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立教新座中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2017年度「立教新座中学校の算数」
攻略のための学習方法

1月下旬に実施される立教新座の入試は、1月男子校最後の1校として、2月の受験合否を占うという意味でも非常に大きな意味を持ち、第一志望とする生徒にも、2月校への力試しという位置づけの生徒にとっても失敗したくない・負けられないテストであることは間違いない。

受験生は多いものの合格者を多数出し(補欠も多く出す)、倍率は2倍前後と安定しているにもかかわらず合格するのは容易ではない。

それは受験生自体の水準が高いからである。中でも、算数は受験生にとって受験生活最後に屹立する大いなる壁と言っても過言ではない。

立教新座中学が開校したころの問題に比べるといくぶん内容も薄味になり、条件の複雑さも山を越えた感はあるが、それでも受験生にとって解きやすい問題とはとても言えない。それは例年の合格点の低さからよく分る。新座合格を勝ち得るためには、基本レベルを超え、応用力にまで踏み込んだ力がどうしても必要になる。

そのためには、早い時期に「解き方のベース」となるテキストに出題されている「例題・典型的問題」の解法に用いられる公式や解き方はすべてマスターしてしまうこと。

中堅校までの算数はこの段階でもはや完了していると言ってもよいが、新座の難問突破にはまだ入口に過ぎない。

その上で、頻出度は高くないが、さらに水準の高い公式・解き方などをひとつでも多く身につけておきたい。
「円の面積の求め方」=「半径×半径×円周率」が出てこない生徒はいないだろう。では、「円の面積=半径×弧の長さ÷2」はどうか?

また、「整数aと整数bの積は、(a・bの最小公倍数)×(a・bの最大公約数)と等しい」は?

他にもいくつもあるだろう。ただ一通りの解き方を手に入れただけでは学力としてはまだ十分とは言えないので、新しく登場した公式・解き方はどん欲に覚えておこう。

 

[応用・発展問題]

さらなる難題は、難問が解けるようになる、と言うことである。
「基本的な問題なら解けるのだが、少し応用が入ると解けなくなってしまう」という悩みは多くの受験生が抱えていることと思われる。

新座の難問というのは突然新しい考え方を生み出さなければ解けない、というものではなく、以前より知っているはずの解き方・公式を使って解けるのだが、それが条件の複雑さなどによって発見しにくくなっているものが多い。

なんとか解き終るなり模範解答を見ると「なんだそういうことか」と分るけれどもなかなかそこに行き着かない場合である。これは同程度の問題を分量こなしていくことによって慣れてくるところがあるので、問題演習量によって克服したい。

 

[分野別の対策]

次は分野別に対策を施したい。

この2年間で特にフューチャーされているのは「図形」分野である。もちろん以前から出題されてはいるものの、本年度は半分が図形の問題であった。また、難易度も高く、図形の出来いかんで合否が決まったことは間違いない。来年度もその傾向にあることが強いと考えられ、典型的問題だけでなく、もう一つ二つ上のレベルの問題にも手が出るように仕上げておきたい。

逆に、「数の性質」と「速さの問題」は下火になった。本年度は「速さの問題」が旅人算の設問が2つ、数の性質は【大問1】に1つと公倍数を使う大問が1つあっただけであった。

問題傾向に大きな変化が生じてきている可能性があるので注意を要したい。

しかしいずれの分野も大切な内容であることはもちろんなので、やることはしっかりとやっておくこと。

 

[まとめ]

合格するための学習法をまとめると

・「図形」全般など、出やすい分野に関しては徹底的に時間をかけ、得意とは言わずとも恐れることなく問題にあたれるようにしっかりとした準備をしておくこと。

・合格点の低いテストである。どれもこれも手をつけ、難易度の高い設問を深追いせずに自分の力にあった問題を見つけ、それで合格ラインを超えられるような確実性を身につけよう。

・基本的な力だけで満足することなく、少なくとも年内は難問にチャレンジする意欲を見せよう。決して無理な注文ではないはず!

2月校の併願として同校を受験する生徒が多数と思われるが、2月校と同じ程度の対策時間を作っておこう。2月校への訓練にも十分になる。

過去問に取りかかるのは秋からでよい。合格点を見据えて大いに奮闘してもらいたい。

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2017年度「立教新座中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が5と減ったものの,小問は24とやや増加した。

最初の計算問題を除くと,大問1から水準以上の問題が並び、その内容も多岐に及ぶ。特に中盤から後半にかけての大問は難易度も高く、かつての重厚さを取り戻したようだ。質量ともに豊富であるだけにに時間は50分では不足気味となるだろう。

