渋谷教育学園幕張高校 入試対策
2016年度「渋谷教育学園幕張高校の英語」
攻略のための学習方法
全体的には標準的な問題であるが、特に習得して欲しい文法事項を何点か指摘しておきたい。
第一に、完了形である。完了形には現在完了と過去完了についてしっかり学習しておいて欲しい。特に現在完了については、完了(結果)、継続、経験の用法があるのでそれぞれ例文を参照して特徴を理解しておいてほしい。
また、経験の完了形の疑問文とその答え方、否定文の作り方につい十分な理解をしておくこと。
第二に、接続詞としてのasについての用法をよく覚えておいて欲しい。
意味としては
①~なので(理由)、
②~のとき(時)、
③~だけれども(譲歩)、
④~のように(様態)、
⑤~につれて(時の経過)
などが主要な意味である。
Asについては、接続詞の他に前置詞の使い方がある。ここで、接続詞と前置詞の違いを確認しておきたい。接続詞は文章が続くが、前置詞の場合は後に名詞が来るということである。意味を考えないと前置詞か接続詞化の見分けがつかないということではなく、文章か名詞かの区別を見ればよいのである。その上で、前置詞であればasは①~として、という意味であることをしっかり覚えておいて貰いたい。
第三に、関係代名詞である。先行詞が人物であるか物であるかで使用する関係代名詞が異なること、そして主格(主語の位置で使う形)、目的格(目的語の位置で使う形)、所有格(所有の位置で使う形)で各々使用する関係代名詞が決まってくるということも理解していて欲しい。
さらに、目的格は省略されることもあるというルールを含めて、関係代名詞については最重要項目としてしっかり参考書や問題集を使用して確認を怠らないように。受験生は英文が長くなれば長くなるほど、内容把握が難しくなる実感を持っているかもしれない。
では、英文は何故『長く』なるのか。その主要な原因が『関係代名詞』である。先行詞にどんどん関係代名詞をつなげていくことによって英文は長くなる。したがって、長い英文を正確に読むことができるかどうかは、関係代名詞をいかにマスターすることができるかどうかにかかっているということになる。
第四に、強調構文である。基本的な形は『It is ~ that …』である。『~』の部分を強調するための構文である。何を強調できるかというと、動詞以外は何でも強調できる。主語、目的語はもちろんのこと、前置詞句も強調できる。
主語を強調する場合は、『It is you that did such a thing.(あなたがまさにそんなことをやったのだ)』となる。
また、前置詞句(場所など)を強調する場合は、『It is at the station that you did such a thing.(まさに駅であなたはそんなことをやったのだ)』となる。
さらに、強調するものが時間ならば『when』、人物ならば『who』、場所ならば『where』、理由ならば『why』とそれぞれthatと置き換えて使用することができる。
こうすることにより、強調するものがより鮮明に確実に読み手に理解して貰うことでできるのである。
受験英語にとって上記事項だけが全てではないが、この事項を参考にしながら、基本的文法事項をしっかり習得して欲しい。
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2016年度「渋谷教育学園幕張高校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、誤箇所訂正問題である<5分>。基本的な文法知識が確実に定着していれば完答も不可能ではない。
大問2は、長文読解と整序の融合問題<5分>。単なる文法知識だけではなく、文脈の流れに沿ってどのような文章が適切であるかを見極めて英文を考える。
大問3は、長文読解と英作の融合問題である<7分>。ここでも、単純に英作文を行なうというのではなく、文脈の中でどのような英文を作ればいいのかを判断しなければならない。
大問4は、長文(説明文)読解である<10分>。内容は難解というレベルではないが、日本語の訳出に工夫が必要である。
大問5は、物語の長文読解である<17分>。人物の発言内容などからその内面の心情などを読み取ること。
【大問1】
- 時間配分:5分
