暁星中学校 入試対策
2015年度「暁星中学校の算数」
攻略のための学習方法
暁星中学は、2月3日に入試を限定し、以前から多くの受験生を集めてきた都心部にある名門校であり、受験機会を複数に増やす学校が多い中、1日御三家などとともに孤高を保っている中学受験の老舗校である。
そしてその算数の問題もまた、少ない分量ながら高い質を持ち、第一志望とする受験生たちに3日目にして高い壁を築いてきた。
しかし、その壁が本年度は大きく崩れてしまった。
計算問題の存在はなく、出題分野に大きな違いは見られないものの、難易度が大幅に下がっている。
下がったとは言ってもはじめの位置が高いので、決して基本的な設問ばかりではないが、それでもそれまでの過去問とは比較にならないくらい解きやすくなっている。
そして解きやすいと時間的にも余裕がもたらされることになるので、受験生たちは後半に散見する難問にも十分に時間を割いて解くことが出来るという好循環をもたらすことになる。
今まで暁星中学を敬遠していた生徒たちでも、これは歓迎すべきことである。
問題は、この傾向が来年以降も続くのかと言うことだ。
学校説明会などは必聴で、本年度レベルの継続か来年度は再び難問路線に戻るのかというどちら側の選択になるのかは対策を大きく左右することに…。
現状では男子上位校にも通用する攻略法を書き記すことになる。
算数のテクニックをいくつか挙げておく。
図形に関しては、補助線を引いて求める問題への対応ができるように、与えられた図から別の図(展開図から見取り図、投影図から見取り図など)が書けるようにしておこう。
文章題に関しては、線分図・面積図だけではなくて、分らないものを①と置いて、式を立てて解けるようにしておくことも必要である。倍数算や年令算・比の応用問題でよく用いられる解き方だ。また、式を立てた後、ちゃんと式の展開が出来るように計算力もつけておかなければならない。小学生の場合、式は立てられても、式を展開する段階で間違えることがよくある。ここもしっかりとフォローしておこう。
後は難問への耐性だ。問題を見た瞬間、パニックになってしまってもいい。もう一度読み直して文意をよく理解し、自分が取り得る最善の解き方を用いてていねいに問題を解いていこう。ねばり強く。
過去問も手に入るものはすべてこなしておき、暁星の問題レベルによくなれること。最後は…算数の力次第だ。
また、暁星中の問題は、難問ではあるが独創的なものではない。どちらかというと、テキストや問題集などで触れながらも、難しくてできない→結局模範解答を見て答え合わせだけをした、というレベルの問題から出されている。平成26年度大問1や平成24年度大問1などが典型的な例だ。
まずそういった問題をもう一度点検し、復習して、自分のものにするところから始めてみよう。また、公開模試などで、後半、時間が足りなくて手が出せなかった問題も多くあるだろう。 それらの問題もまた、この機会に点検→復習→定着を心がけてみよう。
そして、基本の上に応用力を積み重ね、十分な対策がなされれば、翌年の暁星中学入試において、よい結果がもたらされるに違いない。
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2015年度「暁星中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
50分で大問が5、小問が12。すべての問題に計算欄がある、いわゆる「記述」形式だ。時間に対して分量は問題の難易度が下がったこともあり適切なものとなっている。
大問1から5まで、難度の高い設問も散見するがそれ以外のものは平易または標準的なものになっていて、男子上位校の中では最も解きやすい学校に変貌している。
ただしそこは男子校レベルでの標準なのであって算数の力が十分に必要とされることは間違いない。
【大問Ⅰ】平面図形
- 時間配分:2分
例年同様、まずは小手調べに、挨拶代わりの面積の問題が出た。しかしながらこの易しさはどうだ?計算欄が準備されているものの、計算など必要ないのではないか?