本年度の合格点は40点手前後と低いので,中堅クラスの設問ははずさず、超高難度の設問は「捨て問」とするなど方針をしっかり持って問題にあたりたい。

【大問Ⅰ】計算・数の性質・平面図形と比・旅人算・円の転がり移動

  • 難度:やや難
  • 時間配分:15分
  • ★必答問題

(1)は小数を分数に直してうまく扱おう。あまり時間をかけずに解けることが大切だ。

(2)は唯一標準を下回る難度の問題で、いまどき「3で何回わりきれますか」はないだろうという問い。せめて「6」か「12」にして欲しいところ。ここは絶対正解。

(3)は平面図形の、面積と比の問題で、難度が急上昇する。特に②は正解者が少なかっただろう、と予想される。全体の面積は60なので、ACの長さを(60÷4=)15とし、AEの長さを○とおいて式を立てて解くとなんとか○の値が求まった。ここの失点はやむを得ないか。

(4)は条件が多く、一見凝った速さの問題に見えるが、解いていくと標準レベルの旅人算であることがわかる。ただし、時間を秒で与えるなど作業を増やしてくれている。                       ①は速さのつるかめ算。②は60秒後の二人の位置を確かめてみるとまだすれ違っていないので、次の60秒間の途中ですれ違うことが分かる。このとき、太郎君は速さが変わっているので要注意である。

簡単とは言えないが、ここは必ず正解したい。

(5)は円の転がり運動としては典型的な問題なので正解しておきたいが、作図したうえで円周率の関係する計算式や細かい辺の長さ、面積の方では円が通らない部分をひくなど面倒な作業が満載だ。           ここが得点できていると後半楽になるので、ぜひ正解しておきたい。

設問が9つあるうち、5つ以上はあてておきたい。

<時間配分目安:15分>

【大問Ⅱ】仕事算

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

ここは砂漠の中のオアシスだ。たっぷり正解しておきたい。

(1)~(3)は仕事算の流れさえ身についていれば短時間で解けることと思われる。必ず正解せよ。

(4)は3通りの仕事のやり方があるので「3つのつるかめ算」を使えば求めることができる。ここはそうやさしくはない。

<時間配分目安:8分>

【大問Ⅲ】周期算

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

唯一数の性質を用いる問題であり、本年度では貴重だ。

(1)は2、3、4、5、6の最小公倍数を求めればよい。

(2)からはなかなか厄介だ。5色のうち、4色を選んでそれぞれの最小公倍数を求めていくわけだが、それだけでも5通り調べないといけない。ただし、この作業は次の(3)の正解も導くので慎重に。(2、3、4、6)の組み合わせが最も早く12秒後に同時に点灯する。

(3)60秒後以外に同時に点灯する組み合わせは(2、3、5、6)の場合で30秒後に点灯する。5色が同時に点灯する60秒後までに、(2346)は12、24、36、48秒後の4回、(2356)は30秒後の1回点灯するので、60秒間で5回、300秒間では25回と正解できる。

(4)はさすがにもうつらい。スルーして次の大問に進みたい。

<時間配分目安:10分>

【大問Ⅳ】立体図形(体積・表面積)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

最後にそびえたつ立体図形の難問が二つ続く。立方体を直方体の形にくりぬく、というよく見かけてきた問題だ。はたして本番でその成果が出せるかどうか…

(1)は2つの直方体がちょうど真ん中で交差しているので解きやすかったことと思われる。また、解けていないといけない。

(2)は逆にまったく交差しない場合を考えればよい。考えさえ及べば、式や計算は(2)のほうが手間がかからない。

  • (3)は交わる部分が半端になるので一番難しい場合となる。(2)までができていればよしとしよう。

 

<時間配分目安:8分>

【大問Ⅴ】立体図形(立方体の影)

  • 難度:
  • 時間配分:8分

立体図形の分割と並んで最も難易度が高いと考えられるのが立体図形の影の問題だろう。作図の能力、相似形の応用力など多くのスキルを必要とされる。
問題が与えている条件はさほど複雑なものではないので(1)(2)が正解できる生徒はさらに(3)も解ける可能性が高い。

<時間配分目安:8分>

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。

本年度は、昨年同様、いやそれ以上に「図形」に重きが置かれ,かつての重厚さを取り戻したかのような問題群であった。

この学校の倍率は2倍強なので,平均点を上回れば合格ラインに乗る。
本年度のテストだと40点台前半から合格ラインに達すると考えられる。
【大問1】で半分強、【大問2】は最低でも設問3つ、【大問3】からは(1)を着実にあてていければなんとか合格点は取れそうだ。
最難関校を狙う生徒は80点以上はとっておきたいところ。

立教新座の算数を解けるようになるためには,
・塾の教材や市販の問題集などで,中~高程度の難易度を持つ問題に多く触れ,ねばり強く問題を解くこと。
・分野的には「平面・立体図形」を特に強化しておこう。

これだけの分量を時間内でこなし,合格点を取ることは容易ではない。まず,基本レベルは早いうちに脱しよう。そして,余裕を持って応用力が試される問題にトライしていこう。

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