城北中学校 入試対策
2017年度「城北中学校の国語」
攻略のための学習方法
○出題傾向と特色
例年は文学的文章・説明的文章の読解に語句や漢字というオーソドックスな構成であったが、2017年度は大きく傾向が変わった。
小説の読解1題(ことばの知識を含む)に漢字の書き取りだけと、かなりの変わりようである。説明的文章は出されていない。
素材文の文量は10000字ほどにもなり、記号選択が8問・1行記述が2問・50~80字の記述が4問と、記述重視へと大きく転換している。
来年度も記述中心の構成なのか、文学的文章だけなのか、あるいは以前の傾向に戻るのか、さまざまに考えられる。学校説明会などには積極的に参加して、情報収集を怠りなく行いたい。
傾向は変わったが、全体の難易度は変えていないと思われる。傾向が変わって初年度だったので合格者平均点はやや下がったが、来年度からは受験生も対策を講じてくるので、元に戻るだろう。
○長文読解
素材文は文学的文章・説明的文章のどちらが使われるか、あるいは両方出されるのか、いろいろな可能性を考えてどちらにも対応できるようにしておかなければならない。
まずはそれぞれの読解の基本的な技術を磨こう。文学的文章であれば登場人物の整理・時間や場所や人物の入退場による場面分け、人物の心情や描かれているテーマの把握など。説明的文章であれば、形式段落と意味段落の整理、段落ごとの要点と細部、要旨と全体の要約など。
出題傾向は変わったが、素材文自体の難易度などは過去問と変わらないと思われるので、過去問で経験を積むことはもちろん有効である。
○記述対策
文学的文章では、人物の心情や行動の理由などを聞かれる場合が多い。類似問題をこなすのはもちろんだが普段の読書においても常に意識して、いまこの人物はどういう気持ちなのか・なぜこんな表情になりこんな行動をとったのかなど、考えながら読むようにしたい。
説明的文章であれば、要点・要約が答えあるいは手がかりになる場合が多いので、読んだ部分を短くまとめるような練習が役に立つだろう。
そしてそれらを50~100字程度で文章に破綻がないようまとめる練習を積もう。だいたい一つの事柄・内容は20~25字くらいでまとめられることが多いので、70字であれば2~3の内容を使って解答を組み上げれば良いということになる。
この点では城北中の過去問では練習にならないので、記述問題中心の普連土学園中や、難易度は高くなるが海城中や豊島学園中などは、文章量の多さなどの面でも練習台になるだろう。
傾向の近い他校の過去問などもうまく利用して、記述問題に慣れておかれたい。
○漢字・言語事項
言葉の知識も出されている。漢字と合わせて、標準レベルの教材でよいので、丁寧に学習しておこう。
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2017年度「城北中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
素材文は小説で文量は10000字ほど。解答数は読解問題が14問、そのうち記号選択が8問・1行記述が2問・50~80字の記述問題が4問となっており、これに漢字10問が加わる。
文学的文章の場合は、説明的文章と違って文中から抜き出して記述にまとめられない場合も多い。文量も多いので、読むスピード・書くスピードが求められる。漢字と選択問題を速やかに終え、記述に回せる時間を確保しよう。
【大問一】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:47分
- ★必答問題
ある種の発達障害を抱える主人公ハルと、彼を取り巻く周囲の人々の様々な心情が描かれる。
問一 (A)「業」は「業腹」などと言って、怒りを表す意味がある。
(C)漢字で書くと「怖ず怖ず」。おそるおそる。
問二 直前の、名札を指で指している動きと発言をみる。先生が「柏木さん」と呼びかけても自分のことだと認識できていない。ほかの皆に普段から呼ばれている「ハル」が自分の名前だと伝えようとしたが、先生には伝わらなかったようである。
問三 「眉をひそめる」は不愉快な気持ち。授業中なのに理由も告げずに立ち上がったハルの勝手な行動に怒りを感じている。
問四 傍線の直後で、自分は集中が長続きしないことを嘆いている。
問五 容子はハルの発達障害をあるがままに受け入れていて、人間というものは周囲に多少の迷惑はかけるものだと思っている。しかし、先生からの連絡でその迷惑が翻ってハル自身を苦しめていることに気づき、他人に迷惑をかけないことは自分の身を守ることにつながるのだとわかった。ハルにそのことをきちんと教えていなかったせいでハルが今辛い思いをしていることを申し訳なく思い、自身も辛い思いをしている。
問七 「管理側にとって都合のいい」という部分の意味を考える。学校で言えば、一人の先生が大勢の生徒ひとりひとりに違った対応を取るのは負担が大きい。生徒への指示は、先生が楽になるように出されている、と健太は気づいたのである。
問八 健太は大人の強制をはねのけて(と健太は思っている)周囲を気にせず行動できるハルを尊敬している。そのハルが叱られるのは屈辱だと思っている。自分の昔の姿と重ね合わせている気持ちも書かれている。
問九 見たままの事実と健太の気持ちが短い文章でたたみかけるように並べられている。三者の感情の交錯が緊迫感を持ってよく伝わる表現である。
問十 ハルは健太が宿題をやってくれたことを悪気無く嬉しく思っている。先生が怒って消せという理由はハルにはわからないのだが、泣きながらノートを消していた健太の辛そうな様子を見て、自分が何か間違ったことをしたせいで健太を悲しませているのではないかと思い始めている。
【大問二】漢字の書き取り
- 難度:標準
- 時間配分:3分
特別に難しい漢字は出されていない。塾などで使っている漢字教材をしっかりこなしてあれば対応できる。
攻略のポイント
新たに記述対策が必要になった点は負担に感じるかも知れない。だが、同じく記述問題が多く出される、いわゆる最難関校ほど難しくはない。傾向が変わって初年度なので合格者平均点は少し下がったが、次回以降は戻ってくると思われる。
来年度も同じ傾向が続くものと仮定して、同程度の字数の記述問題を多くこなしておこう。過去問が不足するが、同じように記述問題の多い普連土学園中など、他校の過去問も利用して経験を積んでおきたい。
ただ、設問の形がどうであれ読解力を磨くことが第一であることは言うまでもない。
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