巣鴨中学校 入試対策
2015年度「巣鴨中学校の社会」
攻略のための学習方法
[問題構成・形式]
巣鴨中学の試験は、近年は大問3つ、それぞれに地理・歴史・政治分野が割り当てられ、配点も地理20点・歴史20点・政治10点と、定型とも言える構成になっている。総解答数25で時間は30分なので、時間には余裕がある。
出題形式は記号選択・正誤選択が多く、用語記入が数問混じる。記述問題は出されていない。解答形式が少し複雑な設問が見られるので、問題文を注意して読み、誤解しないよう気をつけること。内容自体は極端な難問は出されないが、正解を選ぶのに細かい正確な知識を必要とするものがあるので、選択式だからいって油断はできない。
記入は漢字指定なので、漢字が書けなければ得点にはならない。
[地理分野]
地図に示された範囲の地勢・気候・産業について問う形が多い。鉄道路線とその周辺地域(平成22年度・第Ⅰ期)や長野県の地形図(平成24年度・第Ⅰ期)のようにひとつのテーマに沿って出題される場合もあるし、各都道府県の産業(平成24年度・第Ⅱ期)のように広く総合的に訊かれる場合もある。各地の農・林・水産業、貿易とその相手国、地形や地形図の読み取りなどの問題が過去に出題された。特に、農産物と気候(雨温図)の問題は出される年が多くなっている。
テキストで各基本事項を押さえたら、地図・白地図で地形・位置・産業の特色などをまとめていく。特に、各地域の農産物の分布など、最新版の資料集でデータを集めておく。気候区ごとの雨温図の特徴と代表的な都市は正確に頭に入れておくべきである。また、地名を答える問題も多いので、地図で位置を確認し、漢字で書けるようにしておく。
[歴史分野]
各時代・各分野から幅広く出題される。短い本文を読んでから各問に答えるパターンと、箇条書きの短文説明に1問1答で答えていくパターンとがある。他校の試験で見られるような史料は、本校ではほぼ出されていない。選択肢の中にミスを誘う紛らわしい一言が含まれていたりするので、注意が必要である。例えば平成25年度では、「日本橋は五街道の起点の宿場町であった」という選択肢があったが、「起点」は「宿場町」にはならないことに気づかないと、選択を誤ってしまう。また、「正しいものを選べ」と「正しくないものを選べ」がひんぱんに入れ替わるので、問題文も含めて細部まで気を抜かずに読むことが大事である。
時代順の並べ替えも出されているので、年表を活用して流れが頭に浮かぶようにしておく。また、年号を直接訊かれる問題もあるので、自分なりのやりやすい覚え方を見つけて暗記したい。
[政治分野]
日本国憲法・三権の仕組みとはたらき・時事問題などが出される。中国の経済成長やヨーロッパ連合など、テーマを絞って出題される問題と、環境・経済・政治などについて述べた10ほどの短い説明文の正誤を選択する問題と、およそ二つのパターンが見られる。まずは日本国憲法と政治の仕組みの基本事項をしっかり覚える。
正誤を選ぶ問題は、細かい部分まで正確な知識が要求される。テキストに載っていること、新聞・ニュースで知ったことなど、そのつどよく調べて正確に理解しておけば、大きな力となる。
[地歴対策]
地理と歴史の配点が大きいことを考え、この2分野は重点的に取り組み、特別な難問や細かすぎる知識は問われないので、基礎力の充実に努める。地理分野は出題傾向に少し偏りがあるので、良く出る問題を過去問で調べてその範囲は特に念入りに学習しておく。歴史はやや細かい知識が問われることがあり、並べ替え問題も見られるので、テキストと年表を併用し、その事項の周辺まで詳しく見ておくようにする。時事問題対策として、広く社会の出来事に関心を持ち、目を向けることも忘れないでほしい。
さらに、本校の特徴である選択肢問題への対応がある。細部にまで注意が必要な選択肢や、複雑な答え方をさせる設問など、ミスを誘うような出題が多いので、過去問を多くこなして、落ち着いて対処できるように慣れておくことが重要である。
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2015年度「巣鴨中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は30分。配点2点の問題が25問と、今年度も定型の試験問題となっている。
時間には余裕があるので、問題文の正確な把握と選択肢の吟味に少し時間をかけられるだろう。
リード文も出されるが、それほど長文でもないので、苦労はしないはずである。
[大問1] 地理分野
- 時間配分:12分
今年度は日本の工業を中心とした問題となった。農産物の問題がよく出される傾向だったが今年度は養蚕について1問訊かれているだけである。
問1は解答が2つあることになり、どちらも正解としたと思われる。
問3のようなある項目の分布を地図上で問う問題はよく出されている。普段から資料集を活用して地域ごとの特徴を見ておくと良い。
問4・問5のような基本的な用語を答える問題はしっかり答えて得点源としたい。
問7は学校によっては記述問題にしてもいいような内容だが、適語を答えるだけで済むので楽ではある。例年、雨音図を用いた問題が多く出されていたが、今年度は見られなかった。
[大問2]歴史分野
- 時間配分:12分
農業や税を題材とした歴史の問題。10箇所の下線部について一つずつ答えていく一問一答形式になっている。選択肢中心でさほど意地悪な問題も無いのだが、地理分野と比べると少し難しい印象を受ける。
問1は石包丁の使い方がわかっていないと引っかかってしまうかも知れない。その他の選択肢は正解が選びやすいものが多い。
問9の時代順の並べ替えを利用した問題は、米騒動の起こったきっかけとその影響がわかっていれば答えられたであろう。4つの出来事全てを並べ替えろという問題よりは易しくなっている。
問3と問10では法律名を漢字で書かせる問題が出ている。用語を書かせる問題は必ず漢字でと言われるので、書けるようにしておくこと。もっとも、それほど難しい用語を訊かれるわけではないので、恐れる必要は無い。
[大問3]現代社会
- 時間配分:6分
大戦後の社会について、政治・経済について訊かれている。10の選択肢から正しいものを5つ選ぶ形になっている。
難易度も高くなく、紛らわしい選択肢でもないので、全問正解できた人も多かった大問だったのではないだろうか。年齢的に経済分野にあまり関心が持てない生徒も多いかも知れないが、TPPなどの大きな動きが見られる昨今、試験問題にもされ易いので、政治経済分野にも気を抜かずに取り組んでおいて欲しい。
攻略のポイント
実際に問題を見てみると、やはり歴史の正誤選択問題は多少手強い印象である。年度により、正誤の組み合わせ方や答え方のパターンを変えることがあるので、巣鴨の社会の問題はこういうものだと納得し、過去問で少しでも慣れておくしかない。
全体としては癖の無い試験であり、基礎的な知識で答えられる問題が多いため、ミス無く確実に得点しなければならないので、基本的事項・重要事項は残さず頭に入れるという気迫で、勉強に臨みたい。
テキスト・地図・白地図・資料集で地名・位置・地形・気候・産業と隙のないように覚えること。さまざまな出来事の原因や他への影響まで調べて詳しくなっておくこと。そうして得た正確な知識が、選択問題で生きてくるのである。
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