立教女学院中学校 入試対策
2017年度「立教女学院中学校の理科」
攻略のための学習方法
出題分析
立教女学院の理科を取り上げる場合、まず頭に浮かぶのは、その題材のユニークさにあった。しかしそれも今では過去のものとなり,この3年間は難問・標準ラインを下に突破してかなり基礎的な設問を並べる学校に変化してしまった。
合格点は高めではあるものの,ほとんどの受験生にとっては手をつけやすいレベルである。もはや「立女の理科だから」と気合を入れる必要はない。
理科を苦手とする生徒にとっては福音であり,理科が得意な生徒はここで大幅に点数を稼ぐことが出来る。満点を取れる可能性もある。
では,大きく変わった理科に関してはどのように対策をしていけばよいかだが,それでも対策法に大きな変化はない。
基本的な知識を身につける
やはり、受験勉強の王道を貫くべし。
「基本的な知識を着実に身につけること」。これがなければ、先には進めない。塾などで与えられる教材のうち,基本的な部分を厚く勉強し,誰もが正解できる知識をしっかりと自分のものにすること。
そして知識を蓄えた上で、過去問をはじめ、いろいろな問題をやりながらその中で知識の出し方を練習しておこう。知識が正確かどうかは,まぎらわしい選択肢の問題で試されることになる。
さらに苦手な内容を作らないこと。オールラウンドにこたえられる力が必要だ。ただし,計算問題は出ない傾向にあるので暗記中心の勉強でよい。
総合的な問題への変化
昨年度(平成28年度)からは,大問の傾向にも変化が見られ,テーマを絞った問題から総合的なものに変わっている。その分問われることもオーソドックスなものになっていて,とりたてて立女対策をする必要はなくなった。入試問題を扱う側としてはさびしい気持ちもするのだが受験生の負担は大幅に減ったといえるだろう。
ただし,学校自体の水準が下がったわけではないので高得点が要求される。
時間配分
30分で30問に当たるので,単純に1分で1問。問題文が長めの学校なのでスピードが要求されるのは間違いない。時間と解くスピードについては、過去問にあたりながらその分量に対して必要な時間を配分していこう。
その所要時間に対して自分の解くスピードが遅いときは、徐々にスピードを上げていかなくてはならない。
6年生も後半になればだいぶ問題を解く速さが増してくるものだ。それでも足りない場合は自分のほうから問題に合わせていくしかない。
速読即解の場合,こわいのは知識不足と言うよりは問題文を十分に読まないで答えてしまうといういわゆるケアレスミスだ。平易な分だけ基本で落とすわけにはいかない。最後まで集中力を切らさず持っているエネルギーを出し尽くして解ききるパワーが必要だ。
合格点が取れるようがんばってもらいたい。
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2017年度「立教女学院中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
30分で大問は4、小問は30と、時間に対し多めの分量になっているものの,そのほとんどは基本的,いやそれ以前の「基礎レベル」の設問になっている。したがって,全問に目をとする余裕は十分にあると思われる。
これで2年続けて「立教女学院の理科は易化した」という事実を裏付けたことになる。この傾向が長期化するとなると、理科での負担は軽いものとなり、受験生にとっては朗報となろう。
【大問1】植物(種子の移動・発芽・食用)
- 難度:標準
- 時間配分:6分
設問1・2は、植物の種子の移動の仕方について、設問3は種子の発芽条件、設問4は植物のどこを食用としているかという問題で、どれも基本的な問いに終始している。
しっかり暗記を行い、知識の確認ができていれば苦労することはなかったろう。
<時間配分目安:6分>
【大問2】金属の溶け方
- 難度:易
- 時間配分:6分
- ★必答問題
3種類の金属とそれを薄い塩酸に溶かして反応を見る、という典型的な実験問題。ほとんどの設問は基礎的なものだ。
問1・2は「同じ気体」についての知識問題。
問3は表の中の空欄を適切な数値で埋めるというもの。「鉄」のほうは正比例しているのではじめの40gを3倍するだけだが、「アルミニウム」のほうは0.3gの時点でもうアルミニウムに溶け残りが見られるので、これ以上アルミを増やしても出てきた気体の体積は増えることはない。
問4はそのアルミニウムと気体の体積の関係をグラフにしたものを選ぶもの。表をもとに考えると、アルミニウムが0.3gの少し前で過不足なく反応しているのでウを選べるはずだ。
問5も「2倍に薄めて」というよくある設問。
問6は少しだけユニーク。ただ、計算問題としては安直に答えが求まってしまうのがもったいない。
<時間配分目安:6分>
【大問3】てことりん軸
- 難度:易
- 時間配分:6分
- ★必答問題
力のはたらきの計算問題が並んでいる。並んではいるものの、どれも基本を通り越して基礎中の基礎、と言えるレベル。
問1~5のてこの問題は、昨年度同様、理科を習い始めたころにタイムスリップできるような懐かしい問題。タイムスリップはアニメだけで十分。日々問題を解いてきたかいがない。
問6からはりん軸。問6はりん軸を習い始め初日に習う問題。
問7・8は、自転車の前輪・後輪の仕組みをりん軸に見立てたもの。ただし、計算問題ではなく理屈を考えればよいだけなので、難しくはない。
<時間配分目安:6分>
【大問4】台風
- 難度:易
- 時間配分:6分
- ★必答問題
2016夏の台風について聞かれている問題。
問1は「ブーメランのような動き」と「東北地方太平洋側から上陸」というヒントからア以外選びようがない。
問2・3も台風に関する超基本問題。腕の振るいようがない。
問4は(1)が間違えやすい基本の確認と、(2)が突如として風速50メートルクラスの超難問。これは誰もできまい。しかし、多くの受験生がその前までで十分な得点を与えてもらっているので、解けなくてもなんら合否には関係なさそうだ。
<時間配分目安:6分>
攻略のポイント
テスト時間は30分で60点満点。
合格者平均点は「44.2点」と2年連続して高いので合格点は「40点(67%)」前後と考えられる。
一昨年度あたりから続いている問題の易化傾向はとどまるところを知らず、本年度は昨年度を下回る易しさであったと言えよう。この問題では正答率が70%ではむしろ理科の基本はヤバイくらいで、少なくても80%は解けておきたい。
本校に関して対策を述べておくと,オーソドックスではあるが、まずは理科の基本的知識を身につけ、この3年間の問題水準に慣れておけばなんら問題はあるまい。ただし、理科の基本的知識を身につける、という最低条件は必ずクリアしておくこと。
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