巣鴨高等学校 入試対策
2016年度「巣鴨高等学校の英語」
攻略のための学習方法
総合的な長文読解の問題演習を日頃からしっかり行って欲しい。問題のレベルは、全国的な私立進学校の入試問題が適切であろう。500~600字程度の英文であれば、5~6分で読了したい。入試までにそのような長文読解問題を100題はこなしたい。スピード面では、速読で、できれば目線で英文を追いかける程度のスピードで英文内容を理解することが必要であろう。
読解の速さだけでは正解を導くためには不十分である。さらに、内容把握能力。これが必要である。この能力の基盤となるのが、単語・イディオム・文法である。一つの英単語にも、様々な意味がある。そして、シンプルな単語程、そこに含まれる意味は豊富である。豊富な単語の意味の中からどのような訳を的確・迅速に抽出できるのかが、勝負の分かれ道である。
本文で扱われた文法事項について押さえておきたい事項を説明する。
第1に『不定詞』。用法的には、名詞的用法、形容詞的用法、そして副詞的用法がある。名詞的用法は文字通り『名詞』のような働き(主語になる、動詞の目的語になる等)をする。形容詞的用法は同様に『形容詞』のような働きをする。つまり、名詞を修飾するのである。副詞的用法はしっかり学習しておいて欲しい。その用法について、主なものを説明する。
①目的:She went to a store to buy a book.(彼女は本を買うために店に行った)
②結果:I grew up to be a teacher.(私は大きくなって教師になった)
③原因:We are delighted to see you.(私たちはあなたに会えて喜んでいます)
④理由(判断理由):What a fool I was to think that she loved me.(彼女が私のことを愛していると考えたなんて、なんて愚かだったんだろう)。
第2に『完了形』。特に、現在完了形について基本事項を説明する。皆さんの中には、「過去」と「現在完了形」との違いに悩んでいる場合も多いであろう。一言で言うならば「過去」は「過去の一点」であり、その時点で「行為・事実」は終了している。一方、「現在完了」は過去のある時点から現在にたるまで「行為・事実」がつながって(続いて)いる、ということである。したがって、現在完了の基本用法は次のようになる。
①完了:Ⅰ have just finished my work.(私はちょうど仕事を終えたところです)
②継続:I have had this headache for some days.(私は数日この頭痛が続いている)
③経験:I have met you only once.(私はあなたに一度しか会ったことがない)I have never been to a party.(私は決してパーティへ行ったことがない)
第3に『仮定法』。仮定法とは、現在または過去の事実と異なる状況を願望する際の表現方法である。例えば、「If I were a bird, I could fry the sky.」という仮定法の英文において、「自分は本当は現在、鳥ではないのであるが、仮に鳥ならば空を飛べるのに(でも鳥ではないから空を飛べない。空を飛びたいなぁ)」という願望の思いが含まれているのである。さらに、Ifには『条件・場合』と『仮定法』の2つの主要な用法がある。2つの用法に間に、どのような区別があるのであろうか。これは非常に大事な事項(大学入試にも頻出事項)であるので、これを機会にしっかり理解してもらいたい。Ifの接続詞の中の動詞の時制が現在であれば『条件・場合(~の場合は、~ならば)』となり、過去または過去完了であれば『仮定法(もし~ならば、もし~だったならば)』となる。
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2016年度「巣鴨高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、説明文の長文読解総合問題である<20分>。内容的には、発音、整序問題、適語選択、指示語問題、適語補充、内容正誤等々の構成である。
大問2は、説明文の長文内容真偽問題<10分>。400~500単語の長文を5分程度で読了する訓練を積んでおくことが大事である。そのうえで、内容正誤に関する問題に取り組む際の留意点は、十分な内容把握能力である。一度読んで、微妙な内容の差違(同じ内容を別表現にするなど)をしっかり把握することが大事である。
