しい代わりに、高い得点が必要となってくる点は注意です。
出題量と時間配分
理科2科目で120分です。ここ3年の傾向で言うと、大問1つあたりにかけられる時間は20分で、問題文も長くなく、読解に時間を要することもないので、時間的な厳しさはありません。ペア科目の化学がやや難であることを考慮すると、できるだけ早く済ませたいところです。
出題形式
2005年以来大問4題の構成でしたが、2022年から大問3題となっています。すべて誘導の穴埋め形式で、答えだけを記述します。穴埋めの問題数は全体で20問です。題意をイメージできるように基本的な図が記載されています。
解答形式
すべて穴埋めで答えのみ記述する形式は大きな特徴です。数値を答える問題も多く、問題集などではあまり見ないので、過去問演習で慣れておきましょう。過程の記述はありませんので、計算ミスなどのケアレスミスには特に注意が必要です。また、有効数字にも注意してください。
攻略のポイント
第1段階:まずは教科書レベルの定着が基本かつ重要
まずは教科書にある基本的な公式は確実に覚えていきましょう。その際は、ただ丸暗記するだけではなく、考え方や導出などについてもしっかりと理解してください。また、物理の学習においては、問題演習が非常に重要です。学校の授業に沿って、教科書傍用の『セミナー物理』などで問題演習に取り組んでいきましょう。
この段階でのフォロー用教材としては『物理のエッセンス』や『漆原の明快解法講座』などがあげられます。ポイントをわかりやすく説明してくれており、入試基礎レベルへの橋渡しをしてくれます。
この段階は物理学的な物事の見方を身につけていく初めの段階でもあります。理解につまづくことが多かったり、なかなか問題が解けるようにならない場合には、個別指導によるサポートも効果的です。
第2段階:次は入試物理の基礎~標準レベルの問題集に取り組もう
基礎を身につけた次は、理解を深め、様々な問題の考え方やテクニックを身につけていく段階です。この段階では問題演習中心です。入試問題に取り組めるレベルに到達するために、問題集のレベルを上げていきます。
日本医科大学のレベルを目指されているなら、他大学の受験も考えて、『名問の森』や『重要問題集』などに取り組むことになるかと思います。このあたりまで取り組むことができれば、余裕をもって問題にむかえます。高い得点に到達することもできるでしょう。
教科書傍用の『セミナー物理』などの発展例題・発展問題には入試基礎~標準レベルの問題が掲載されています。このあたりでもう少し演習を積みたいという場合は、『良問の風』や『漆原の物理・最強の99題 四訂版 (大学受験Doシリーズ)』などを挟んでおくのもいいかと思います。ポイントをわかりやすく解説してくれています。
第3段階:次は何と言っても過去演習
過去問に取り組める状態になったら、時間をはかって過去問に取り組んでみましょう。穴埋めの答えのみを記述する形式や数値計算などの問題は練習しておく価値があります。過去問演習の中で、時間配分や取り組み方、注意点などをまとめておきましょう。
推奨テキスト
(1)『教科書』(各出版社)
(2)『セミナー物理基礎・物理(セミナー物理)』(第一学習社)
(3)『エクセル物理・総合版(エクセル物理)』(実教出版)
(4)『リードα』(数研出版)
第1段階用です。
教科書と傍用問題集です。セミナー物理やエクセル物理などは、定番の教科書傍用の問題集です。教科書の例題や傍用問題集の問題をマスターするのが第1の段階です。基本的には学校で配られるものでいいでしょう。
(5)『物理のエッセンス(力学・波動および熱・電磁気・原子)』(河合出版)
(6)『漆原の物理・明快解法講座 四訂版 (大学受験Doシリーズ)』(旺文社)
第1段階のフォロー用参考書です。入試基本レベルの問題にスムーズにつなげていくためにも取り組んでおくことをお勧めします。
(7)『良問の風』(河合出版)
(8)『漆原の物理・最強の99題 四訂版 (大学受験Doシリーズ)』(旺文社)
第2段階用です。
傍用問題集の発展レベルの問題あたりについて、もう少し演習をした方がよい場合におすすめの問題集です。『エッセンス』に取り組んできた人は『良問の風』、『明快解法講座』に取り組んできた人は『最強の99題』がスムーズにつなげやすいでしょう。『最強の99題』の方が少しレベルが高めです。
(9)『名問の森』(河合出版)
(10)『実戦 物理重要問題集2024 物理基礎・物理(重問)』(数研出版)
第2段階の定番の問題集です。このレベルの問題集をしっかりと消化できれば、日本医科大学の物理は余裕をもって取り組むことができるでしょう。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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