立教新座中学校 入試対策
2016年度「立教新座中学校の社会」
攻略のための学習方法
[問題形式]
平成26年度から解答の形式が大きく変わった。25年までの立教新座の社会入試問題は人名・地名・用語などの語句記入が大部分で、記号選択問題はほとんど出されなかった。
しかし26年度では選択式28問・語句記入13問と選択式が多くなり、そして27年度では選択式12問・語句記入28問とまた記入式の方が大半を占めていて、年度により変えてきているようである。
このように、ここ数年は意図的に形式を変えているようなので、この点についてあまり気にしてもしかたないかもしれない。
なお、総問題数40~50問に1行程度の説明記述が1~3問出される点は、以前と変わりないようである。30分という試験時間はやはり少ないので、速さも必要である。
[地理分野]
大問は3つで、それぞれ地理・歴史・政治と分かれているが、過去にはそれらが融合した問題も出されている。
地理分野は地図や図表を用いて地名・地形・気候・産業について幅広く出題されていて、以前と変わらず日本地理全体の基礎的内容が問われている。
新幹線の路線別輸送量の表など、普段見慣れない表も使われているが、細部に踏み込んだマニアックな設問はほぼ見られない。
したがって対策は今まで通り、まずは基本事項を覚える、そして地図やグラフを常に参照しながら白地図等でまとめて確認し、資料集で新しい統計を頭に入れて全体を結びつけていく・・・・・・という地理の勉強の王道となろう。
特に日本地図は飽きるくらい眺めて脳に取り込んでしまいたい。
選択式になったとはいえ、これまで同様、正確な知識が必要であることは当然である。
[歴史分野]
歴史分野はあるテーマをもとに様々な時代の政治・文化について訊かれている。ここも地理と同様、極端な難問は出されていない。
ただし、時代や年号があやふやだと答えられない問題が多いので、人物・出来事の基本事項とその関連事項について年表などを使って時代・年代ごとに統合して覚えるのが肝要である。記述は当然、漢字で書けるようにしておく。
[政治分野]
政治分野は例年、憲法・三権の仕組み・国際連合などについて出題されているが、日本国憲法や政治のしくみに関する問題が頻出傾向なので、特に力を入れて理解しておいた方がよい。
[過去問演習]
全体としては、やはり大きく変わった解答形式にまず慣れることだろうか。選択肢の細部によく注意して、ヒントや問題点を見逃さないように。
似た形式の問題が出る、例えば城北中学校などは受験難易度を考えても併願校として考えやすいので、城北の過去問で練習するのもいいかもしれない。
とは言うものの・・・・・・。
過去問を遡って見てみると、立教新座という学校は、試験がワンパターンにならないように毎年工夫しているようである。地図の読み取りが集中して出されたり、リード文が会話形式になっている年度があったりと、バラエティに富んでいる。
しかし、出題の範囲や難易度はほぼ一定で推移しているので、あまり問題の形式に神経質にならない方が良いかも知れない。来年度はまた元に戻してくる可能性だってゼロではないのである。
中学入試の典型的な問題も多いので、ミスの無いよう、問題集で練習を重ねて確実に得点できるようにしておく。その上で、テキスト以外の教材も活用して、断片的な知識をまとめて、すらすら思い出せるようにしておく。
1~2行で答える記述問題なども、覚えた知識を利用してその一歩先を自分で考えなければならない問題になっていることもある。しっかり身につけた知識でないととっさに活用できない。
自分が勉強してきた範囲全般にわたっての確実な知識を持つ。環境問題・時事問題にも対応できるように、新聞やニュースにも興味を持って目を向ける。そのようして偏りのない総合的な実力を持たないと、合格ラインにはなかなか届かないであろう。
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2016年度「立教新座中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数42問のうち、記号選択23問・適語記入17問・短文記述2問となっている。本文の分量は多くないが、用語記入と資料の読み取りに結構時間を取られるし、選択肢もしっかり見分けないといけないので、時間に多くの余裕は無い。短文記述1問2分・その他は40秒ほどでてきぱき解いてゆく手際の良さが求められるだろう。
[大問1] 地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
- ★必答問題
東海道新幹線に沿った地域について、川や用水の問題が多く出されている。そのため、詳しい知識が必要な問題もあり、やや難しかったかもしれない。
問1の(1)は、県外に働きに出る人が少ない点・高齢者人口が多い点から山梨県が特定できるだろう。(2)の用水は覚えていない人も多かったと思われる。学校の所在地周辺の地形や地名が問題となる例があるので、余裕があれば調べておくのもよい。
問2の(2)は、もし神戸のような大きな港が掘り込み港であれば代表例として知られているはずであろうから、神戸は当てはまらないと見分けられるだろう。(3)は難しい。砂嘴を形成する場所まではなかなか覚えていないだろう。
(5)で短文記述問題が出ている。下流の水害を防ぐために上流にダムを造成し水量をコントロールすることはよく知られていことである。
(8)も簡単ではない。位置は覚えていても湖の形まではよく見ていない人もいただろう。
地理分野はやや難しい印象だが、基本レベルの問題も多いので、そういうところは取りこぼしのないようにしたい。
[大問2]歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
- ★必答問題
双六を題材にして、幅広い時代から出題されている。設問はユニークだが、訊かれている内容は一般的な歴史の問題である。地理分野と比べて難易度も低めになっている。
使われている図版もよく見るもので、鳥獣戯画が分からなかった人は少ないだろう。
問2で出ている江戸時代の改革は、他校でもよく出されている項目なので、改革の時期・内容・関係する人物など、混同しないようにしっかり覚えてしまおう。
問4・問5は戦や一揆・改革について面白い形で問題になっている。それぞれのおおまかな内容を知っていれば難しくはないが、問題文は長めである。
[大問3] 政治・経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:10分
貨幣という話題で憲法や経済・国際関係について訊かれている。
問1は消去法で一つに絞れる。問2の(2)は南スーダンがアフリカにあることがわかればできるだろう。
その他の問題も基本的なレベルで、ここは点を稼ぎたいところである。問6の(4)は短文記述だが、沖縄における米軍の現状はよく見聞きしているところだろうし、正解者も多かったであろう。
攻略のポイント
全体の文章量と問題数を考えると、やはり時間は少ない。記号選択問題も、迷ってしまうと意外に時間を取られる。
・すぐ答えが思いつかない問題は後回し。選択肢問題は怪しい語句や部分に目印をつけ、時間があればじっくり吟味する。
・問題数から考えて、1~2行で書く短文記述の配点は他の問題より1~2点高い程度とも考えられるので、自信が無ければ他の問題で得点を稼ぐ、と割り切るのも良い。
・長いリード文は、解答と直接の関係が無さそうな部分は、さっさと読み進む。
というように、時間配分をうまく考えてとにかく一度、全ての問題に目を通す。政治経済の問題などはしっかり覚えていれば確実に得点できるのだから、時間が足りずに見られなかったなどという事態にならないようにしたい。
内容については、中学入試の社会で出される典型的な問題が多いので、まずは基本事項を着実に覚える。そこから、テキスト以外の教材も活用し、その事項に関連した細かい部分まで一緒にまとめておく。
全く見たこともないような問題は少ないので、難問の練習に時間をまわす必要はない。うろ覚えでない、確実な知識を身につけておきたい。
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