栄光学園中学校 入試対策
2015年度「栄光学園中学校の算数」
攻略のための学習方法
本校の入試問題をみると、非常に独創的かつ難しい問題が目につく。したがって、一般的な模試の結果が良くても、本校の問題で高得点が取れるとは限らない。しかし、模試のような一般的な問題が解けなくてもよいわけではないことに注意したい。塾で学んでいる内容は、本校受験のための土台である。この土台がしっかりしていないと、本校の受験には対応できない。標準的な問題が解けるということは、最低条件だと心得ておきたい。
標準的な問題は解けるという最低条件はクリアしているという前提で、攻略のための学習法を紹介する。本校で問われているのは、自らの手と頭を使って問題にじっくり取り組む姿勢である。多少難しくても、試行錯誤しながら粘り強く考え続ける力が絶対的に必要である。普段の学習でも、時間をたっぷり使って考え抜くという経験を積んでおきたい。ただし、ぼんやりと時間を浪費するのではなく、なんとしても自力で解こうとする強い意志と積極性が必要であることは言うまでもない。
[思考力の強化]
本校の入試のためには、思考力を強化は必須である。考え続けることで思考力が自然と身につくイメージがあるかもしれないが、それほど単純ではない。そもそも、ある程度の思考力がなければ、考え続けること自体が困難であろう。
やはり、思考力を強化するきっかけが必要である。まずは手軽に思考力を鍛えるところからはじめたい。標準的な問題で構わないので、さまざまな解法で解いてみるとよい。そして、自分なりに解き方を説明できるようにしてみる。そのような経験の積み重ねによって、柔軟な考え方ができるようになり、結果的に思考力が鍛えられるようになる。この段階までくれば、難問にじっくり取り組むことで本校の入試に対応できるようになるだろう。
[理由説明の対策]
本校では、理由を説明させる問題がよく出題されている。通常のテキストでは、ほとんど見られない問題だが、過去問を有効に使いたい。本校の場合、「起こりえない理由」を説明させることが多く、対策は可能である。起こりえない理由を聞かれたときの説明方法は、背理法(背理法については身近な先生に質問するとよい)が鉄則である。慣れてくれば、説明のコツはつかめるであろう。
[最後に一言]
本校は非常に特殊な問題が多いが、一般的に見かけるようなタイプの問題も出題されている(難易度はさまざま)ので、あらゆる問題に対応できるように学習しなければならないことを最後に付け加えておくことにする。
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2015年度「栄光学園中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
通常あまり見かけないような独創的な問題が多く、パターン暗記は通用しない。問題の難度は非常に高く、高度な思考力が要求される。急いで答えを求めるのではなく、それぞれの問題にじっくり取り組むことになる。なお、多くの受験生が正解できる問題でのミスは致命傷になりかねないので注意したい。
【大問Ⅰ】規則性
- 時間配分:15分
(1)について
①では10枚の駒に番号をつけて、どれが裏返されるのか調べればよい。
②は、①の結果を考えれば、一瞬で答えがわかる。
③は単純な規則性の問題。
(2)は、1~10回目を調べればよい。11~20回目は、白と黒の配置が入れ替わるだけである。
(3)は、同じ駒を偶数回裏返せば元に戻るに注目すればよい。すべての駒を裏返すという指定はないので、裏返さない駒がある場合も考える必要がある。
【大問Ⅱ】仕事算
- 時間配分:8分
本年の問題では、唯一ともいえる普通の大問。確実に正解しなければならない。
(1)は易しい。(2)(3)は、求められるところから順に求めていけば、自然と答えにたどり着く。
本校受験生であれば難しくないだろう。
【大問Ⅲ】割合と論理
- 時間配分:18分
消費税をテーマとした問題。栄光らしい出題になっている。
(1)(2) は易しい。
(3)について。まずは、8%のときと10%のときの税込み価格の差が、どのようになっていなければならないか考えたい。その条件がわかれば、あとは調べるのみである。8%のときの消費税、10%のときの消費税を、それぞれ表にまとめるとよい。
(4)は、(3)とほぼ同じ考え方で解くことができる。
【大問Ⅳ】論理に関する問題
- 時間配分:18分
本校らしい非常に独創的な問題であり、高度な論理的思考力・分析力が必要とされる。
(1)は易しい。
(2)について。イチゴが4つ見える図は簡単にわかるだろう。6つ見える図は、やや判断しにくい。(き)は、真ん中2つのイチゴがとなりあって見える状況を考えるとよい。(く)(け)は、1番左に見えるイチゴと左から2番目に見えるイチゴがとなりあって見える状況を考えるとよい。
(3)は理由を説明する問題。問題文に8等分が不可能である理由が書いてあるので、これをヒントにするとよい。ヒントを与えることで、無理のない出題になるように配慮されている。
(4)では、(3)で考えたことを参考に解いていくことになる。高い論理的思考力・分析力が必要である。問題では、結果しか問われていない。しかし、解いていく際には、等分することが可能か不可能か、明確な根拠とともに考えていく必要がある。
攻略のポイント
最も易しい【大問2】は確実に全問正解する必要がある。【大問1】(1)(2)、【大問3】(1)(2)、【大問4】(1)も正解しておきたい。その他の問題は解きやすそうな問題から順に取り組めばよいだろう。なお【大問4】は、(2)までと(3)以降でテーマが変わる。(2)がわからなくても、(3)以降に取り組むことができるので、あきらめずに取り組みたい。
今年の問題は、時間さえかければ解ける問題が多い。しかし、あまり時間をかけてしまうと時間がなくなってしまうので、試験時間には注意したい。ただし、素早く解く処理能力を問われているのではなく、問われているのは例年通り高度な思考力である。
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