江戸川学園取手中学校 入試対策
2017年度「江戸川学園取手中学校の理科」
攻略のための学習方法
江戸川学園取手中の理科の満点は100点(算数・国語は150点)、28年度の合格者平均は7~8割程度であり、例年よりやや平均点が上がっている。
ここ数年の問題レベルを見てみると、塾のテキストなどで学習する内容が理解できていれば、概ね得点できる基本レベルのものが中心となっている。
各分野からほぼまんべんなく出題されているので、特定の分野に的を絞って学習するのではなく、どの分野から出題されても大丈夫なように、すべての分野の基本をしっかり固めて欲しい。
夏休みが終わる頃までには各単元の基本知識を固め、秋からの模試・総合的な演習・過去問演習に備えられればベストであろう。ただし、秋以降においても模試や過去問などでできなかった問題については基本に立ち返ってしっかり復習して欲しい。
今年度はグラフや図を描かせる問題がすべての大問において見られた。グラフの読み取りやグラフ記入の練習にも時間をかけて欲しい。
分野毎の学習法
生物分野
本年度は「光合成」および「だ液の働き」に関する出題であった。 近年では植物・動物に関する実験や観察に関する問題がよく出題されている。
メダカ・昆虫・主な植物については、テキストの図・絵・写真なども含めて学習して欲しい。 植物については光合成・呼吸・蒸散作用などの働きについても出題される可能性が高いので、働きを確認するための実験方法と合わせて学習すること。 さらに、人のからだの働き(消化・呼吸・血液循環)についてもしっかり押さえておきたい。
地学分野
本年度は「月の見え方」および「地層」に関する出題であった。天体について出題されている年が多く、今後も星の動きや月の満ち欠けについては出題される可能性が高いと思われる。
近年の問題を見てみると、フェーン現象・地震発生時のP波とS波に関する問題など計算を必要とする問題も出題されている。単なる知識丸覚えだけではなく、問題演習をある程度経験しておく必要があろう。
物理分野
本年は「ばねの伸び」および「豆電球の明るさ」に関する出題であった。ここ何年かの問題を見ると、てこ・滑車・輪軸のつり合いや振り子に関しての出題が見られている。
力のつり合いに関しては、計算問題を含めてしっかりと練習をしてきたかどうかが試される出題が多い。電気や光に関して出題されることもあるので、怠りなく学習して欲しい。
化学分野
本年度は「水の三態変化」および「中和反応」に関する出題であった。最近の入試では水溶液と金属の反応・金属の燃焼などが出題されており、計算問題が出題されることも多い。基本知識をしっかり固めた上で、塾のテキストや問題集を使って、計算練習はしっかり行って欲しい。
江戸川学園取手中の入試で合格点を取れる力を身につけるためには、苦手な単元を作ることなく各分野の基本を固めて欲しい。その上で、力のつり合いの計算問題などの練習を十分行い、直前期には過去問演習などを通じて総合力を身につけて欲しい。
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2017年度「江戸川学園取手中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4題、小問数は40題程度で100点満点。(国語・算数は150点満点)
試験時間は40分で例年通りであった。
記号選択問題、適語を答える問題、計算問題が中心だが、すべての大問において、グラフや図を描かせる問題が含まれていたのが特徴的であった。実験や観察に関する問題文を読んで答えるタイプの問題が中心であり、知識の丸覚えだけでは対応できない問題も多い。
問題数が多いので、できる問題から解答欄を埋めていくといった、時間の使い方も重要なポイントになる。
【大問1】生物 光合成・だ液の働き
- 難度:易
- 時間配分:10分
- ★必答問題
A 植物の光合成に関して
問1 植物が光合成によって発生した気体は「酸素」である。
問2 酸素の中では、線香が激しく燃える。
問3 光合成によって「でんぷん」が作られる。
問4 グラフより、電灯の数と発生した酸素の量には「比例」の関係がある。
問5 電灯の数が3つなので、酸素は3目盛り分増える。
B だ液の働きに関して
問1 ヨウ素液は「でんぷん」と反応して青むらさき色に変化する。
問2 糖にベネジクト液を加えて加熱すると、赤かっ色の沈殿を生じる。
問3 実験の結果より、だ液は40℃においてでんぷんを糖に変える働きがある。
問4 80℃という高温では、だ液の中に含まれる消化酵素がこわれてしまい、温度をその後下げても
働かなくなる。
問5 だ液の中に含まれる消化酵素は「アミラーゼ」である。
Aは光合成について、Bはだ液の働きについての基本的な出題。
消化酵素の名前やベネジクト液の色の変化などやや細かい知識についての問いもあるが、テキスト等でしっかり学習してきた受験生にとっては易問だったと思われる。