大問3は、説明文の長文読解問題<10分>。内容は英文整序問題である。文法知識・熟語の知識が不可欠。
大問4は、和文英訳問題<10分>。ここでも、文法知識・熟語知識、英語表現は絶対に必要である。
【大問1】説明文の長文読解総合問題
- 時間配分:20分
説明文の英語長文読解問題である。内容的には『ハックルベリー・フィンの冒険』に関する説明文であり、同小説がアメリカ社会にもたらした言語的・文化的影響についての説明文である。
1.は発音問題である<2分>。
発音だけの勉強に取り組んでいる受験生はいないかもしれないが、気になる英単語については都度自ら確認をしておく必要があろう。アクセントに関しても同様である。
2.は指示語問題である<2分>。
soは、「そのように」という意味である。前文の内容を指示していることは明白である。
3.は整序問題である<2分>。
howに注目しながら、「どんなに~か」という間接疑問文を作り上げる方針で、単語を組み合わせていくこと。
4.は適語選択問題である<2分>。
‘keep + 目的語 + ~ing’で「(目的語に)~させ続ける」という使い方になる。
5.は単語の適正意味選択問題である<2分>。
‘character’の意味は「性格、登場人物、文字」などの意味がある。沢山の意味を持つ単語は他にもあるので、同様な他の単語もチェックした方がよい。
6.は適語補充問題である<2分>。
白人ハックが黒人ジムと「友人」になったことが原因で、ハックは悩み抜くのである。当時のアメリカ社会における人種問題が背景にある。
7.は適語選択問題である<2分>。
当時の教会が奴隷制を支持していた「事実」を理解すること。
8.は内容理解適語補充問題である<2分>。
設問箇所の直前に“he believes that helping Jim means going to hell”とある。この箇所を踏まえて解答すること。
9.は適語選択問題である<2分>。
⑧については、白人であるハックが生きていた当時のアメリカ社会がどのような社会情勢であったかを考える。
⑨については、ハックが自らの信念に従って(仮に当時の社会規範に反する結果になったとしても)行動することが、どのような「評価」になるのかを考える。
10.内容正誤一致問題である<2分>。
本文の内容把握をしっかり行うこと。一致しないものを選択するので注意すること。
【大問2】説明文の長文内容真偽問題
- 時間配分:
サッカーの発生から派生した類似スポーツに関する説明文の内容正誤一致長文読解問題である<10分>。
a~oの15選択肢の中から内容と一致する選択肢を5つ選択する問題形式である。本文は4分程度で読了し、設問解答に使う時間は6分を目途に取り組もう。特に、年代、数字、経緯などは本文を読み、しっかり把握すること。
【大問3】説明文の長文読解問題
- 時間配分:
説明文における整序問題に関する英語長文読解問題である<10分>。
小問題数は全部で5題である。全問、基本的イディオムや動詞の使い方に関する問題である。完答を目指したい。
【大問4】和文英訳問題
- 時間配分:
和文英訳の問題である<10分>。
設問は全部で5題。各2分程度で解答したいところである。全て、基本的文法知識やイディオムの知識を要求されている。使用単語数が指定されているので、手際よく英語表現を思い浮かべないと時間オーバーになってしまうので気をつけるように。
攻略ポイント
長文読解の総合問題が3題出題される。各々の英文は難解ではないが、事前に様々な英文に接する必要がある。しかも、英文が読めるというだけではなく、短時間で内容把握を行う真の「文章読解力」が必要である。もちろん、単語力をつけることはいうまでもなく、いかに英文を読むスピードを上げるかが勝負である。また、長文を読ませながら整序問題や英作文問題を解くような出題形式になっているので、基本的には長文読解をしっかり読み込むことができるということが大前提である。その上で、一つ一つの設問の趣旨を理解し、適切な解答を見つけるという作業になるであろう。いずれにしても、同程度のレベル(全国上位校)の高校入試問題の長文総合問題を確実に演習(できれば1日に1題)することは合格のために不可欠であろう。