立教池袋中学校 入試対策
2015年度「立教池袋中学校の理科」
攻略のための学習方法
立教池袋の理科においては、身近な理科的な話題を採り上げた大問が多く見られる。いつもの勉強では、あまり触れることがない内容だ。
2014年の「カレーライス」、2012年の「コケ」、2010年の「ヤマネ」や「LED電球」、2009年の「膨張宇宙」。2015年はとりたてて目立つ大問はなかったが、強いて言えば大問6の「ふみきり」の問いあたりか。このうち、「LED電球は塾でも教わったよ」という生徒がいるかもしれないが、それは立教などの学校で出題されたからテキストに取り入れられたのであって、来年にはまた新しい話題が出題されるかもしれない。
もともと小学生の理科の原点は、「身近なものへのなぜ?なに?」であったことを考えると立教池袋の理科の方に正当性があるのだが、中学受験の理科も整理され体系だてまとめられていくと無理・無駄が省かれ、入試に出されやすいものをわかりやすい形で受験生に提供することになる。
それはそれでよいことだし、ほとんどの学校ではその内容の中から出され合格点も取れる仕組みになっている。
立教池袋の場合そのあたり少し異質なところがあるので、過去問を対策する時期になったときには少し注意して問題にあたってみよう。
その点を除くと、大問の文章はていねいでわかりやすく、1つの大問に対して設問も少ないので集中が切れることなく、また苦手な単元が出ても痛手が少ない。どちらかというとやりやすい、解きやすい理科のテストと言えよう。
しかし受験が甘くないのは、だからこそ受験生の多くは取り組みやすく、比較的平均点が高くなっている。簡単でできた、と思うのは誰もが同じこと。問題は、合格点を上回る正答率が出せたかと言うことであり、主観の感想ではない。
やりやすい問題ではあるけれど、6~70%の得点を要求されるとなるとやはり厳しいレベルであることは間違いない。
合格点を取るための秘訣は?
まずは教材などで学ぶ、受験理科の基本的知識は穴のない形で頭に入れてしまおう。男子にありがちだが、計算分野ばかり得意とせず、植物・動物などの暗記物に時間をかけてもらいたい。
聞かれている知識は基本的とはいってもやはり上位校なので細かいことがらまで出来るだけ頭につめ込んで欲しい。柔軟な頭のうちに暗記力を高めておくことは大切で長い目で見ても役立つ能力となる。
難易度としてはそう高くないレベルの設問が多いものの、典型的質問にとらわれずいろいろな視点で聞かれるので、同校の過去問や併願校のそれを演習しながら、入試問題ならではの出題を楽しむつもりで取り組んでもらいたい。
分野の克服が終ったら次は時間配分に余裕が持てるよう、早く解けるように自らを改革しよう。普段行う教材も、制限時間を定めてそれ以内に解くという練習を積めば、解くのにかかる時間はだんだんと短くなるはずだ。自分のペースでやるのは模試でよい。普段は自覚的にスピードを上げて解き、しかも正解できるように体と頭を改造していくこと。スピードが上がればいわゆるマイペースでも十分に間に合うようになる。
30分という短い間にいろいろな問題に会えるのが立教池袋の理科である。過去問を解いているうちは、その設問のユニークさを感じながら、面白いなと思って問題にあたって欲しい。そのゆとりある気持ちの向こうに合格が待っているはずだ。
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2015年度「立教池袋中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
30分で大問は7、小問は25で、1問2点の50点満点。
特色としては、大問1つに対しての設問数が少ないことにある。
通常理科の場合、大問1つに対して設問が5つ以上並ぶことが多いと思うがこの学校は平均して3・4問程度で、あっさりと次の内容に進んでしまう。与えられる問題文はそれぞれ別の条件を与えてくるので、大問5問で小問30より、大問7で小問25のほうが結果的に時間はかかる。
小問数は手ごろではあるものの、時間に余裕は持てない。各単元から繰り出される問題文をテキパキとこなしていく技量が欲しい。
また、問題文の中味も塾や市販の教材に比べると個性的なので、過去問をやり込んでおかないと少しビックリするかもしれない。