<時間配分目安:10分>
【大問2】物理 ばね・豆電球の明るさ
- 難度:標準
- 時間配分:10分
A ばねの伸びについて
問1 ばねaは自然長が10cm、10gで5cm伸びるので、おもりの重さが
40gのときは、10+5×4=30cm
問2 自然長が20cm、20gで5cm伸びることをグラフで描く。
問3 ばねを直列につないでいるので、おもりの重さが30gのときのばねaの長さとばねbの長さの
合計になる。
問4 ばねaには50g、ばねbには30gの重さがかかっている。
問5 ばねa、ばねbそれぞれに40gの重さがかかると、ばねの長さは2つとも
30cmとなり棒は水平になる。このときのおもりの重さは40×2=80g。
B 豆電球の明るさについて
問1 bの直列回路では二分の一、cの並列回路では1、ここまでは基本。Dは合成抵抗の考え方を
利用すると三分の一になる。
問2 エが点灯しウが点灯していないことから、ウとエは並列つなぎと考えられる。
問3 実験の結果からLEDの接続の仕方を考えると、エだけが点灯しないことがわかる。
Aは塾のテキストや問題集でも見かける標準的な出題。確実に正答したい。
Bの問1のdは合成抵抗の考え方が必要だが、この接続における電流の数値を覚えていた受験生にとっては易問になった。問2、問3は最近流行のLEDに関する出題であった。
<時間配分目安:10分>
【大問3】化学 水の三態変化・中和反応
- 難度:標準
- 時間配分:10分
A 水の三態変化について
問1 初めに出てきた小さな泡は、水の中に溶けていた「空気」である。
問2・問3 大きな泡は水が水蒸気に変化したもので、この現象は「沸騰」である。
問4 ガラス管から出てきた水蒸気は、冷やされて水のつぶ(湯気)になる。
問4 水の量を半分にすると沸騰するまでにかかる時間も半分になるが、沸点は変わらないという点に
注意してグラフを描く。
B 中和反応について
問1 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和反応で発生する「中和熱」である。
問2 「完全中和」すると、中和熱の発生は止まる。
問3 完全中和後さらに水酸化ナトリウム水溶液を加えると、温度は低下し、電流は増加する。
問4 実験の結果より、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を1:2の割合で混ぜた時に完全中和する。塩酸と
水酸化ナトリウム水溶液を1:3で混ぜているので、アルカリ性となり、BTB液の色は青色に変化す
る。
問5 中和でできた食塩と余った水酸化ナトリウムが残る。
水の三態変化と塩酸と水酸化ナトリウム水溶液による中和反応に関する出題で、ほとんどが塾のテキスト等で見られる標準的な出題。ここでもグラフを描く問題が見られるのが特徴的。
<時間配分目安:10分>
【大問4】地学 月の見え方・地層
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
A 月の見え方について
問1 月のまるいくぼみは「クレーター」と呼ばれる。
問2 月の南中時刻は1日に約50分ずつ遅くなる。
問3 同じ時刻の月の位置は1日に約12度ずつ東よりに移る。また、月は1時間
に約15度東から西に移動する。
問4 月の公転周期と自転周期が同じなので、月は常に同じ面を地球に向けている。
問5 月は地球の周りを反時計回りに公転している。太陽光の当たり方によって
満月→下弦の月→新月→上弦の月→満月 と変化する。
B 地層について
問1 小石・砂より軽いねん土は、最も遠くまで運ばれる。
問2 海岸線が後退して次第に浅くなると、土砂のつぶは次第に大きくなる。
問3 地層が堆積している途中で一度陸地になると、「不整合面」ができる。
問4 火山灰が堆積してできた岩石は「ぎょう灰岩」である。
問5 地層ができた時代を知る手がかりとなる化石を「示準化石」という。
A問5の図の描き方でやや迷うかも知れないが、それ以外は基本知識に関する問題が並んでいる。
<時間配分目安:10分>
攻略ポイント
ここ何年かの出題分野を見ても、生物・地学・物理・化学の4分野からまんべんなく出題されている。 各分野から2単元ずつ、計8単元から出題されている。 植物・昆虫・天体・気象・力学・電気・燃焼・水溶液などあらゆる分野から出題される可能性がある。
多くが塾のテキスト等で学習していれば十分対応できる問題なので、不得意単元を作ることなくすべての単元の基本をしっかり固めて欲しい。
問題の形式は、実験や観察に関する文章やデータや図が提示され、それについて解答する問題が多くなっている。秋以降は過去問あるいは同じような問題形式の演習もしっかり行って欲しい。
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