大妻中学校 入試対策
2016年度「大妻中学校の理科」
攻略のための学習方法
大妻中理科の満点は60点、合格者平均点は例年6割程度である。知識だけで答えらえる問題もあるが、多くは実験や観察に関する説明を読んだ上で答える問題になっている。
以下、分野毎の学習法について。
生物分野
本年は食物連鎖についての出題であったが、過去の出題傾向から見て特に力を入れて学習して頂きたいのは、植物の働き。光合成・呼吸・蒸散作用などについてしっかり学習して欲しい。その際、各働きを確かめるための実験については、その実験の進め方等についてもしっかり学習して欲しい。
地学分野
天体・気象・地層や岩石 どれも出される可能性がある。天体については、単なる丸暗記ではなく、星や月の動きに関してしっかり理屈(なぜそのように動いて見えるのか)を理解して欲しい。気象に関しては、四季の天気の特徴、雲のでき方、台風についてなどに重点をおいて学習して欲しい。岩石や地層については、岩石の名称などの基本を固めるとともに、地震や火山についても知識を深めておきたい。
物理分野
本年は過去も出題頻度の高かった力のつり合いに関する出題であった。てこや滑車のつり合い・浮力・ばね・物体の運動などについて、計算練習を十分に行って欲しい。
電気や光なども出されることがあるので、怠ることなく学習して欲しい。
化学分野
例年水溶液や気体の性質に関する出題が多く、本年も水溶液の中和に関する出題であった。本年出題されたような、物質を□や◎といった記号のモデルで表す問題は各学校での出題が増えており、今後も注意が必要である。この分野で特に力を入れて学習して頂きたいのは、中和や水溶液と金属の反応、金属等の燃焼に関する計算問題。中でも「比」を使って解くタイプの問題は十分に時間をかけて練習して頂きたい。
基本を固めるのは夏休みを目途に、9月以降は模試や過去問などの実戦的な総合演習、というのが理想であるが、あせりも禁物である。特に苦手と思われる単元については家庭教師のアドバイスなども受けながら多少時間をかけてでもしっかり対策を行って欲しい。
また、模試や過去問で間違えた問題については、やり直しを行うことはもちろん、間違えの多かった分野については、基本からしっかり復習して頂きたい。
過去問を行う際の注意点として、時間配分を考慮することがあげられる。大妻中の理科のテスト時間は30分。むやみに急いで解く必要はないが、どうしてもわからない問題は後まわしにして、できる問題から確実に正答することが大切である。時間切れで手つかずの問題がある、ということは避けるように、日頃から時間配分には気をかけて頂きたい。
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2016年度「大妻中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4題、小問数は35題程度で60点満点。試験時間は30分で例年通りであった。
適語を答える問題、記号選択問題が中心で、計算問題も何題か含まれている。
30分ですべての問題をしっかり考え、答えるにはある程度のスピードも要求される。
塾のテキストや参考書の内容が理解できていれば解ける問題が多く、合格者平均は例年6割程度(35点程度)である。
【大問1】 生物分野 食物連鎖に関する出題
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
問1 水中および陸上の食物連鎖に関する出題
問2 光合成に関する出題
「さく上組織」は葉の中で葉緑体が多く並んでいる組織。光合成の働きは光の量が限度を超えると一定になる。
問3 光合成に関係するもの、つまり、植物をすべて選べばよい。
問4 トンボの幼虫は「ヤゴ」と呼ばれる。
問5 「食べる」「食べられる」の関係において、「食べる」生物が減少すると、「食べ られる」生物が一時的に増加する。
問6 ある調査地区に生息する生物の総数を求める計算問題
「調査地区に生息するネズミの総数:一定範囲ではじめに捕まえたネズミの数=一定範囲で再び捕まえたネズミの数:マークのついているネズミの数」が成り立つ。ただし、調査地区内のネズミの総数が変動しないという条件が必要である。
