指導実例インタビュー
宮廻先生
指導実例インタビュー
宮廻先生
合格実績(五十音順)
青山学院・麻布・桜蔭・鴎友女子・大妻・海城・開成・学習院・学習院女子・吉祥女子・暁星・慶應中等部・攻玉社・芝・渋谷渋谷・頌栄・城北・巣鴨・成蹊・世田谷学園・桐朋・豊島岡女子・広尾学園・本郷・広尾学園小石川・武蔵・明大明治・立教池袋・立教女学院・早稲田・早実・早大学院・浅野・慶應湘南藤沢・慶應普通部・サレジオ・洗足・桐光学園・市川・東邦大東邦・浦和明の星・栄東・立教新座・筑波大附属 他多数
入試までのラスト3カ月で徹底的に弱点を克服。中央大学附属中に合格!
指導を始める前の状況
Y君の場合、入試までラスト3カ月という時期のスタートで、しかも長年通っていた塾をやめたばかり、というやや切迫した状況でした。
ご家庭からは、プロの家庭教師に4科目全て目配りをしてもらった上で、志望校対策をして欲しいとのご要望でした。
科目別では、算数は前の塾で応用問題ばかりに挑戦していたせいもあり、偏差値のわりには基本~標準レベルの理解にムラが残っていました。
国語では、本文を読まずに設問に取り掛かるというあまり望ましくない取り組みが習慣化しており、長文の内容に対して必ずしも真摯に向き合えないことも少なからずありました。
理科の知識は安定していましたが、計算問題に取り組むプロセスがやや雑で、取りこぼしが目立ちました。
社会では漢字表記を含め、問題演習での間違いが放置されたままになっており、学習量のわりに知識が増えていないという状況でした。
また、よくあるケースとして、学校の人間関係によるストレスから、学習面にも影響がでてしまい、精神面でのサポートが必要となる生徒さんも少なくありませんが、いつも明るく気丈に振舞っているY君にも、少なからず抱えている物があると感じられました。そのため、精神的なケアにも注力しました。
指導内容
算数については、塾の総復習用教材を用いて苦手単元の基本~標準問題の確認をし、並行して入試過去問に取り組みました。スピードはあるものの正確さに欠けることから、あえて時間無制限にすることや、事前に「取れたらうれしい点数」「現状の予想点数」「下回ったら悔しい点数」を考えてもらうことで、油断が招いた低得点には悔しさを感じてもらうようにし、モチベーションも高めていきました。
国語では、長文を一読してもらった後に、本文を伏せて口頭試問することで、長文の基本的内容が頭に入っているかをチェックし、安定感のある通読を習慣化しました。また、物語文の中で、自分とは違う立場の登場人物達に対し、自身とは切り離したネガティブな見方をすることがあり、どんな人物にも出来る限り共感的理解を目指すよう伝えました。
理科は、計算問題において、書いて整理することを求めていきました。
社会では、授業中に暗記タイムを設け、またその内容を定期的にテストすることで、着実な暗記というものを体感してもらいました。
結果
Y君は、指導内容や注意点を短期間でしっかりと吸収してくれたため、受験本番までには上述の弱点と見られた部分はほぼ克服できていました。
受験日程に関しての戦略的な部分では、2月の本命校の準備として1月受験をする場合、生徒の性格や状況によって3つのタイプに分けて1月校の選定を考えます。
①緊張しやすい子は1月に安全校を2校くらい受けて合格をもらい、自信を深めて2月に臨む
②実力はあるが油断しがちな子は、難易度の高い中学を受けて不合格で目を覚まし、緊張感を高め2月に向かう
③上記2タイプの混合型で(実際にはこのタイプが最も多いように感じます)1勝1敗くらいのシナリオで適度な緊張感を保って2月に備える
となります。
Y君の場合、もともと打たれ強くタフな反面、本気モードになりにくい傾向があり、1月校は安全第一ではなく、挑戦的な日程を組むことで、たとえダメでも2月に向けて爆発力を高めてゆく作戦をとり、これが予想通り功を奏しました。結果、無事に中央大附属の合格を手にすることが出来ました。
ラスト2か月のラストスパートで、立教女学院中に合格!