【大問1】 植物(森林と二酸化炭素の関係)
- 時間配分:3分
植物に関する問題として、「森林」のことを問われることは珍しいことではないが問題の着眼点はユニークなものになっている。(1)の結果をうまく使えるかどうか。
【大問2】天体(星・月の観察)
- 時間配分:3分
問題文にある「明け方早く」やAの図にある月など、見逃しやすそうなヒントをしっかりとつかんで正解を導いていきたい。
ここでも、(1)の結果が(2)につながっているので解答には慎重さを要する。
(2)はウ・エで悩むがまだ星が見えているのでエでよいと思う。
(3)の星の動きが小さいので少し難しいのではないか…
【大問3】気体の発生とその実験
- 時間配分:5分
気体の発生と言えば、「酸素・水素・二酸化炭素」の実験は必須。それ以外には「アンモニア・塩化水素・二酸化イオウ」まで押さえておければ盤石だ。
この問題のように、それぞれの実験が並べてある問題は十分に勉強済みだろう。ここはしっかり得点しておきたい。
今回の問題では「二酸化炭素」の発生が問われている。
(3)からの計算問題では差がつく。過不足なく反応しているところを表から押さえ、その上で塩酸の体積が2倍になっていることを考えて解けるかどうか。
(4)も容易ではない。
【大問4】物質の性質
- 時間配分:3分
立方体A、B、Cがそれぞれアルミニウム・鉄・プラスチックで作られているとして、それに関する問題。
(1)は基本として、ここでも(2)以降の数値が出てくる設問が勝負所だ。
(4)では浮力のことを問われているので、浮力に関する知識もまとめておきたい。難しい計算はいらないが。
【大問5】圧力に関する問題
- 時間配分:5分
あまりお目にかからない分野なので、問題文と表から「注射器の値とはかりの値」の規則性をつかんでおくこと。それができれば、知識がなくても解くことは出来る。
(1)注射器の値が2分の1になると、はかりの値は3倍になっている。
(2)はかりの値が1.5kgのところをみると、どちらも注射器の値がはじめの3分の2倍になっている。
(3)では、水の体積は変わらないと言うことがわかれば解けるはず。
計算問題が大好きな生徒には得点源となりそうな大問だ。
【大問6】電気に関する問題
- 時間配分:3分
本年度のユニークな出題はこの大問である。さまざまな発電の仕方やLEDに関する設問もあり、時事問題に近い。
しかし(1)以外は落ち着いて解けば基本的な問いと言える。
【大問7】ものの運動(ふりこ)
- 時間配分:3分
最後もふりこの問題と言うことで「また計算か~」と思いきや、かなり基本的な問いばかりだった。
ふりこの周期はふりこの長さによって決まる、という部分が押さえてあれば、なんなく解けるのではないか。
また、(3)の問いは何度も解いたことがあるものだろう。四捨五入することをお忘れなく。
攻略のポイント
テスト時間は30分で50点満点。
受験者平均点は26.9点で、合格点は30点くらいだろう(60%)。
はじめにも書いたとおり、設問数は妥当ではあるものの大問の数が多いので一つ一つの対応に時間がかかり、余裕を持って解くことは出来ないだろう。そしてこの問題のクオリティを考えると、60%を取るのは少し大変そうに感じられる。
本年度の場合は、例年よりも物理・化学分野の問題が非常に多かった。出題内容は比較的オーソドックスだがその手の内容が不得手だった生徒には不利に働いたことは間違いない。立教対策として、このような問題傾向のぶれにも対応できるよう、どの分野にも力を注いで勉強しておこう。
また、理科の勉強を「机上の学問」-つまりテキストを通してしか学んでこなかった生徒は苦しそうだ。テキストや先生たちに教えてもらったこと「以外」にも知識なり興味が欲しいところ。
だから、受験勉強の邪魔にならない程度でいいので、社会的なことと平行して理科的なことにも興味の扉を開いて欲しいと思う。余裕がなければそれはそれでよい。典型題を身につけることの方が先決である。しかし、普段暮らしていてまたは問題を解いていて、不思議だとか気になることがあったら調べるなど積極的に知識を増やして欲しい。来年の受験で大効果があるとは保証できないが、必ずや役に立つことであろうから。
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