桐朋中学校 入試対策
2017年度「桐朋中学校の社会」
攻略のための学習方法
[傾向]
試験時間30分で、大問が3つに総解答数30前後という構成。
ここ数年は大問1・2・3がそれぞれ歴史分野・政治分野・地理分野の問題と、3つの分野が決まった形式でバランス良く出題されている。記号選択と用語記入が大部分で、字数指定の無い4~5行程度の記述問題が2問含まれるという形も毎年変わりない。
基本レベルの知識を問う問題が中心で、オーソドックスな試験と言える。
[地理分野]
日本の国土・地勢・各地の産業に加えて、日本と関わりの深い国々の問題も見られる。
地図や資料を使った問題やグラフの読み取りもよく出されている。
基礎的な知識を問う問題が多いが、この地理分野では、「○○の第2位と第3位の県」というような、1位を覚えているだけでは答えられない質問や、人口100万人以上の都市についての問題(平成25年度)なども出され、細かい知識を訊かれることもある。地図帳・白地図で地名や地形等の基本的な事柄や位置を確認しながら、資料集で産業や経済のデータを億劫がらずに第3位まで暗記するなど、丁寧に取り組みたい。
また、ヨーロッパ・アジア・中東地域など、日本とつながりのある国や地域についてもしばしば出題されるので、こちらも地図や資料集で位置や基本的なデータは頭に入れておくようにする。
[歴史分野]
各時代から幅広く出題されている。
基礎的な知識で答えられる問題がほとんどで、漢字で書きづらい難しい人物名なども出されていない。
政治史・文化史といった一つのテーマに沿った出題が多く見られるので、年表で各分野の流れを整理しておくと良い。資料もよく使われるので、資料集で図版などもよく見ておく。
ここしばらく、2問の記述問題の内、1問がこの分野で出されるパターンが続いている。
歴史上の出来事や重要語句について説明させるような内容で、テーマについて考えを述べるような論述問題ではない。歴史の基礎的な知識が定着していれば、十分解答できるレベルである。
記述と訊くと難しいと思いがちだが、自分の知識をまとめれば答えられる問題であり、字数の細かい指定もないので比較的書きやすい形式でもある。苦手意識を持たず、しっかり答えて欲しい。
[政治分野]
日本国憲法・三権の仕組みなどの基本をしっかり頭に入れておけば特に困らない。
この分野と関連づけて時事問題が出されるので注意する。
そして、2問の記述の内、もう一問がこの分野で出題される。
こちらは歴史分野と少し違っていて、「社会の問題点を、統計などの特徴から読み取らせる」といった内容が多く、少し難しくなっている。
ただし、これもよく話題になる事柄が多く、テキストや副教材にも解説が載っている場合も多いので、初めて聞いたなどということにはならないだろう。記述用の問題集を使っての練習も有効である。
[まとめ]
男子上位校の割に、社会の問題は素直で基本的な出題傾向となっている。
難問集などは必要無いので、テキスト・副教材を丁寧に学習して基本をしっかり身につけるべきである。
地図帳や白地図で名前や位置、地域の特色なども整理しておく。
並べ替えの問題など、一般に難しいとされる形式の出題もあるが、先で述べた記述問題の場合と同じく、基本的には十分な基礎知識があれば答えられるような問題となっている。
とにかく、特別変わった対策は要らないので、基本事項とその周辺知識は弱点を作らずしっかりマスターするということを心がけて欲しい。合格者平均点も高めとなっているので、不用意なミスをしないよう、落ち着いて試験を受けられる精神力も身につけておきたい。
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2017年度「桐朋中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数38問で時間は30分。リード文はさほど長くない。150字ほどの解答欄でまとめる長文記述に7~8分・70字ほどの記述に4分ほどかけて、残りは迷わずてきぱき答えていこう。
記述問題以外は、考え込むような時間を取られる問題はほとんど無いので、テンポよくすすめて、記述問題に時間を残そう。
【大問1】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
北海道新幹線を話題に、歴史についての質問が並ぶ。
問一
(1)選択肢それぞれ、室町・明治・弥生・平安・縄文・奈良の各時代の出来事。時代がはっきり分かれているのでわかりやすい。
(2)吉野ヶ里遺跡(佐賀県)・三内丸山遺跡(青森県)など、代表的な遺跡名と場所を覚えておこう。大輪田泊は現在の神戸港にあたる。
(3)8代将軍足利義政の跡目争いが発端となった応仁の乱。
(5)卑弥呼は当然漢字で書けるようにしておく。
(6)武士として初の太政大臣になったこと・天皇に娘を嫁がせるなど親戚関係を結んでいったこと・一族の者を朝廷の要職につかせたことなど、まとめればよい。
(9)「陸奥」は東北地方の太平洋側の地域。選択肢ではエが当てはまる。
問二 この松前藩に対する蜂起をシャクシャインの戦いという。
問四 平戸は後にオランダの商館が建てられた場所。
<時間配分目安:7分>
【大問2】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
峠や海峡を取り上げて、各地の地理について訊かれている。
問一 ①芦ノ湖の近くで箱根のことだとわかる。武器の流入や大名の妻子が逃げ出すことを防ぐため、厳しい取しまりがあった。
②・③現在の地名を書いてくれているのでわかりやすい。
⑤説明から、対馬海峡が思いつく。
⑦鳴門のうず潮で有名な観光地である。
問三 碓氷峠は東京から軽井沢に向かう途中で通った人もいるかも知れない。昔は峠越えの難所であった。
問六 イギリスとフランスの間にあるのはドーバー海峡。地下を通るユーロトンネルには、車ごと乗れる列車が走っている。
問七・問八 ここも世界地理の問題が並ぶ。世界の代表的な地名は頭に入れておこう。
問九 日本の代表的な6つの気候区分の雨温図を覚えているだろうか。それぞれに見分けるポイントがあるので、整理しておこう。
<時間配分目安:12分>
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
伊勢志摩の話題で現代社会の問題になっている。
問二 和歌山県天神崎での活動なども有名である。企業等による開発を阻止して保存するために、地域住民が協力して土地や施設を買い上げて保全する。
問四 ア.最近では、アニメに縁のある神社がファンの聖地とされ、訪れる人が増えた例がニュースなどでしばしば取り上げられた。
イ. ふるさと納税は、厳密には納税ではない。ある都道府県や市町村に寄付をすると、その分税金が安くなり、返礼品をもらえるという制度である。最近、返礼品が高価になり過ぎて問題になった。
ウ.地産地消の考え方である。
問五 このような、グラフや統計から読み取れることを述べる記述問題が例年出題されている。漁業の就業者が減っていること・その中で60歳以上の人には若干の増加も見られることが読み取れるので、この点をまとめれば良い。
<時間配分目安:11分>
攻略のポイント
出題形式や難易度など、例年通りのイメージである。
合格者平均点は8割を超えていて安易なミスは命取りである。難問・奇問は出題されないので、テキスト・副教材を丁寧にヌケがないように学習し、基礎の徹底を図りたい。どちらかと言えば、地理に細かい知識を問う問題が多いので、意識して取り組んでおこう。
2題ある記述問題は、過去問で字数のまとめ方をよく練習しておくと良い。
また、データを読取ってそこから考えられることを書く記述問題が毎年出されているので、類似問題をこなして経験を積んでおきたい。
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