指導を始める前の状況
入試直前の12月初めのスタートで、ご家庭のご要望は「とにかく第1志望合格の対策を」というものでした。生徒さんは真面目で意欲十分、ご両親様も熱心かつ無理のない自然なお考えで、中学受験成功の条件が多く揃っていると感じました。まだまだ伸び代も十分あると感じましたが、この時点では模試成績、過去問得点とも合格レベルには届いておらず、中でも算数の不安定さと理科の得点力不足が課題でした。他方、第一志望校に対する思いは強く、徐々に不安と焦りが募り始めているといった状況でした。
指導内容
ラスト2ヶ月間の指導ですので、第一に技術面、第二に精神面でと、次々と手を打ちました。まず算数・理科を中心に苦手分野を再講義し、問題を解く際のコツを伝えてゆきました。算数の大問では、問題文精読→作戦タイム→作図や整理→一気に解く、という各段階の大切さを伝えることに努めました。第一志望校の過去問は20年以上前のものを私が所有していたこともあり、対策も十分に出来ました。同時に、社会では塾の課題の優先度を分析し、また歴史マンガ購入も薦めました。直前期の歴史マンガは息抜きと勉強を兼ねることが出来ます。実際の入試でマンガの絵が浮かんできて思い出せた問題もあったということです。その後、過去問に多くの時間を割くようになってからは、時間配分や様々なテクニックと共に、初見の問題への適切な対処の過程を細かく伝えてゆきました。そうした中で、徐々に親子共に心の余裕を取り戻せたことも大きかったと思います。親御さんへも、中学受験界の実状や、私の過去の生徒さんの成功例をお話しする中で、安心して見守ってあげられる態勢作りが出来ました。中学受験塾の方法論も、量重視から質重視まで多様であり、一方で塾無し受験で高いレベルに到達するお子様もいます。また、必ずしも順調な成績推移をたどれずとも、最終的には必要な実力を身に付け合格を勝ち取るなど、様々な合格ストーリーがあることもお伝えしました。
結果
指導開始後、間も無くの四谷大塚の合不合判定テストでは、良い兆候がある一方で、全体としてはまだ不安な結果でした。ただ、入試直前期の模試結果は必ずしも重要ではなく、あくまで志望校過去問の出来で測るようご家庭に伝えました。その後、よりわかりやすい考え方・解き方を身につけ、テストで力を出し切るコツを覚えてゆきました。その結果、第一志望校の過去問で、当初は合格最低点に1~3割足りなかったのですが、1ヶ月が過ぎると、合格最低点にも届くようになり、更に数十点も超えられるようになってゆきました。安定感も出てくる中、しっかりと合格への手応えを掴んでゆけました。そうして確かな自信を得た上で、受験校全てに合格という最良の結果となりました。
課題を取捨選択し学習精度UP。広尾学園中に合格!
指導を始める前の状況
お母様との家庭学習と個別指導個人塾での算数、という学習スタイルで、ある程度の基礎力と応用問題へのチャレンジをされている状況下でのスタートでした。ご本人は発想の豊かさや知的好奇心の深さに素晴らしいものを持っていて、お母様のリードと管理も大変適切で効果的でした。他方、単元による出来不出来のムラが大きく、復習に頼り過ぎる面や、解くスピードにおいて課題を感じました。彼の個性を尊重しつつ、受験で結果を出す為の改善点もしっかり伝えるべく、指導を開始しました。
指導内容
初めは算数・理科の基本~標準の総復習を行いました。その中で、正答の場合でもより良い内容理解、より良い解法を伝え続けました。また学習のプロセスにはまだ雑な点が多かったので、算数における作図や筆算を重視することで安定感を、また暗記における音読や書写を重視することで、確実な定着を目指しました。当初は優先科目ではなかった社会で、生徒さんの様々な質問に答えたことも良いコミュニケーションになりました。指導半ばの6年生6月のサピックスオープンでは、基本~標準問題中心の算数Aでは、偏差値63と良かった一方、応用問題中心の算数Bでは、偏差値36と極端な結果となり、応用問題への課題が浮き彫りとなりました。そこでは、作図のみならず調べて書き出す姿勢や、時にいったん立ち止まって、解法の方針を再検討すること等を伝えました。同時に、塾からの家庭学習課題に追われて、睡眠不足となりがちであった為、学習精度低下による悪循環を避ける為、課題を取捨選択しました。過去問に取り組むようになってから、当初は第1志望で苦戦が続きましたが、毎回1科目ずつを授業内に解き進めてもらい、時間配分における判断のタイミングや、立ち止まって考えるべき時と手を動かして解き進めるべきタイミングの区別を伝えると、実質ノーヒントで全科目合格者平均点超えを達成しました。
結果
スピードや執着心の向上という観点から、集団塾で学ぶメリットも取り入れたく、私の提案で、6年生4月から早稲アカNN駒東、夏期講習からはサピックスへの通塾をスタートしました。NN駒東では問題と周囲のレベルの高さに、サピックスでは授業のスピードに刺激を受けて良い変化があったと感じています。そうしたことも相まって、当初の成績(5年生12月サピックスオープンで算数偏差値51、4科45)から約1年後の同模試で算数58、4科53まで着実に伸びてゆきました。志望校対策に完全に特化していったのは、最後の1~2ヶ月ですが、第1志望校は独特な出題傾向でしたので、算数のほか国語や理科でも様々な注意点を伝え、見事合格を果たしました。1月校から第1志望入試の前日まで、目線を下げずに高い学校を受け続けたことも、土壇場で力を発揮する本人の性格にあったシナリオだったと振り返ります。
必要な実力アップを最短距離で進め、中央大学附属中に合格!
