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明治大学付属明治中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2017年度「明治大学付属明治中学校の理科」
攻略のための学習方法

明治大学付属明治中の理科の得点は、例年75点満点。
基本的な問題が中心で、実験や観察の結果(グラフ・表など)をもとに考えるタイプの問題も多い。
計算問題や作図をして考えるタイプの問題、実験器具の使い方、時事的な内容を含む問題も出題されることがある。まずは基本知識の定着、そして秋以降には、過去問や出題傾向に近いタイプの問題の演習も十分に行っておこう。演習に使う問題の選択については、家庭教師に相談して欲しい。
時事問題対策としては、日頃からニュースや天気予報に関心を持つことが最も大切である。
入試直前には、時事問題対策の問題集なども利用しよう。

分野毎の学習法

・生物分野 
本年は「からだのはたらき」「昆虫のからだのつくり」「植物のはたらき」について出題された。今後も、植物のはたらき、昆虫について、食物連鎖について、人のからだの働きについてなどの基本知識に関する出題が多いと予想される。これらの分野も、単なる丸暗記ではなく、実験や観察を通して考えさせる問題の演習をしっかりおこなって欲しい。例えば、だ液のはたらきの実験、光合成の実験などをしっかり押さえておきたい。

・地学分野 
本年度は「地震波」に関する出題であった。過去の出題を見ると、この分野では天体に関しての出題が多い。この分野の学習についても、まずは知識を確実に固めることが第一である。月の満ち欠け・季節の星座や星の動き・太陽の動きに関しては、今後も出題されることが十分予想される。天体の動きに関しては、単なる丸暗記ではなく、どうしてそう動いて見えるのかという理屈もしっかり理解して欲しい。また、気象(台風について、フェーン現象についてなど)、地震や火山噴火について、岩石や地層についての出題も十分考えられる。どれが出題されても大丈夫なように、基本の確認・問題の演習を十分こなしておこう。

・物理分野 
本年は「物体の落下運動」「光の性質」についての出題であった。過去の出題傾向を見ると、「力のつりあい」「電気」の出題頻度が高くなっている。この分野の学習としては、てこのつり合いなど力のつりあいについての計算問題をしっかり練習しておこう。また電気については、豆電球の明るさだけでなく、電熱線の発熱などについてもしっかり学習して欲しい。

・化学分野 
本年度は水溶液の性質に関する出題であった。過去の出題傾向を見ても、水溶液の性質・気体の性質に関する出題頻度が高い。今年は化学の計算問題は出題されなかったが、今後は中和・水溶液と金属の反応・金属の燃焼・溶解度等に関する計算問題も出題されることが予想される。この分野の対策として、まずは水溶液や気体の性質、指示薬の色の変化など基本知識を確実に固めよう。その上で、塾のテキストや問題集を使って計算問題の練習もしっかり行うことが必要である。

各分野の共通事項として、実験や観察の進め方、実験器具の使い方についてしっかり学習しよう。また、時事問題対策としては、入試直前期には時事問題対策の本が各塾や出版社から出されるので、活用して欲しい。

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2017年度「明治大学付属明治中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は7題、小問数は30題程度で75点満点。(算数、国語は100点満点)
試験時間は40分で例年通りであった。適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心で、記述問題はなかった。塾のテキストや問題集などで見られる標準的な問題が中心で、際立った難問は見られない。実験や観察に関する説明や結果の表・グラフについての出題が多い。
また、光の反射については作図をして考える出題も見られた。
慌てることなく落ち着いて取り組もう。

【大問1】化学分野 水溶液の性質

  • 難度:
  • 時間配分:5分

水溶液の性質に関する出題

実験の結果より、A:炭酸水 B:食塩水 C:アンモニア水 D:水酸化ナトリウム水溶液 E:うすい塩酸
(1)5つの水溶液はすべて無色である。
(2)食塩水は中性なので、紫キャベツ液を加えると紫色になる。
(3)刺激臭があるのは、アンモニア水とうすい塩酸。
(4)気体が溶けているのは、炭酸水・アンモニア水・うすい塩酸
(5)水酸化ナトリウムとうすい塩酸の反応は中和反応で、できる固体は食塩である。

 水溶液の性質に関する基本知識の問題。確実に正答して欲しい。

【大問2】実験器具の使い方

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

実験器具の使い方に関する出題

(1)図1:メスシリンダー  図2:上皿天秤
(2)メスシリンダーは水平な台の上に置き、真横から見て、最小目盛りの10分の1まで読み取る。
(3)分銅はピンセットでつまみ、手で持ってはいけない。また、上皿天秤の使用後は、2つの皿を重ねて保管する。
(4)分銅は重いものから順にさらにのせていく。5g→戻す→1g→1g→1g→1g→戻す→500mg→250mg→戻す→100mg→100mg→戻す→50mgでつりあう。したがって、戻すのは4回である。
(1)~(3)は易問。(4)はあまり見かけない出題だが、「分銅は重いものから順にのせていく」という基本に従って考えて欲しい。

