立教新座中学校 入試対策
2017年度「立教新座中学校の社会」
攻略のための学習方法
[問題形式]
平成26年度から解答の形式が大きく変わった。 25年までの立教新座の社会入試問題は人名・地名・用語などの語句記入が大部分で、記号選択問題はほとんど出されなかった。
しかし26年度では選択式28問・語句記入13問と選択式が多くなり、そして29年度では選択式14問・語句記入25問とまた記入式の方が大半を占めていて、年度により変えてきているようである。
このように、ここ数年は意図的に形式を変えているようなので、この点についてあまり気にしてもしかたないかもしれない。
なお、例年出題されていた1行程度の説明記述1~3問は、29年度では出題されなかった。30分という試験時間はやはり少ないので、速さも必要である。
[地理分野]
大問は3つで、それぞれ地理・歴史・政治と分かれているが、過去にはそれらが融合した問題も出されている。
例年、地理分野は地図や図表を用いて地名・地形・気候・産業について幅広く出題されていたが、29年度はこうした資料は用いられなかった。内容は以前と変わらず日本地理全体の基礎的内容が問われている。
新幹線の路線別輸送量の表など、普段見慣れない表も使われているが、細部に踏み込んだマニアックな設問はほぼ見られない。
したがって対策は今まで通り、まずは基本事項を覚える、そして地図やグラフを常に参照しながら白地図等でまとめて確認し、資料集で新しい統計を頭に入れて全体を結びつけていく・・・・・・という地理の勉強の王道となろう。
特に日本地図は飽きるくらい眺めて脳に取り込んでしまいたい。
選択式になったとはいえ、これまで同様、正確な知識が必要であることは当然である。
[歴史分野]
歴史分野はあるテーマをもとに様々な時代の政治・文化について訊かれている。ここも地理と同様、極端な難問は出されていない。
ただし、時代や年号があやふやだと答えられない問題が多いので、人物・出来事の基本事項とその関連事項について年表などを使って時代・年代ごとに統合して覚えるのが肝要である。記述は当然、漢字で書けるようにしておく。
[政治分野]
政治分野は例年、憲法・三権の仕組み・国際連合などについて出題されているが、日本国憲法や政治のしくみに関する問題が頻出傾向なので、特に力を入れて理解しておいた方がよい。
[過去問演習]
前年と少し出題の形が変わることが多いが、戸惑わないようにしたい。形は変わっても、内容や難易度が大きく変わるわけではない。選択肢の細部によく注意してヒントや問題点を見逃さないように、用語を漢字で書けるように、例年通りに意識して練習しよう。
似た形式の問題が出る、例えば城北中学校などは受験難易度を考えても併願校として考えやすいので、城北の過去問で練習するのもいいかもしれない。
とは言うものの……。
過去問を遡って見てみると、立教新座という学校は、試験がワンパターンにならないように毎年工夫している。地図の読み取りが集中して出されたり、リード文が会話形式になっている年度があったりと、バラエティに富んでいる。
しかし、出題の範囲や難易度はほぼ一定で推移しているので、あまり問題の形式に神経質にならない方が良いかも知れない。来年度はまた元に戻してくる可能性だってゼロではないのである。
中学入試の典型的な問題も多いので、ミスの無いよう、問題集で練習を重ねて確実に得点できるようにしておく。その上で、テキスト以外の教材も活用して、断片的な知識をまとめて、すらすら思い出せるようにしておく。
例年はよく出題されている1~2行で答える記述問題なども、覚えた知識を利用してその一歩先を自分で考えなければならない問題になっていることもある。しっかり身につけた知識でないととっさに活用できない。
自分が勉強してきた範囲全般にわたっての確実な知識を持つ。環境問題・時事問題にも対応できるように、新聞やニュースにも興味を持って目を向ける。そのようにして偏りのない総合的な実力を持たないと、合格ラインにはなかなか届かないであろう。
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2017年度「立教新座中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は39問で、用語記入25問・記号選択14問となっている。記述問題は出題されなかった。
試験時間は30分と短い。知識があれば答えられる問題が多いので、テンポよく解いていける。
ただし、設問の文が詳しく長い傾向にあるので、全体の文量は多めになっている。読むスピードは速い方が良い。
できる問題を確実に取るために、ひととおりすべての問題に目を通せるようにペース配分を掴んでおきたい。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
埼玉県を話題に、地理の様々な問題が出題されている。
問一 地図・地形の問題はよく出題される。川の流域や山岳の位置など、地図でよく見慣れておこう。
問二 台地は水はけが良いという特徴がある。逆に言えば水を得るのが難しいという面もある。水田には向かない地質である。
問四 割合が高くなるに従って、高齢化→高齢→超高齢化と呼称が変わる。21%を超えると超高齢化社会となる。
問六 ②は数値がおかしい。夜間人口が多いなら100を下まわるはずである。
問八 肥料は米以外の作物でも使用するし、使用量では参考にならない。
問十 セメント・ガラス・陶磁器など、土や砂を加工する工業は、窯業である。
問十一 正解を知らなくても、消去法で選べる。美濃や小千谷などの地名をヒントに消してゆけば良い。結城紬は茨城県・栃木県で作られている。
問十二 岩槻は五月人形や雛人形の有名な産地である。
<時間配分目安:10分>
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
- ★必答問題
三国志を話題に歴史上のいろいろな事物について訊かれている。
問二 金印『漢委奴国王』はよく訊かれる問題なので覚えてしまおう。志賀島は福岡県にある島。
問三 江田船山古墳は熊本県、大山古墳は大阪府、稲荷山古墳は埼玉県にそれぞれある。
問四 鑑真は和歌を詠んでいない。
問六 (1)大輪田泊は日宋貿易で利用された港。
問八 大化の改新で中大兄皇子と中臣鎌足が蘇我蝦夷・入鹿父子を打ち倒したことを指している。
問九 阿倍仲麻呂には望郷の念を詠んだ有名な和歌があるので一緒に頭に入れておこう。
問十 外国に移住し住み着いた人々。国籍をとった人を華人、中国籍のままの人を華僑と呼んでいる。
問十二 漫画に興味が無い人には不利な問題だったかもしれない。
問十三 弘前市で開かれるねぷた祭りもある。一般的には青森市のねぶた祭りが有名。
<時間配分目安:12分>
【大問3】政治・経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
問二 (2)日本銀行は他の銀行と異なり、一般企業や個人との取引はしないため、「政府の銀行」・「銀行の銀行」などと呼ばれる。
問三 一般の人々が作る「市民オンブズマン」についても、ニュースなどで聞いたことがあるだろう。
問四 (2)生存権の条文は非常に良く出題されるので、まだ覚えていない人はこの機会に覚えてしまおう。
問六 (2)国家公務員の人事・給与などの業務を行う機関が人事院。独立官庁のひとつである。
<時間配分目安:8分>
攻略のポイント
年度により出題傾向が多少変化する。なるべく多くの過去問をこなして、いろいろなパターンの年度を経験しておこう。文章量も多めである点、意識しておく。
内容については、中学入試の社会で出される典型的な問題が多いので、まずは基本事項を着実に覚える。そこから、テキスト以外の教材も活用し、その事項に関連した細かい部分まで一緒にまとめておく。
全く見たこともないような問題は少ないので、難問の練習に時間をまわす必要はない。うろ覚えでない、確実な知識を身につけておきたい。
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