問6の計算問題は考え方が難しく、正答率も高くはなかったであろう。問2の選択問題は、上であげた2点を理解しているかがポイント。それ以外は確実に正答しておきたい。
【大問2】物理分野 台車の運動に関する問題
- 難度:標準
- 時間配分:8分
問1 台車の速さを求める基本問題。「動いた距離÷かかった時間」で求める。
問2 表のデータから、AがBに合体して重さが2倍になると、速さが1/2になっている。つまり反比例の関係が成り立っていることに着目して欲しい。
問3~問6 表から2台の台車の重さと速さの関係を考察できるかどうかがポイント。
知らないからといってあきらめないで欲しい。知らないのはほぼ全員同じ条件、データをしっかり見て欲しい。
Aの速さ×Aの重さ+Bの速さ×Bの重さが衝突の前後で変化しない。これは2つの振り子の衝突運動でも成り立つので、頭の片隅において欲しい。
【大問3】地学分野 気象に関する問題
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
問1 雲は地上から上空への「上昇気流」よってできる。
問2 図は気象衛星ひまわりで撮影された衛星写真である。
問3 写真の雲の様子から台風であることがわかる。
問4 ゲリラ豪雨などとよばれる短時間での集中豪雨をもたらす雲は積乱雲(入道雲)である。なお、しとしと長い間雨を降らせる雲は乱層雲。
問5 (1)非常に判断に迷う問題である。湿度が100%に近いと雨と考えられる。
(2)湿度が下がり気温が上がった日が晴れた日と考えられる。
問6 「下がったり、上がったりを何度もくり返しながら大きくなっていく」という説明がヒント。表面がとけたり再び凍ったりをくり返しながら、同心円状に木の年輪のように模様を作る。
問6は難問、問5も判断に迷う問題。それ以外は基本知識を問う問題であり、確実に正答したい。
【大問4】化学分野 中和反応についての出題
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
問1 BTB液の色の変化についての基本問題
酸性:黄 中性:緑 アルカリ性:青
問2 中和反応でできた塩化ナトリウム(食塩)の結晶は立方体に近い形状。
問3 砂と食塩を分けるには、水に溶かした後で砂をろ過で取り除き、食塩水を加熱して水を蒸発させればよい。
問4 「塩化アンモニウム」はなじみの薄い物質かもしれないが、「塩」「アンモニウム」から塩酸とアンモニアをイメージして欲しい。
問5 炭酸カルシウムとりゅう酸バリウムは水に溶けない。炭酸水と石灰水で生じる白い沈殿が炭酸カルシウムである。
問6 (イ)は金属と塩酸の反応、(オ)は金属の酸化に関する説明で中和とは関係しない。
問7 説明文から塩酸:水酸化ナトリウム=5:4であれば中和することがわかる。
水酸化ナトリウムが50㎤なので、塩酸は62.5㎤必要。12.5㎤加えればよい。
問1~問3と問6は基本問題、 問7の計算問題も確実に正答したい。問5と問6は知識の問題ではあるが、やや迷いやすい問いになっている。
中和の問題では問7のような比を使って考える問題に確実に正答できるように練習して頂きたい。
攻略のポイント
ここ何年かの出題分野を見ても、生物(植物・動物など)・地学(天体・気象・岩石など)・物理(力学・電気・光など)・化学(水溶液・気体の性質など)、以上4分野からまんべんなく出題されている。強いて言えば、植物、力学の出題が多い傾向にあるが、何が出題されるか山をかけるような学習は危険である。何が出題されても大丈夫なような準備をしておきたい。やや難しい問題も何題か含まれているが、多くは塾のテキスト等をしっかり学習していれば解くことができる基本問題である。すべての単元の基本を確実に固めることが最も大切な攻略ポイントである。
夏休み中までを目途に基本を固め、秋以降の模試や過去問演習で実戦力を身につけて欲しい。
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