東邦大学 英語
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
2024年は長文読解問題が4題、正誤問題が1題に加え、近年の東邦の特徴的出題であるとなっている、正しい英語を選択するという形での和文英訳1題となっています。もっとも東邦大学医学部では、過去に出題のあった形式が再出題されることもあるため、近年の出題だけに対策を絞りたくありません。語句整序や連続出題されていた発音アクセントなど出題のあった形式にもある程度は意識を払っておきましょう。英文レベルはやや高く、語彙のレベルが高いものも使われています。英文のテーマは医療系のものが毎年出題され、それに加え自然科学系のものが多く出題されます。
出題量と時間配分
試験時間は90分です。2024年の6題の出題を前提にすれば、4題の長文読解問題で70分、正誤問題を10分、和文英訳選択を10分が基本戦略となるでしょう。英文の長さは大問によって異なることが多いため、小問数を考慮しながら現場で適切な時間配分を行いましょう。その際には内容一致問題を含んだ大問にはやや長めに、細部の読み取りが不要な空所補充のみである大問にはやや短めの時間配分にするとよいでしょう。
出題形式
英文・語彙レベルはやや高いです。英文の選択肢をふくめればかなりの長さの英文を読むことになります。読解問題の空所補充問題が高度な単語知識を問うにすぎないものと内容からしぼれるものが共存しているため、その場での判断が得点以上に大きく時間配分にかかわるため、早い段階からの過去問演習が必要です。
解答形式
全てマークシート形式となっています。長文読解は、前述のとおり内容把握と同意語選択・空所補充が中心ですが、主題選択や適文挿入が出題されることもあります。適文挿入がある場合には、前もって挿入すべき一文に目を通しておいたほうが効率は良いでしょう。読解問題の内容一致問題は英問英答であることから、読み間違わないように注意を払う必要があります。
攻略のポイント
[読解問題]
読解問題の出来が合否を左右する出題となっています。したがって、読解力向上に向けた取り組みに時間をかけましょう。試験時は90分ですが、全体量を考えると、速読能力の向上も必須です。意味のかたまりごとに前から意味をとっていく事ができなければ時間内に設問処理まで含めて解答を終わらせることは出来ません。句・節ごとに意味をとらえ、ニュアンスの分かるものは日本語に訳さず読み進める力を身につけましょう。
一定レベル以上の英文解釈能力を身につけたら、句・節ごとにスラッシュを入れながら前から訳読み下すトレーニングをしましょう(スラッシュ・リーディング)。最初のうちはやや多めにスラッシュを入れることになるでしょうが、慣れてくればそれほど入れずに前から読み下していくことができるようになります。併せて行いたいのが音読です。一度解き、しっかり復習した英文を用いて、必ず英文音読の時間を設けるようにしましょう。音読することで、強制的に前から読み下す習慣を身に付けることが出来ますし、日本語を介在させなくとも内容が頭に入ってくるようになる英文が増えてくることになります。その際には必ず意味のかたまりごとに内容を把握する意識を持つようにすること。漫然と読んでいては効果が半減してしまいます。音源付きの長文問題集であれば、それを利用することでさらに効果を高めることが出来ます。
医系テーマを扱った読解問題が毎年出題されることから、普段の長文読解の素材として取り入れましょう。後述の問題集を是非利用しましょう。背景知識があると読みやすさの点で大きな差が出ることがあります。
[単語・イディオム]
長文で用いられる単語に難易度が高いものがあるため単語力はしっかり付けておきましょう。東邦医学部を受験するのであれば医系の単語集もやっておくのが望ましいですが、時間的にも厳しいのであれば、後述の『私立医大の英語』(教学社)のイラスト説明部分に記述されたものがある程度判断できるようになります。それでも未知の単語は出てきますが、単語集をしっかり終えていれば文意を参考にすることで正しい答えを絞れます。
[文法・語句整序]
