江戸川学園取手高等学校 入試対策
2017年度「江戸川学園取手高等学校の数学」
攻略のための学習方法
普段の学習とし心掛けてほしいのは「数量編」と「図形編」を万遍なく学習するということである。
演習する問題のレベルとしては、標準問題以上であること。その際に、是非実行して欲しいことは「解答時間を決める」ということである。入試も本番では当然ながら解答時間は決まっている。
したがって、普段の学習から解答時間を計る習慣をつけるべきである。問題の難易度にもよるが、江戸川学園取手高校の本年度の入試問題における大問1や大問2などのレベルであれば、10分を目標に集中して解答すること。
大事なことは、決して途中で諦めないことである。最後まで、自分の頭で考え自分の答えを出すことである。不正解であった場合に、正解と自分の解答を見比べて、どこが正解と違うのか自分で発見する、そして再度正解へ向け作業を開始する。この作業をどの位繰り返し確実に行えたかが、本当の意味での「数学力」を培うことになるのである。
全ての分野について苦手意識をなくすことである。特に、図形編については何が出題されてもしっかり考え、正解に辿りつくことができるようにして欲しい。
ポイントは、定理や原理などについて、根本的な仕組みを知ることである。当然ながら、定理を知らなければ問題は解けないことは論を待たないが、定理を知っているだけで問題は解けるのだろうか。答えは「ノー」である。大事なのは、定理の原理をしっかり学び、理解することである。
そして、理解するためには、一度、その定理を自分で証明することである。そのようなプロセスの中で、「数学的物の考え方」、「論理的な思考力」、「合理的根拠の組み立て方」など高度の数学力習得のために必要不可欠な要素を自分のものとすることが可能となるのである。
そのような「数学力」に基づき、次に行うべきことは定理の入試問題への「当てはめ」である。図形においては数量編と異なり、与えられた問題の図形において「どの図形に注目するか」という出発点の発想(着眼点)を的確・迅速に思い描けるようになることは、上位校の合格を勝ち取るためには不可欠である。
例えば、図形編、特に平面図形において「等積変形」という考え方がある。「底辺と高さが同じ三角形は面積が等しい」という考え方である。この原理を表面上だけでなく根本的に理解を深めることができるかどうかである。この理解を深める作業を具体的に考えると、「複数の三角形の一片を平行な2直線の一方に置き、三角形の3点目をもう一方の直線上に置くことである」という考え方を自分の発想として定着させているかどうかである。そのような発想ができれば、正解への道筋が数十秒で見出せる。
他の問題にも、このような手法が応用できるので、是非とも自分の頭で様々な定理の組み立てが出来るように頑張って欲しい。最後に一言。以上述べたような分野の学習は必須事項であるが、その根底には正確な計算力があることを忘れてはならない。計算のケアレスミスは命取りになることを肝に銘じてもらいたい。
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2017年度「江戸川学園取手高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
【大問1】独立小問題<11分>。
平方根の計算、一次方程式の応用、確率、図形(角度・長さ・相似・面積)、二次方程式の応用に関する問題。
【大問2】空間図形に関する問題<16分>。
円錐内部に内接する球に関連した問題。頻出問題である。三平方の定理や相似の考え方を手際よく当てはめること。
【大問3】二次関数に関する問題<12分>。
比例定数や直線の式に関する問題。
【大問4】空間図形に関する応用問題<18分>。
空間図形に三平方の定理や相似の考え方を当てはめる。図形を見抜くひらめきを数多くの良問を解くことで養ってもらいたい。
【大問1】小問題集合問
- 時間配分:13分
小問題集合問である。どれも基本~標準問題である。85%は得点したい。
(1)は平方根の計算。正確で迅速な計算力が必要である<1分>。
平方根の計算演習は何度も繰り返し事前準備をしておくこと。
(2)は一次方程式の応用問題。<1分>。