【大問3】生物分野 からだの働き・昆虫

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

ヒトのからだの働きと昆虫のからだのつくりに関する出題

(1)ジカウイルスに関連した出題。妊娠中の女性が感染すると、胎盤を通して母親から胎児に移る可能性がある。蚊は完全変態、昆虫は胸部に4枚の羽と6本の脚がついているが、蚊の後ろの羽は退化している。また、蚊は人間の吐く二酸化炭素を感じ取るといわれている。
(2)血しょうは血液の中の液体成分である。
(3)母親と胎児の間で、酸素・二酸化炭素・栄養・不要物の受け渡しは行われるが、赤血球などの血液が混じり合うことはない。

近年流行したジカウイルス感染症をテーマにした出題。蚊のからだのつくりに関しては基本知識なので確実に正答したい。母親と胎児の間の物質の交換に関しては少し迷うかも知れない。

【大問4】生物分野 植物の働き

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

植物の動きに関する出題

(1)植物は光が当たっているときのみ光合成を行い、呼吸は常に行っている。
(2)陽性植物にあたるのは、アカマツ・クヌギ・ススキである。
(3)光合成で作られるのはでんぷんと酸素である。
 
最近多くの学校で出題される「光の強さとでんぷんの増減」に関するグラフの問題。問題集等で一度は見たことのある受験生も多かったはずで、難問ではない。ただし、(2)の陽性植物を選ぶ問題は、しっかりした知識を持っているかが試される。

【大問5】物理分野 物体の運動

  • 難度:やや難
  • 時間配分:7分

物体の運動に関する出題

(1)実験1より、物体の重さと落下距離は関係ないことがわかる。
(2)実験3より、投げ出す速さと水平移動距離は比例の関係にあることがわかる。
(3)2.5秒後の水平移動距離が10mであることから、秒速4mで投げ出したと考えられる。
(4)落下距離が20mなので、落下して止まったのは2秒後。2秒での水平移動距離は35mなので、秒速17.5mで投げ出したと考えられる。
(5)2つの物体は60÷(5+15)より3秒で衝突する。3秒での落下距離は45mなので、45mより高い位置から落下させると、2つの物体は空中で衝突する。

中学以降の物理で学習するような物体の落下に関する出題だが、グラフのデータ等を読み取ると解くことができるような問題になっている。

【大問6】物理分野 光の性質 

  • 難度:やや難
  • 時間配分:7分

光の性質に関する出題

(1)入射角と反射角が等しくなることを利用して、作図によって求めればよい。
(2)同様に作図によって求める。
(3)同様に作図によって求めるが、XとYの2回反射して見える像に注意する。
(4)同様に、XとYの2回反射する像に注意して作図する。
 
鏡による像の見え方に関する出題で、いずれも作図能力が試される問題になっている。

【大問7】地学分野 地震

  • 難度:やや難
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

地震に関する出題

(1)地震の規模を表す単位はマグニチュードである。震度ではない。
(2)表より30kmを4秒で進んでいるので。30÷4で秒速7.5km。               
(3)225÷7.5=30より、速い方の波がC地点に到達するまでに30秒かかっている。したがって、地震が発生したのは9時30分20秒。
(4)遅い方の波は秒速3.75mになるので、これを利用する。
(5)地震発生の原因の一つとして、断層のずれが考えられる。

地震についての知識と、P波とS波の速度をデータから計算する問題。P波とS波の計算問題は多くの学校で出題されている。

攻略ポイント

基本的な知識を身につけていれば解答できる問題と、実験結果など与えられたデータに従って考えていけば解答できる問題が多い。物体の落下や地震に関する計算問題など中学以降の授業で取り上げられそうなテーマもあるが、誘導に従って考えれば解答できるように作問されている。明大明治入試の対策としては、まずは基本知識を確実に固めることがあげられる。特定の分野に山をかけるのではなく、すべての分野の基本知識を確実に固めて欲しい。その上で、実験や観察の結果をもとに考えるようなタイプの問題演習をしっかり行っておこう。各分野の実験や観察については、その進め方と実験器具の取り扱い方も確認しておきたい。
また、時事問題対策として、日頃からニュース・天気予報などにも関心を持って欲しい。

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