(1)(2)とも、鉛筆で斜線部分の図形を等分すればできてしまう。
う~ん、受験生たちは「きっと何かあるに違いない…」と疑心暗鬼に駆られながら次の大問に進むのである。
【大問Ⅱ】速さの問題・・・ダイヤグラム
- 時間配分:6分
複数の人たちが目的地に向かい、途中で一人降ろしてもう一人を迎えに行くという、問題集などではよく見かける問題である。
しかし、降ろすところは途中ではなく目的地に着いてからだし、もう一人を乗せた場所などもわかっているという。状況は難問化してもおかしくないのだが、提示してある条件から標準的な問題にレベルを下げている。ここも正解しておきたい。
それでも(1)はひっかかる人もいるかもしれない。グラフを延長して、車が1.8kmの道のりを6分で往復すると言うことをつかまなくてはならないからだ。グラフのままではわかりにくいが、線分図に条件を書いていくと簡単に数値が求まるはず。
(2)では(1)の結果を用いて、車と母の速さの比を求める。(1)が求まっていれば、おまけのような設問になっている。暁星中学の難しい過去問に苦労してきた生徒だったらいともたやすく解答できたことと思われる。
【大問Ⅲ】和と差の文章題・・・つるかめ算
- 時間配分:6分
(1)はつるかめ算。何も付け加えることのないつるかめ算。きっと受験生たちは、はじめてつるかめ算に接した日のことを思い出し、郷愁に浸っている…暇はさすがにないと思われるが。
(2)もつるかめ算の考え方を使う設問だが、こちらはいかにも中学入試レベルなのでなぜかホッとしてしまう。
まずは、BとCの値段を平均化しておく。その上でAとの値段の差が3920円になることがわかればつるかめ算を使って個数が求まり、さらに比例配分してCの個数が求まるというもの。
(2)は例年の暁星中学レベルになっていて、ここで正解と不正解の差がつき始めると思われる。
【大問Ⅳ】速さと比
- 時間配分:8分
(1)はぜひ解けておきたい設問だ。問題をよく読み、乗客がいない時間を出しておく。その上で「時速の比×時間」の和で336kmをわり、比1あたりを求めて正解を導きたい。
(2)はそれをさらに発展させた問題で、今度は「ガソリンの量の比×時間」から消費するガソリン量の比を求め、比1あたりのガソリン量を求めていればよい。
(1)だけでも十分だが、(2)ができていればなおさら算数の貯金が出来たことになる。
比の実力をはかる上ではなかなかの良問と言える。
【大問Ⅴ】総合問題・・・数の性質、数列、分配算
- 時間配分:10分
暁星ではしばしば見られる、最後に総合的な「数の性質」の問題が待っている。
…しかし、(1)(2)の易しさはどうだ!(3)も仲間に入れてほしい。
(1)は素因数分解するだけの設問だが、素数についての解説や素因数分解の(例)まで示されている。なんと親切なことだろう。しかし、長年の受験生活で物事をまっすぐには見られなくなっている受験生たちはあることを疑っている。「ここで素因数分解をさせるのは、後半の設問への布石なのだ。おそらく後半、この結果を使った難問が待ち受けるに違いない…」と。素因数分解の「13」という数を頭に置きつつ次に向かっていく。
先にネタバレをしておくと、この素因数分解の結果が最後まで何も使われないというのがこの問題の空恐ろしいところである。
(2)は数列の和の問題。個数に気をつけたい、とアドバイスすべきところであろう、小4くらいのときに。
(3)まだ設問は難しくならない。
分配算の線分図から求めてもよいが、「奇数個」に分けるので、はじめから520を5で割れば真ん中の数が求まる。あとは2つ戻れば正解が出る。ここも間違えようがないだろう。
(4)でようやく暁星らしいレベルの設問に到達する。と、そのときにはテストはもう終わりである。逆に難易度が高すぎてスルーしてもよい設問になっているが、大半の問題に答えられた生徒たちは安堵の表情を浮かべ、まさに算数の時間を終えようとしている。
攻略のポイント
テスト時間は50分で100点満点。
合格点は65点。設問数にして12問中8問正答がボーダーラインとなる。
本年度はたいていの問題が解答しやすくなっていて、難しいのは【大問4】の(2)、【大問5】の(4)くらいであろうか、あと2問程度の猶予はあるので合格点を取るのはあまり厳しいことではなかったと思う。
ここまでテスト内容に変化が生じると逆に対策がたてにくいのであるが他校とへの併願もあるのでオーソドックスな対策法を書いておく。
内容としては、平面図形、割合と比、速さの問題など、入試に頻出の内容が大半を占めている。本年度はほとんどか標準レベルの問題であった。まずはその水準までの力を十分に蓄えておく。その上で来年度の問題再難化に備えて、男子上位校レベルの問題にも十分に当たっておこう。力はあり過ぎても困ることはない。
問題の易化をはかってきた暁星中学。受験生にとっては福音と考えてもよい。過去問とハンディは大きいかもしれないが、昨年度までの問題ならば、ま、正答率5割を目指してがんばってみよう。
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