指導を始める前の状況
Aさんは帰国子女の生徒でした。中学受験に向けた学習はひと通りしてきて、一定の実力を備えていました。ただ、目指す志望校の合格の為には各科目に更なる底上げが必要な状況で、残り期間も限られていたので、合格に必要な実力アップを最短距離で進めてゆきたいというご要望でした。
Aさんは大変真面目で実行力があるお子さんでした。反面少し緊張されやすく、オンラインの適度な距離感がむしろ幸いして、気持ちの面での安心をもたらしていたと感じます。
お母様は授業後のオンライン面談で毎回熱心に質問され、お子さんのサポートに丁寧に取り組まれていました。また熱心ではあっても過熱はされない冷静さもお持ちで、お子さんが日々の学習にも試験本番にも落ち着いて臨める態勢を整えられていたと感じます。私もお母様が不安を抱え込まないよう出来る限りご説明をし続けました。
志望校は第1志望が中大附属、第2志望が成城学園と明確で、抑えの学校もバランス良く考えられていました。合格の為の課題として、算数では苦手分野の克服と、志望校の頻出分野の発展問題への積極性。また国語では、抽象度の高い文章や社会派の内容への理解力。そして帰国入試で重要な作文では、内容・構成・スピードの各面で改善の余地がありました。
指導内容
算数では苦手分野の克服と志望校対策との2本柱で、塾テキストや市販テキストを用いて苦手分野を片っ端から解説し、類題で復習してもらいました。また、志望校の過去問解説を行うと共に、志望校の頻出分野や得意な分野では、発展問題の自主学習にも取り組んでもらいました。毎授業前に、メール添付で問題画像を送ってもらい、画面共有をしてその上に書き込んで解説し、書き写す時間を節約する為にスクリーンショットを撮ってもらい、次々と先に進めて行きました。
国語では、これも事前に長文画像や本人回答をメールで送ってもらい、それを踏まえて改善点を指摘してゆきました。中には読む速度のチェックや精度の確認のため、私から事前にお送りした長文を授業中に読んでもらい、一読した後に本文をふせて大まかな内容の質疑応答をしたりして、読むスピードと精度の両面での向上を図りました。またネットニュースをその場で見せて読んでもらう中で、国語の学習が現実の生活とつながっている事、また国際的な時事問題への意識も高められるよう努めました。
作文では、事前に書いた作文をメールで送ってもらい、画面共有で見せながら、まずは小さな改善点を指摘し修正を加えてゆきました。誤字脱字に始まり、主語の明記やキーワードの積極使用、表現の工夫などです。
また、それ以上に重要な点ですが、作文内容と出題テーマの合致の徹底、構成面での工夫、また作文後半でのまとめの内容が弱くなりがちだったので、うまく書けない時の発想の転換や次善の策なども伝えてゆきました。
指導の上で気をつけた点としては、書く内容はなるべく押し付けずに、本人の発想から導き出すことを目指しました。そして次の授業までに改めて書き直してもらい、完成度を高めてゆきました。公立中高一貫校の適性検査問題なども適宜活用しました。
その他、テストでの緊張への対策を様々な角度から話し合ったり、時間配分のコツを詳しく伝えたりした事も、自信を持って試験に臨めるように後押し出来たように感じています。
お母様との面談では、家庭学習の優先順位や進め方の注意点、必要なものとそうでないものとをお伝えする事で、迷わずにサポート出来る環境整備が出来たと思います。また受験校の願書の中の志望動機の文章も添削を依頼されたので、いくつか訂正のご提案をさせて頂きました。
結果
上記の指導内容を受けて、ご本人は正面から大変熱心に取り組まれ、ひとつひとつ改善を成し遂げてゆかれました。算数での作図力の向上と安定、そして積極性、国語での抽象的文章への意欲的な読解姿勢、また作文はそれまで塾でさほど指導を受けていなかったぶん大幅に実力アップされ、お母様も大変驚かれていました。
模試成績も四谷大塚の合不合判定テストで、算数では偏差値46から58に12ポイント、国語でも50から61へ11ポイントと飛躍的に向上されました。これはもともと持っていた実力を緊張や時間配分での失敗から出し切れずにいた面もあり、その点の根本解決に新たな実力アップが加わった結果と言えます。
そうして迎えた帰国入試本番は一般入試よりも早い11~12月に行われますが、大妻中野と共立女子に続き、第一志望の中大附属に見事合格されました。
オンライン授業の安心感ある適度な距離感、オンラインならではの指導技法、そして何より生徒さん本人の高い意欲と資質、ご家庭の適切なサポートにより、多くの面で実を結んだ充実した中学受験となった事と思います。