毎年出題されるわけではありませんが、出題された場合を想定して対策は必要です。最も出題された場合も設問は標準的なものであるため、後述のようなインプット系の問題集を一冊完成させれば完答を目指せます。もっとも、かなり短い時間で解き切ることが要求されることになるため、高い精度で完成させましょう。語句整序に関しては、場当たり的な解き方ではなく、他動詞の性質や節の個数を意識した英文の骨組みから組み上げる手順をしっかり確立しておきましょう。
[発音・アクセント]
2017年以降出題が続きませんが、前述のとおり東邦医学部では復活出題もありえます。もっとも問われる単語は基本的なものであるため、あらためて発音アクセントの問題集までやる必要はありません。単語学習の際に発音アクセントまでしっかりカバーする意識を持つのが大事です。前述のCD音源を用いた長文学習も発音・アクセントの知識の充実につながります。
推奨テキスト
[英文解釈]
①英文解釈の技術100(桐原書店)
英文構造の把握を身につけるための良書。この1冊を7~8割程度消化したら、あとは速読のトレーニングをすることに注力しよう。
②ポレポレ英文読解プロセス50(代々木ライブラリー)
やや勉強が進んでいる生徒向けとなっていますが、講義仕立てで読みやすく、量も絞ってある分、時間をかけずに終えることが出来ます。ポイントが絞られている分、説明の物足りなさを感じるところがありましたが、現在は筆者の西先生のYouTubeチャンネルでテキストの講義授業を受けられるため使い勝手がよくなっています。
[長文読解]
音源付きであり、出版も新しいため最新のトピックを知る上でも役に立つものをあげました。パラグラフリーディングの理解や設問形式ごとの解き方、英文エッセイの構成などまで説明されているテキストでもあります。いずれも問題を解くだけでなく解説までしっかり読み込みたい教材です。
(1)『The Rules英語長文問題集3・4』(旺文社)
(2)『英語長文ポラリス2・3』(KADOKAWA)
(3)『全レベル問題集:英語長文6』(旺文社)
(4)『イチから鍛える英語長文700』(Gakken)
(5)『英語長文PREMIUM問題集:Advanced/Top』(東進ブックス)
(6)私立医大の英語(長文読解編)
医療系のテーマに絞った長文問題集。最新医療の時事問題、医学・生物学など医学部で出題されること多いテーマをバランスよく扱っています。また、イラストを用いて背景知識を説明してくれているページは読み物としても面白いです。長文のレベルにややムラがありますが、通常の問題集では扱われないテーマに触れられるので目を通しておくとよいでしょう。
[文法・語法]
(1)『頻出英文法・語法問題1000』(桐原書店)
文法・語法系のインプット教材としてはややボリュームがありますが、比較的説明が厚めなので自分で進めやすいでしょう。
(2)『英文法ファイナル問題集[標準編・発展編]』(桐原書店)
全10回のテスト形式です。範囲指定のない形で問題が作られているため、知識の定着度を図るのに良いでしょう。正誤問題も各回に出題されているため、苦手な設問形式をピックアップして取り組むという使い方も可能です。
[単語・イディオム]
(1)『速読英単語[必修編・上級編]』(Z会出版)
学校使用の単語帳を用いるのが効率的ではありますが、使いづらかったり相性が悪かったりするのであれば、CD音源付きで速読の練習も兼ねられるこちらを利用すると良いでしょう。上級まで回せれば単語力に不足はありません。
(2)『解体英熟語』(Z会)
ボリュームはありますが、テキストの後ろにある前置詞・副詞の整理ノートがよくまとまっており、効率的に覚えられるだけではなく、未知のイディオムもニュアンスを類推することができるようになります。
(3)『システム英単語Premium(語源編)』(駿台文庫)
語源ごとに編集された単語帳です。単語としてはやや難易度の高いものが多いですが、語源については分かりやくまとまっているため、自分の使っている単語帳では覚えにくい単語があるときに参考程度に利用するとよいでしょう。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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