聖光学院中学校 入試対策
2017年度「聖光学院中学校の理科」
攻略のための学習方法
[科学法則の理解]
科学法則は、暗記するのではなく、きちんと理解しよう。暗記と理解は、似て非なるものだ。教科書に書いてある公式を暗記したら、そこから、どのような物事にその科学法則が活用できるのか、理解を深めておきたい。
例えば、【大問4】の(4)から(6)は身近にある楽器や車の音が、どのような条件で変化して、私たちに耳に聞こえるのかを、科学的に理解できるように、設問が構成されている。
現代社会は、何気ない暮らしのなかに、いくつもの科学法則がそれとなく潜んでいるので、観察する機会には困らないだろう。実験授業や理科教室も、各地で開催されている。それでも、もし実験の経験が不足していると感じたら、担当の家庭教師に、おすすめの理科の実験教材を紹介してもらってもいいだろう。
授業を提供して終わりではなく、子どもの学習状況に合わせて、学習全体を支援できる点に、家庭教師の強みがある。
[生活環境の観察]
設問文の題材は、小学生の生活環境で出会いそうな物事だ。ここで問われているのは、志望者が、生活環境とのやりとりの経験から、知識を深めているかどうかだ。
例えば、【大問1】の(4)は、日本の動植物の固有種・絶滅種・外来種を、題材にしている。正答するためには、科学的な目で、日頃から興味を持って学習していく姿勢が、求められている。
[学習の質]
本校のように思考力に重点を置く試験は、志望者がどのように学習しているのか、つまりは学習の質が問われる。
中学受験は、短期間に膨大な知識を吸収しなくてはならないために、どうしても学習の量へ、目が行きがちだ。次から次へ、いただいた教材や、返却された模試が、溜まっていく。そうすると、いつのまにか教材やカリキュラムを消化することばかりが気になり、きちんと内容を理解しているのか、確認を怠りがちになる。
もちろん、ある程度の学習量は必要だが、こと本校の志望者は、ある段階(理想的には6年生の春ぐらい)から、思考力を鍛えるような演習を中心に据えて、学習の質を高めていくべきだろう。
そのような場面では、家庭教師は(集団授業の先生と比較して)学力の状況をきめ細やかに見れるという利点がある。
子どもがきちんと科学法則を理解できているのか、思考力が伸びているのか、どのような教材を中心に演習したらよいのか、適切な判断を提供できるだろう。また過去問の採点についても、自己採点に不安が残るようであれば、添削指導が期待できる。
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2017年度「聖光学院中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は40分で、得点は100点満点だ。大問数は4問で、出題分野ごとにきちんと整理されている。設問数は33問と、多くも少なくもない。しかし、設問文が長く、資料の読みこみも必要となるので、単純な一問一答形式の試験とは、時間感覚が異なる試験構成だ。
【大問1】生物(生物と環境)
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
単元:動物、植物、生態系
動植物の進化と多様性を通じて、生物の生態系について、理解できているかが問われている。なお、解答時間と比較して、設問文が長いので、文章を読み進めながら、同時に解答用紙を埋めていけるように、慣れておきたい。
(4)日本の固有種についての設問だ。近年は、生物の多様性に注目が集まっており、固有種、絶滅種、外来種などの用語を、きちんと理解しておこう。
<時間配分目安:8分>
【大問2】地学(天体)
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
単元:天体
太陽の性質について、さまざまな切り口で問うている。難易度は簡単で、ていねいに知識を確認しておけば、正答できる。知識をどこまで覚えておくべきなのか、本校の受験者にとって、良い基準になるだろう。
(2)設問文に惑われないように、きちんと光の法則を確認したい。光の反射角は、入射角と等しくなる。また、空気から侵入する光は、屈折角が、入射角よりも小さくなる。
<時間配分目安:11分>
【大問3】化学(水溶液)
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
単元:水溶液
水溶液の実験を通じて、水溶液の性質を理解しているかが問われている。
(1)受験者の科学への興味を試す設問だ。日ごろから、科学がどのように生活に役立っているのか、意識して学習しておきたい。大理石、貝殻、歯磨き粉などに、炭酸カルシウムが含まれている。
(4)から(6)受験者の計算力の基準となる設問だ。小数第1位までの計算が求められ、全問正解ができるようになろう。
<時間配分目安:9分>
【大問4】物理(音)
- 難度:難
- 時間配分:12分
単元:音
音の性質を、さまざな切り口で問うている。ただ音の性質を暗記していればよいのではなく、科学法則にもとづいて、本格的な計算問題ができることが求められている。
(4)と(5)受験者の思考力を問う設問だ。文章で設定された法則を、しっかりと理解できていないと、正答できない。得点が上がらない生徒は、暗記で計算問題をしていないか、確認してほしい。
<時間配分目安:12分>
攻略のポイント
いずれの設問も、知識の丸暗記では太刀打ちができない。しっかりとした科学法則の理解に裏付けられた思考力が求められている。思考力を鍛えるために、学習の量だけでなく、学習の質が問われており、受験者との相性がはっきりと出る試験といえる。
過去問の演習を通じて、わからなかった設問には、わかるまで根気よく取り組みたい。反対に、わからないままでとりあえず暗記する学習方法では、得点は伸びない。また、優れた授業を提供できる理科の先生のもとで学ぶことも必須であろう。
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