誤文訂正問題である。
内容的には、基本的な文法知識があれば完答も可能である。
1.「~しに行く」という表現はgo ~ingであり、toは不要である。
2.「~とは違う」「~異なる」はbe different fromである。
6.答えが“No,thank you”となっているので、その質問は“Would you like ~”となる。
7.newsは不可算名詞なので冠詞であるaは付かない。
11.visitは他動詞なのでtoは不要である。
12.look(名詞)を修飾するのは形容詞である。
【大問2】
- 時間配分:5分
物語文の長文読解と整序問題の融合問題である。
設問は全部で5題であるが、各設問は1題につき1分で解答したい。
1.had to decideとつなげる。
2.On his bedとつないだ後、the kingを主語として文章を組み立てる。
3.第五文型で使用するmakeの用法をあてはめる。
4.AとBとの間の相違、というイディオに従って単語をつなぎ合わせていく。
5.“agree to ~”は「~に賛同する・~賛成する」という意味のイディオムである。
【大問3】
- 時間配分:7分
長文読解と英作文の融合問題である。
本問は、単純に与えられた日本語から英作文を考えるというオーソドックスな英作文問題ではない。
笑い話として空欄を埋めなければならないので内容をしっかりと踏まえ、長文の中で文脈にあった英文を考えて解答するという問題である。
【大問4】
- 時間配分:10分
説明文の長文読解である。壁に関する話である。
歴史上もっとも有名な万里の長城とハドリアヌスの長城についての記述がある。さらには、ベルリンの壁に関する言及がなされており、最近の壁として「電子の壁」について述べている。
問1は英問英答問題である<5分>。
(ア)「壁が人々を出国させない場合に、彼らに何が起きるか」。
(イ)「侵入者とはだれか」。
(ウ)「許可なく何かを行うことは何を意味するか」。
(エ)「物理的な壁やフェンスは何か」。
(オ)「壁やフェンスが人々を分断するとき、彼らに何が起きるか」。
問2は適正文章選択問題である<5分>。
1の後の文章では、壁の目的を挙げている。
3は直前に、東西ベルリンの間の通行が突然止まった、とある。該当する空欄の前後の文章をしっかりと内容確認を行うこと。
問3は内容正誤問題である<6分>。
本文の文脈を丁寧に追いかけて、選択肢の内容との整合性を確認する。
このような類の問題は、紛らわしいように本文の表現を選択肢内で上手く別の表現を使ったりしているので、そのような個所を見抜いて正解を導き出すこと。
【大問5】
- 時間配分:
物語の長文読解である。
人物の発言内容や内面の描写などに留意しながら内容を把握する。
問1は指示語解釈選択問題<2分>。
直前の文章について内容把握を十分行うこと。
問2は文整序問題<6分>。
各々の文章の関連考え、どれとどれをつなぐかを合理的に考える。
問3は内容要旨把握問題<1分>。
「このことについて、多くを知っていた」とあるので、「このこと」が何かを考える。
問4は英文解釈問題<4分>。
「母はつかまえることよりも追いかけることの方がもっと得意であった」。be good at ~「~が得意である」というイディオムの比較級表現になっている。
問5は適正文章補充問題<2分>。
「母はもう一度言った」とあるので、どのような内容の文章が入るかを考える。
問6は適語補充問題<2分>。
“How can ~ ”は反語表現であり、「どうしてできようか、できるわけながない」という意味になる。
攻略ポイント
全体的にみると、すべての分野から出題されている。
合格点を取るための知識としては、基本的な文法事項、イディオム、長文読解力(速読力と精読力)が求められ、かつ聴く力が必要である。
受験生の中には、相当量の文法知識を蓄積している場合もあるだろう。しかし、大事なことは、知識として蓄積している様々な知識を適切にかつ迅速に設問に当てはめられるかである。言い換えれば、一つの問題にその正解へとつながるヒントが詰まっている「記憶の中の知識の引出し」を自力で開けられるかどうかである。
そのためにも、いろいろなレベルの問題に慣れておくことが必要であるし、長文読解も数多くの英文を読む習慣が不可欠である。