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浅野中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2017年度「浅野中学校の理科」
攻略のための学習方法

答案作成力

答案作成能力のうち、注目したいのは、速度と精度の、2つの能力だ。これらの能力は、一朝一夕には身につかない。単純な知識の暗記であれば(一問一答であれば)、直前の対策でも、生徒に身につけさせることはできる。しかし、答案作成能力は、短期的には伸びにくい。長期間の学習によって、少しづつ身につけていくものだ。
したがって、浅野中学校の志望者は、受験の早い段階から(理想的には小学5年生の後半から)、本番を想定した学習を心掛けたい。
具体的には、演習問題を解く比率を増やすべきだ。中学受験のカリキュラムは、知識を定着する暗記と、知識を活用する演習に、大別される。浅野中学を志望するのであれば、基礎知識の暗記では満足せずに、積極的に演習まで、挑戦していってほしい。学習時間を増やすことにはなるが、その演習の成果は、受験の本番が近づいてくれば、はっきりと現れてくる。

資料の読解力

資料を読み取る能力は、合否を左右する。中学受験においては(12歳の段階では)、知識の量に、大きな差があるわけではない。そこで、浅野中学では、志望者を選定するために、「知識の量」だけではなく、「知識の活用」を、試験していると考えられる。資料問題の比重を高くして、「ただ覚えているだけの子ども」と「覚えたことが活用できる子ども」を、判断しようとしているのだろう。
例えば、【大問4】の各設問は、ていねいに解説していけば、大半の子どもは正答できる。きちんとした基礎知識さえあれば、難しくはない。知識の量が多い志望者は、必ずしも有利にはなっていない。しかし、視点を変えて、志望者の正答までの所要時間に、注目してみる。すると、もっとも速い者で7分、もっとも遅い者で15分くらいに、差が開くだろう。その差の一番の原因は、資料を読み解いていく速度にある。

算の工夫

計算力には、いくつか確認しておきたい点がある。
まずは、試験時間40分の間、細かな数字を扱い続けても、息切れしないだけの持久力が求められる。設問数が多く、単純に手を素早く動かしていかなければならない。一問一問を解く速度を上げながら、試験の後半になっても速度が落ちないことが求められる。
また、細かい小数点以下の計算になった場合でも、計算の精度が落ちないかも気になる。この点は、小学校5年生の段階から、計算練習を積んでおけば、準備がしやすい。
最後に、試験時間内に、迅速に見直しができるように、式を整理して書き残しておく習慣が欲しい。もし、間違った解答を見つけても、あらたまって計算式を書き直している時間は、本番にはないはずだ。

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2017年度「浅野中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

試験時間は40分で、得点は80点満点だ。大問数は4問で、出題分野ごとにきちんと整理されている。設問数は39問で、見直しを考慮すれば、1問当たり1分以内に解答していかなければならない。受験者は、基礎的な理解力に加えて、答案作成の速度が求められている。

【大問1】生物(植物)

  • 難度:標準
  • 時間配分:9分

単元:植物
内容:生物の体色と、光の性質にどのような関係があるのかが問われている。小学生に身近な出来事からはじまり、より広い環境の理解へと導く内容となっている。

(1)と(5) 時事問題だ。ノーベル賞で話題となった青色発光ダイオードや、日焼けの原因となる紫外線が、登場している。受験者が、日頃から理科に興味をもって、探求しているかどうかが問われている。

(10)設問文に「水は赤い光を吸収しやすい性質があり」と、誘導があるのに気づきたい。

【大問2】化学(水溶液)

  • 難度:標準
  • 時間配分:11分

単元:水溶液、気体の性質
内容:水溶液と気体の基本的な性質が問われている。科学の法則を理解しているだけではなく、正確な計算も要求されている。

(1)から(3) 難易度は標準的で、計算力の基準となる設問だ。全問正解を目指そう。 水溶液の基礎知識を、確認する設問だが、設問文を丁寧に読まなければならない。読解速度を上げて、解答時間を減らさないようにしたい。

(6) 身の回りの世界へ、科学の知識を適用する設問だ。胃液には塩酸が含まれており、胃液が酸っぱいことを思いつけただろうか。

 

【大問3】地学(太陽と月)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:9分
  • ★必答問題

単元:太陽と月、星の動き
内容:会話文を通して、目に見える惑星たちが、どのような法則で動いているのかを確認する。天体の正確な知識が求められている。

(1) 良問だ。普段は月齢を図で確認しているが、図ではなく言葉による定義はどのようなものかが問われている。理科の基本的な用語を、自分で説明する訓練を積んでおくと、正答しやすくなる。

(3)と(4) 知識の正確さの基準となる設問だ。地球から見た月が、満月になる場合と、月食になる場合があるのは、公転面が影響している。

【大問4】物理(電気 磁力)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:11分
  • ★必答問題

単元:電気、磁力
内容:現代社会の産業の基盤となっている電磁石の技術を通して、物理の法則を理解しているかが問われている。

(2) 実験器具の設問だ。電気回路における整流子のしくみが問われている。理科実験には積極的に参加しておきたい。

攻略のポイント

受験者の平均学力から判断すれば、基礎的な知識問題は、誰もが得点してくるはずだ。であれば、合否を決定するのは、答案作成能力になる。答案作成において、計算能力と資料分析能力を、意識して鍛えておきたい。
例えば、計算能力であれば、【大問2】(1)から(3)と、(7)から(8)が、正確に計算できるかが、到達すべき基準になる。
同様に、資料分析能力であれば、【大問3】10分以内に解答できるように、鍛えておきたい。

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