与えられた条件(家~学校までの距離=xとする)を的確に数式化すること。
(3)赤玉・白球を用いた確率の問題<1分>。
少なくとも1個が白球であるという確率は、1-(2個とも赤である確率)で求めることができる。
(4)図形(角度)の問題<1分>。
三角形の外角などの考え方を適用する。
(5)図形(長さ)の問題<2分>。
相似の考え方を用いて解法する。図形の中からどの図形に注目するかを瞬時に見抜く力をつけること。最終的には求める辺の長さをxとして方程式を立式する。
(6)図形(相似)の問題<2分>。
相似・合同の考え方を応用し、図形の特性を生かして設問にアプローチする。
(7)二次方程式の問題<1分>。
方程式の解が意味することをしっかり捉えること。解の公式も明確に覚えていること。
(8)図形(面積)の問題<2分>。
等積変形の考え方をしっかり理解し、与えられた図形の特性を見抜く着眼点をしっかり自分のものにしていこう。
【大問2】空間図形
- 時間配分:9分
(1)円錐の高さを求める問題<3分>。
円錐の母線と底面の半径の長さが分かっているので、三平方の定理より円錐の高さは求められるであろう。計算ミスをしないように。
(2)円錐に内接する球の半径を求める問題<4分>。
与えられた条件に従って、真横から見た図を描き相似の考え方を用いて正解を導く。
(3)円錐に内接する球の半径を求める問題<4分>。
(2)で設定された円錐に内接する球の真上に、さらに内接させる球の半径を(2)同様に相似の考え方を用いて求める。
(4)円錐に内接する球の体積比を求める問題<5分>。
円錐に内接する6個目と8個目の球の体積比を求める問題であるが、(3)と同様な考え方を用いてそれぞれの半径を求めて体積比を求める。
【大問3】二次関数(放物線)と一次関数(直線)との融合問題
- 時間配分:
(1)y=ax2におけるaを求める問題<2分>。
二次関数における比例定数を求める問題である。y=ax2の意味は、『yはx2に比例する』といことである。
(2)四角形OACBがひし形になるための条件に関する問題<4分>。
ひし形になる条件は複数ある。4辺が等しい、対角線が中点で交わり直交する、2組の対辺が並行である、2組の対角が等しい等のうち、どの条件を使うかを吟味する。
(3)平行四辺形OACBの面積を1:3に分割するということの意味をしっかり把握し、図面上で求める直線を考える。
【大問4】空間図形
- 時間配分:21分
(1) 三平方の定理を用いた長さを求める問題<4分>。
与えられた直方体の展開図を考え相似の原理を適用して求める辺の長さを計算する。PQ+QRの長さが最小となるのは、PRを直線で結んだときである。
(2) 三平方の定理を用いた長さを求める問題<6分>。
(1)同様、展開図を考えて三平方の定理よりPQ+QS+SRの最短の長さを求める。
(3) 三平方の定理の考え方を用いて辺の長さを求める問題<8分>。
与えられた条件を迅速にかつ的確に処理し、条件から導かれる事柄を丁寧に積み重ねて行くこと。条件の中では、BQとGSとの長さがともに整数であるというのも重要である。
攻略ポイント
問題レベルは、基本・標準問題で構成されているので、徹底した標準問題の反復演習を行うことである。難問は出題されないと考えてよい。分野的には、特定の分野というよりも、中学数学全般に亘り出題されるので、苦手・不得意分野をなくすことである。
計算でケアレスミスをなくすためにも、毎日、計算問題(分量は5~10題)を行なうことが重要である。この演習で培った計算力は、全ての数学の分野の基礎となる。
具体的な分野に関し、少し挙げてみる。
第1に、関数である。2次関数(放物線)と1次関数(直線)との融合問題は最重要分野としてチェックして欲しい。この融合問題には、数学における数量編と図形編の全ての分野に関する作問が可能であるからだ。
第2に、図形である。当然、平面図形と立体図形を含んでいる。三平方の定理、相似比と面積比及び体積比、切り口、回転立体などはしっかり押さえておきたい。
第3には、今後出題が予想される分野として、確率、規則性に関する問題は注意を払ってもらいたい。特に、確率については、出題形式が多種多様であるので十分準備が必要であろう。