医大・医学部受験プロ家庭教師 聖マリアンナ医科大学 化学の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

聖マリアンナ医科大学 化学
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)の特徴

2021年以降大問2題の形式が続いています。大問が2題の形なので、大抵は複合問題となっています。1題が無機と理論の複合問題、もう1題が有機(高分子含む)と理論の複合問題であることが多いです。複合される理論分野の内容としては、化学反応の量的関係の問題、熱、平衡などが頻出です。無機では、無機の化学物質の製法と理論内容を絡めた出題や、有機では計算問題と絡めやすい内容や天然高分子などが良く出題されます。

医学部の化学としてはやや易~標準的なレベルの難易度です。

出題量と時間配分

理科2科目で150分です。医学部受験のスタンダードである理科2科目120分と比べて30分長く、さらに、大問数も2題の構成となっていて、論述問題が多いとは言え、時間的には余裕がある方でしょう。理科のペア科目の状況と相談して適正な時間配分を過去問演習などで確認しておくことが重要です。

出題形式・解答形式

すべて記述式です。大きな特徴としては、論述問題が多い点は押さえておくべきことです。論述問題は、練習していないと非常に時間がかかってしまうこともありますので、しっかりと対策しておきましょう。

また、問題それぞれに解答の仕方についての指定があることがありますので、解答後に指定に沿った形で解答できているかチェックするようにしましょう。

攻略のポイント

第1段階:まずは基礎知識の定着、基礎の理解が重要です

化学の学習においては、まずは基礎知識の定着が重要です。いつどこで聞かれても、知識が自由に引き出せるようにしっかりと定着させます。そのためには同じ教材を何度も復習することが効果的です。教材は、教科書を読んで自分でまとめたノートでもいいですし、市販のもので良さそうなものがあれば、それで構いません。

また、出題形式の重要な特徴として論述問題が多いので、ただ化学用語を覚えるのではなく、しっかりとした知識と理解を伴った形での学習が重要です。諸法則の内容を説明できるようにしたり、実験の操作において「なぜそれをしているのか」を説明できるようにしておきましょう。

問題演習は、基礎知識が身についたかどうかのチェックと考えておきましょう。「問題集を何周もして自然と基礎知識を身につけよう」という発想は危険です。覚える量がたくさんあるため、なかなか定着しません。

また、各分野には計算問題もありますので、それぞれに出てくる用語の意味や定義、考え方などをしっかりと理解しておくことは非常に重要です。理解出来たら『セミナー化学』などの傍用問題集で問題演習を行い、理解度を確認しましょう。

基礎知識の定着や基礎の理解がなかなかうまくいかない場合には、個別指導によるサポートによって、正しい化学の学習方法を導いてもらうのも非常に効果的です。

第2段階:次は入試レベルに到達するまで知識量を増やし、理解を深めていこう

教科書レベルの基礎知識の定着と理解がある程度進んできたら、問題集・参考書のレベルを上げていきます。知識量を増やし、さらに少し難しい内容についても理解を深めていきます。

聖マリアンナ医科大学の場合、目標は『重要問題集』などのレベルです。この段階までしっかりと解けるように問題演習を繰り返しておきましょう。理解が進まない場合には、『鎌田の理論化学の講義』などの参考書も併用するといいでしょう。わかりやすく解説してくれています。

第3段階:過去問演習

過去問演習はどの大学においても重要です。過去問に取り組み、出題形式、時間制限などを把握し、どのように取り組むかを考えておくことはとても有効です。

推奨テキスト

(1)教科書(各出版社)

(2)『セミナー化学基礎・化学(セミナー化学)』(第一学習社)

(3)『エクセル化学・総合版(エクセル化学)』(実教出版)

(4)『リードα』(数研出版)

第1段階用です。教科書と定番の教科書傍用の問題集です。教科書の例題とともにこの基本例題、基本問題をマスターするのが第1の段階です。基礎的な力をしっかりと養っておきましょう。傍用問題集は学校で配られたものでかまいません。

(5)『理論化学のスピードチェック(シグマベスト)』(文英堂)

(6)『無機化学のスピードチェック(シグマベスト)』(文英堂)

(7)『有機化学のスピードチェック(シグマベスト)』(文英堂)

第1段階用です。基礎知識の定着のために用いる教材として市販のおすすめのものです。何度も繰り返して復習してください。自分でノートにまとめたものでも構いません。

(8)『鎌田の理論化学の講義(大学受験Doシリーズ)』(旺文社)

(9)『福間の無機化学の講義(大学受験Doシリーズ)』(旺文社)

(10)『鎌田の有機化学の講義(大学受験Doシリーズ)』(旺文社)

第2段階のフォロー用参考書です。ポイントをわかりやすく解説してくれています。

(11)『化学重要問題集−化学基礎・化学(重問)』(数研出版)

(12)『鎌田の化学問題習(大学受験Doシリーズ)』(旺文社)

第2段階の問題集です。『重要問題集』は医学部の入試標準レベルの定番問題集です。

<番外編>

(1)図録(各出版社)

無機化学のさまざまな「色」の暗記には誰しも苦労します。また、化学は本来なら実験によって学ぶべきものですが、受験科学に登場する有名実験といえども実際に経験した方は少ないでしょう。追体験的な意味でビジュアル的要素の本書は必須です。

(2)『化学の新研究』(三省堂)

本学突破のためには必ずしも必要とはいえませんが、発展レベルまで高校化学のほぼすべての内容を網羅しています。わからないことがあったときに調べる辞書が欲しい人にはおすすめです。

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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